薬害というとサリドマイドや薬害エイズくらい? いえいえ、アメリカでは6万人や10万人死んだ薬もあるんですよ。
さて、薬害というと日本で知られているのは1950年D最高範囲発売されサリドマイドや、1980年代に血友病患者に対し、加熱処理をせずウイルスの不活性化を行わなかった血液凝固因子製剤(非加熱製剤)を治療に使用した薬害エイズくらいしか有名なものはない気がします。
ちなみにサリドマイドの世界での被害者は5800人から1000人で日本では1000人、薬害エイズ被害は世界で10000人程度、日本で2000人程度です。
しかし、それとは比べ物にならないほどの死者を出した薬害があるのですが日本ではあまり知られていません。
メルク社の関節炎薬バイオックス(Vioxx)は1999~2004年に2000万人の米国人がバイオックスを服用し、その結果14万人が心臓発作を起こし、その内の6万人が亡くなったのですが、死亡者の大半が高齢者であったことから、アメリカの保守派による後の報告書では、長期的には50万人以上の患者がこの薬で死亡した可能性があると予測されていたりします。
また世界的に利用されていたコレステロール合成阻害剤であるバイエル社のセリバスタチンは高脂血症用剤であるゲムフィブロジルとの併用により,横紋筋融解症の頻度が高まり、およそ10万人が死亡したとみられています。
日本では日本国内では併用による横紋筋融解症の発現が言われているゲムフィブロジルが販売されていない事(三共が申請中)、日本のセリバスタチンは、海外の用量(海外の常用量0.4mg)と比較し常用量0.15mgと低用量である事、国内の副作用発現例では、致死的な副作用の発現がない事などのより2001年に諸外国が販売中止や回収を行っているにも関わらず使用を継続しようとしましたが結局日本でも発売中止になりました。
これらの薬剤は治験を通過し、使用承認はされていましたが、メルク社は2000年にすでにバイオックスの危険性を知っていて、データを隠蔽・改ざんしていたりします。
なので専門家の意見というのは時に企業の利益のために改ざんされることもあるのだ、ということは頭の片隅に入れておいた方がいいのではないかなと思いますよ。