コレクション
ツッコミ「はい、どうも~。ツッコミです」
ボケ「はい、どうもどうも~。ボケで~す」
ツッコミ「そういえばさ、お前、趣味ある?」
ボケ「趣味?お前にイジられ弄られる他にってこと?」
ツッコミ「イジられるのはボケ担当の仕事でしょうが!それに弄られるって何!それだと俺とお前が変態ってことになっちゃうでしょ!」
ボケ「え、俺達、変態ですよね?」
ツッコミ「違う―!肯定するな!話し戻せよ!」
ボケ「はいはい、趣味の話ね」
ツッコミ「そう、それ」
ボケ「実は俺、腕時計集めるのが趣味なんだ」
ツッコミ「へえ、腕時計のコレクションか。いい趣味してるじゃないか」
ボケ「見せてあげようか?」
ツッコミ「え、持ち歩いているの?」
ボケ「うん、そう。いつも一緒にいて、ほっぺにすりすりしているの」
ツッコミ「それ、趣味通り越してフェチじゃないのか?」
ボケ「だって、全部、超レアな腕時計なんだもの。この子達を家に残して出歩くのが、心配で心配で」
ツッコミ「擬人化しちゃっているよ」
ボケ「はい、一つ目」
ツッコミ「こ、これは…」
ボケ「どうだ、すごいだろ。日時計型腕時計だ」
ツッコミ「…えっと、何がすごいの?」
ボケ「紀元前から存在する最古の時計だぞ。電池不要で数千年間も使用できる」
ツッコミ「…まあ、確かにね」
ボケ「ただ、空が曇ると途端に機能しなくなるのが難点だけどね」
ツッコミ「そうだよね」
ボケ「はい、二つ目」
ツッコミ「これが時計?丸い小さな箱にバンドが付いているだけなんですけど。これも超レアものなの?」
ボケ「その通り!なんと、箱の蓋を開けると小人が顔を覗かせて、時間を教えてくれる腕時計なのだっ」
ツッコミ「うわあ、とってもファンタジー!」
ボケ「難点は、小人が怒り顔のお爺さんだからすご~く可愛くないのと、蓋を開けるとすぐに箱から飛び出して逃げてしまう事だ」
ツッコミ「難点が二つに増えたな」
ボケ「はい、三つ目」
ツッコミ「どうせまたへんちくりんな腕時計なんだろ。ん?普通の腕時計じゃないか」
ボケ「見た目は普通の腕時計だが、時計の針を行きたい時間だけぐるぐる回転させると、過去と未来に行き来できる機能が付いている腕時計だ」
ツッコミ「ええっ、それはすごい機能じゃないか!よし、今から未来に行って、超人気のお笑い芸人からネタを頂いてしまおう。それから過去に戻って、そのネタで俺達コンビを売り出すんだ!」
ボケ「ほほう。そんな姑息な使い方があったのだな」
ツッコミ「姑息と言えば姑息だけど。逆に聞くけど、何で今まで気が付かなかったの?これで俺達も人気芸人の仲間入りだー!」
ボケ「はい、ぐーるぐる」
ツッコミ「あれ?未来に行ってお笑いネタどっさりと仕込んで過去に戻った筈なのに、現在が全く変わっていない」
ボケ「言い忘れたけど、この腕時計って、過去と未来を行ったり来たりすると、その時の記憶が失われるという機能付きなんです」
ツッコミ「それ早く言ってよー!何だよ!お前のコレクションしている腕時計って、全く使えないガラクタばかりじゃないか!」
ボケ「ひどい!私の可愛いこの子達を、ガラクタとか言わないでよ!」
ツッコミ「何で急にオネェ言葉?あーはいはい。悪うございました」
ボケ「四つ目もあるんだけど」
ツッコミ「もうなにも期待してないけど。一応、見せて」
ボケ「はいこれ。縄と鞭とロウソクになる機能付きの、変態御用達腕時計」
ツッコミ「もういいわ」
二人「ども、ありがとうございました―――」
またまた、お粗末様でした~。