表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/23

シルバの魔術

入り口を抜けて、アギラの拠点内部に侵入する。

「水貴さん、ここから先、潜伏して進むのは無理です。正面突破で、敵は全てなぎ倒して行きましょう!」

「りょーかい」


さっそく、いかつめな男が3人、こちらに向かって歩いてくる。

「な、テメェら、なに入って来てやがる!」


今度は、背中の入り口から3人、家の影から4人のメンバーが顔を出す。

「シルバ!」

「わかってます!」


四方を完全に囲まれて、俺とシルバは背中合わせとなり、構える。

よし、飛び道具を持ってる奴は一人もいない。

アギラのメンバー達は、剣や、棒を腰にぶら下げている。


シルバは、内ポケットから、小さな杖を取り出して、

「現出せよ!アイスキューブ!」


呪文を唱えると、立方体のドライアイスのようなものが、六つ出現した。

大きさはサッカーボールほどで、赤色だったり、青色だったり、それぞれ色が違い、色に応じた煙をゆらゆらとまとっている。


アイスキューブはシルバを取り囲むように、ぐるぐる周っており、「飛べ!」という掛け声とともに、敵に向かって発射された。


これが、シルバの魔術か……って関心してる場合じゃないな。

アイスは一人、一個。六人がターゲットとなっている。


残った四人に向かって、走る。

敵が魔術に目を奪われているスキに、間合いを詰めて、昏倒させる。


振り返ると、残りの奴らも地面に伏して、伸びている。

「アイスキューブの重さは四十キロ。腕に当たれば腕が、足に当たれば足に装着される」


攻撃をくらった奴らは、全員、体にアイスがくっついている。

「なんだ、これ……取れねぇぞ」

アイスは取れず、立ち上がることが出来ないみたいだ。


「水貴さん、これが私の魔術です。普通の人間なら、一つでもくらえば動けなくなります。これを使ってボービを捕まえます!」

なるほど、手錠の代わりにもなるわけだ。


騒ぎを聞いて、わらわらと、敵が集まってくる。

その中に一人、身長二メートルは超えてるであろう、大男がポキポキと指を鳴らしている。


「あの大男が、ボービです」

シルバが耳打ちするように告げる。


「おい、デカブツ。お前を捕まえるために、俺達はここにきた」

「デカブツだと!ボービ様になんて無礼な!」


ボービがのしりのしりと、巨体を揺らして近づいてくる。

「アギラをボコした黒髪ってのはお前のことだな?坊主、魔術は使えるか?」

「使えねぇよ」


ボービは困った表情で、

「そんじゃあ、戦えねぇな。俺は魔術を使えねぇ奴に、魔術は向けねぇ主義なんだわ」

「俺のことなら構わず、魔術を使いな」


「彼は、元軍人です。それも、魔術で戦う軍人なので、かなりの腕前ですよ」

「ボービお前、やっぱり魔術使うな」

正々堂々、拳での戦いだ!


「こうなったらおめぇ……スピリトファイトだ!」

「は……?」


なんだそれ?

初めて聞く名前に、口をあんぐりさせる。


「スポーツの名前ですよ。リング上で拳を使って戦う競技です」

シルバが補足してくれる。

ボクシングみたいなものかな。


「そいつで、お前が勝つことが出来たら、大人しく捕まってやるよ」

そこまで言うからには、ボービは相当な自信があるのだろう。


「やりましょう、水貴さん!総力戦よりは被害が少ないです!」

「……そのやるってのは、俺がだろ?」

「もちろんです!」

「……」


シルバにいいように使われている気がするが、言ってることは事実だ。

「わかった。なんちゃらファイトって誘い、受けるぜ!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ