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095★和也の装備と銀嶺の装備



 だが、しかし、装飾華美と思うモノを身に着けて行く和也は、精神的な鬱屈を感じていた。

 背景人ごみに紛れ、目立たないことが好きなだけに…………。

 和也は、盛大に、内心だけでぼやく。


 あああぁぁぁ~……叫びたいほど……恥ずかしいです………

 このゲームって……羞恥プレイモードがあるんですね……


 こんな格好を、誰かに見られたら…………

 恥ずかしさに死ねるって…………


 よく……ラノベで読みましたが……

 本当に……ボクもそう思いますよ………


 人間は誰も見ていない……って言ったって…………

 ボク自身が見ています


 そして、ナミってば、親切すぎます

 どぉぉぉぉして……水鏡を……それも等身大のモノを…………

 設置してくれるんです……


 鏡の中に……皇子様のコスプレをしたボクの姿が……


 自分の姿にげんなりしている和也が、水鏡には映っていた。

 なお、その姿は、水の女神経由で八百万の神々に知れ渡っていたりする。

 不憫な和也に合掌…………。


 そして、このあと、仲間と合流を予定していることをすっかりと忘れている和也であった。


 ともあれ、そんな暗ぁ~い気分を払拭する為に、和也は、剣を握って居合い切りを何度も繰り返す。


 そう、何時もしいる動作に、和也は落ち着きを取り戻したのだ。

 日常の行動は、精神の安寧をもたらすという良い例である。


 そして、ナミの作ってくれた水球より、和也は出た。

 皇子様な和也の姿に、精霊達は次々に口を開く。


 「ますたーの衣装は、白で決まりですねぇ…………」


 「ますたー……素敵です……今度は……チエが…作りたいです…」


 「お似合いです……ますたー……でも……チホも作りたかった……」


 「ますたぁぁ~…………マントが素敵だからぁ

 裾が汚れないように風を纏わせるねぇ~……


 このマントを着けていれば……いつでも……

 詠唱? 無しで……空歩が出来るよ」


 「ますたーの衣装やマントが汚れないように

 水の膜を張ってあげるぅ~…………

 色んな攻撃から…ますたーを護るからねぇ~」


 口々に加護の言葉を言う精霊に和也は苦笑するのだった。


 和也と精霊達のやりとりを銀嶺は、黙って見ているだけだった。


 次は、私が色々と装備させられるんですねぇ…………

 たまに、見かける飛竜達は、身体に人間を乗せる鞍をつけていたっけ


 騎士を乗せた飛竜達は…………

 人間と同じような鎧を、身に着けていたのもいたような?


 尻尾や足に、何か変なモノを着けているものもいたな……そういえば

 まさか、私も………ものすごく…イヤなんですが…………

 きっと、それを言っても……何の意味も無いでしょうね……

 

 ますたー自身が…………

 嫌そうに、地の精霊が作った衣装を着ているんですから………

 諦めるしか無いですねぇ…………

 

 ひとしきり和也に絡んで満足した地の精霊は、銀嶺に意識を向ける。

 その視線に、銀嶺は諦めて、お座り?のポーズをとる。


 チカ達は、銀嶺に近付くとその身体に、テキパキと鎧を装着する。

 それが終わると、片足ずつ上げさせて、武器をしっかり装着した。

 その後に、尻尾に武器をがっつりと装着した。


 次に、和也用の武器として、槍と弓。

 そして、盾(マジックシールドで、あらゆる物理攻撃も魔法攻撃も、3分なら無効に出来る優れもの)を装着した。


 1番最後に、和也の乗る鞍を丁寧に装着した。

 何度も締め付けを確認してから、チカが和也に話かける。


 「ますたー……鞍を着けたから……乗ってみてぇ…………」


 「ありがとう」

 

 和也はチカに答えながら、マントの効力でふんわりと空中に飛び上がり、鞍へとたどりついた。


 和也が鞍に座り込むと、すかさずチカ達が、和也を鞍に固定してくれる。

 その作業の間、銀嶺はひたすら黙っているだけった。


 銀嶺は、ゴテゴテ?と鎧や武器、鞍を装備されるのは、大切な主、和也を乗せて飛ぶためと諦めていた。

 それに、鞍に和也が、またがったら、すかさず飛び上がる予定だったから…………。


 銀嶺は、装飾華美な鎧やら武器の装備に、思わず意識を敵前逃亡させる。

 そう、別のことへと意識を向けたのだ。


 ここは、あのオアシスから、かなり離れている

 ナゼ、こんなところに、ますたーは居たのだろう?


 どうやってここまで来たのだろうか?

 後で、ますたーに聞いてみよう…………


 自分達の現在地を、周囲を見回して確認した銀嶺は小首を傾げる。


 とりあえず、あのオアシスに向かうだけ…………

 ただ、今回は、あのオアシスの方向から風が吹いている

 ちょっと、時間が余計にかかる…………


 これから飛ぶ、上空の空路を見あげ、銀嶺はさてどうしようか?と考える。


 それに、あの道は、ル・グランジュ王国の飛竜騎士達が良く使う

 その他に………隣国のラ・メールリング王国

 あとは、リ・ログリアン王国の飛竜騎士も……


 ここは、飛竜にとっては交通の要所

 中央の大国ラ・リーグ・ロリアン帝国へ向かう空の道だから………

 色々な国の飛竜騎士が、空を行きかっている…………


 もっとも、私のように、現実空間から、少しずれた

 亜空間を飛ぶモノには、あまり意味は無いが………


 でも、人間に会いたいと何度も言っていたますたーには…………

 現実空間を飛んであげようかな…………


 現実逃避した銀嶺は、和也が望むことをしてあげたいと思い、亜空ではなく現実空間での飛行を考えていた。










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