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092★和也と精霊達 予定は未定



 後に残ったのは、銀嶺と和也だった。


 ふむ……地の精霊を呼び出せたってコトは……

 水の精霊に、お水が欲しいって……頼めるはずですよね……


 いい加減、喉が渇きました…………呼んでみましょう………

 …このゲームで、知り合った精霊を試しに…………


 とりあえず、飲み水の確保ですね

 ドライアップはごめんです


 水分が足りないと、血液循環が悪くなります

 行動力も落ちますから…………

 使えるモノは使います…それが、精霊でも女神でも


 考えがまとまったので、和也は、水の精霊に呼びかけた。


 「ナミ…飲み水が欲しいんですが……出来ますか?」


 その呼びかけと同時に、和也の周りには、ふわっと優しい湿気が溢れた。

 それと時を同じくして、水の精霊のナミが現れた。


 「ますたー……喉が渇いたの? …お水…冷たいお水…

 ここにいーっぱい出したよぉ…この水の器で飲んでねぇ………」


 ナミの言葉と共に、空中に大きな透明な水球が、キラキラと光を反射して浮かんでいた。

 そして、ナミは、半透明な水色のグラスを和也に差し出す。

 喉の渇いていた和也は、そのグラスを受け取って、笑顔でお礼を言う。


 「ありがとう…なんの器も持っていなかったから助かります………」


 和也は、グラスを空中に浮かぶ水球に、静かに沈める。

 直ぐにグラスの中は冷たい水で満たされる。

 それを、嬉しそうに和也は口にした。


 ゴクゴクという嚥下の音を立てて和也は、グラス一杯の水を飲み干した。 

 ふぅーっと一息ついて、和也は水に癒されて、花の蕾みが開くかのように、にっこりと笑う。

 それだけ、美味しかったのだ。


 「ありがとう…ナミ……冷たくて…美味しいですね」


 笑顔と感謝の言葉をもらったナミは、にぱぁーっと笑う。


 「嬉しい…ますたーのお役に立てたぁー………」

 

 和也にお礼を言われたナミは、嬉しそうに空中で何度も宙返りを繰り返した。

 その度に、美しくて大きな尾びれが、何度も空中に水滴を撒き散らした。

 その結果、和也は、小さな虹を幾つも見たのだった。


 嬉しそうなナミを見て、和也はちょっと考え込む。


 地の精霊と水の精霊を呼んだけど……他の精霊も呼んだほうがイイかな?

 銀嶺と空を飛ぶんだったら………ここは…やっぱり………

 守護にもなれるから風の精霊は呼んだ方がイイですね


 ボクが、もしも銀嶺から落ちた時、風の精霊に空歩って言えるように……

 それに、空の高い場所は、確実に空気が薄いから…………

 空気の膜を作ってもらいたいですね


 あと、高速で高度のかなりあるところを飛ぶから、絶対に寒いですね

 そんなときは、火の精霊に温めてもらいましょうか…………


 雲の中を突っ切ったり、分厚い雲の下を通るときには…………

 光の精霊に明かりの代わりに、光ってもらうのもイイですねぇ~


 森や草原に、獣達が通る獣道があるように…………

 空には飛竜の飛ぶ、ハイウェイがあるでしょうから…………

 そこを銀嶺も通るはずですね…………


 ……あっ……もしかしたら、色々な国の飛竜戦士や飛竜騎士も通るかも?

 あって欲しくないけど、他国の飛竜戦士との遭遇もありそうですね


 その時に、その場から、スルッと逃げられるように…………

 ここは、闇の精霊に目くらましをして欲しいですね


 よし、もしもの時は、闇の精霊に姿を隠してもらいましょうか…………

 隠れて、飛竜騎士を付回して観察するのも面白しかも?


 飛行機やヘリの類いに乗って空を飛ぶんじゃなくて…………

 銀嶺に乗って、空を飛ぶのはどんな感じなんでしょうねぇ…………

 くすくす……なんか…面白くなりました………


 そういえば、今日のバイトに入ってるのって…………

 緋崎くん達は、どんなイベントに参加しているのでしょうか?


 どのくらいで、皆に合流できるでしょう…………

 ふう~…考えるより行動ですね…………


 取り敢えずは、火・風・光・闇の精霊に呼びかけますかぁ~

 本当にボクの前に現れるかを………確かめてみましょうか…

 

 思考海から意識を浮上させた和也は、火の精霊に呼びかける。


 「エン、用事があるから……」


 「御前に…ますたー………」


 和也の呼びかけの言葉を途中で切って、火の精霊エンは現れた。

 跪くエンの姿に、和也は心臓をバクバクさせていた。


 なんで、ボクの呼びかけの途中で現れるの?

 あっ………でも、チカもそうでした…………

 ナミでさえ、呼びかけが終わると同時に姿を現してくれましたねぇー


 ふぅ~………やっぱり…説明は、1回で済ませたいから………

 ここは、光と闇の精霊にも声を掛けましょう 


 善は急げって感じていきますか?

 とりあえず、エンには立ち上がってもらいます


 余分なコトを考えながらも、和也は残り?の精霊達に呼びかける。


 「フウカ、ちょっと…………」


 「はい…ますたー」


 一陣の風とともに、イイ笑顔でフウカ達は、和也の前に居た。


 なんか……みんな気が早いのかなぁ~……

 呼びかけの途中で現れるんですけどぉ~


 でも、光と闇の精霊は、存在がかなり少ないみたいですから…………

 マジメに、呼び出してみますかぁ~…………

 ファンタジーの定番のやり方で…………


 厨ニっぽくって……ボクとしては………

 ちょっと、いやかなり恥ずかしいですけど……

 でも、ここには、ボクしか人間は居ないから…………


 無表情なのに、内心ではかなり恥ずかしがっている和也は、意を決して呼びかける。








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