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085★和也のありふれた日常2



 内心は頭痛を覚えつつも、相沢は他のメンバーに注意するように言う。


 「そっ…自主練習ってことで…試験中もちゃんと…走り込みだけはやってね」


 相沢の発言に、首を傾げて和也が言う。


 「部活があっても…無くても……走り込みはしていますけど…」


 それに続いて、緋崎もまじめそうな顔で言う。


 「俺も…走り込みは……毎日してる…」


 2人の発言に、相沢は、にぃーっこりと音がするほど?黒く笑って言う。


 「そぉー……だったら……個人別の練習メニューの新しいヤツ…

 明日…渡すねぇ~……かならず……全メニューやること…イイわね………」


 なんかやぶへびかも?という表情で、相沢以外がいっせいに答える。


 「「「「………ウッス…」」」」


 それに、にっこりとイイ笑顔のままで、相沢は注意する。


 「あっ……それと……練習は、メニュー以上にしないこと…………

 特に…緋崎…アンタは、無茶しやすいから………無理は絶対にダメよ

 まだ……身長が…伸びてるから…指示以上は、絶対にしないこと…イイわね」


 そのセリフに、相沢の作る練習メニューに戦々恐々しながらも、良い子の返事をする彼らだった。


 「「「はい」」」


 その返事に頷きつつも、ほぼ全員がバスケバカなところがあるのも事実なので、念押しするように重ねて言う。


 「みんなも……メニュー以上の練習はしないでね

 なんと言っても、試験勉強もあるんだから…………わかった?


 あと、いくら無茶して、練習しても、持っている伸びしろが……

 ぐぅーんと増える訳じゃないないんだから……指示通りにすること

 もし、やぶったら…………わかっているわね」


 にぃ~こりと笑って、トドメを刺す相沢は、強かな女の子?だった。

 その背には、漆黒の翼と尖ったお尻尾の幻影が、かなりリアルに見えていたりする。


 そんな会話?をしているうちに、目的の駅に着いたので、荷物を確認して降りる彼らだった。


 勿論、帰宅部?の生徒達の下校時間帯だったので…………。

 なにげなくというか、相沢に注意を受けながら、ゾロゾロと歩くバスケメンバーを見て、キャーキャー騒ぐ女生徒達がいたりする。


 格好良い男の子が多いので、少し離れて取り巻くなんてことは、ざらなのだ。

 その中には、彼ら後を付いて、学校に戻るお茶目な生徒達がいたのも確かなコトだった。

 特に、その中で人気が高かったのは、和也だったりする。


 それは、気配の薄い?存在感のない和也を、じっくり見てスマホに撮れば(盗撮?)すれば…………。

 ソノ日はずぅ~っと、幸運が訪れるというジンクスが、まことしやかに流れていた為だったりする。


 なぜ、そんなジンクスが生まれたかというと…………。

 サクラや緑川、浅黄や青木、赤沢ツイン達が、中学時代に和也の姿をスマホで撮っては…………。


 『今日はイイことがあった…………』とか


 『上手く撮れたから、良いことがありそうだ』と


 何度も、会話していた為だった。


 ちなみに、彼ら以外のチームメイトも、和也をこっそりスマホで撮ることを何度もチャレンジしていた。


 だが、和也は気配にとても聡い。

 ピンと来た和也は、ヒョイっと動くので、綺麗に撮ることはかなり難しいかった。

 そのため、和也を上手く撮影できただけでも、かなりの達成感があったりする。


 それは、極上の獲物を獲ったのと一緒に感じられた…………。

 写りの良いものは、赤沢ツインに差し出して、レアなアイドルの生写真とか、グッズとかに交換可能だったのでより彼らは頑張った。


 彼らは、教室や廊下などで…………。


 『和也さんを撮れたから、イイことが…………』


 と、何度も会話していたので、生徒達の間で流行ったのだ。

 それが、色々なところに流れて、他校生やバスケ好きの人間達の間では、常識といえるほどのジンクスになっていた。


 もちろん、緋崎の姿をせっせと撮る女子高生もいたが、ついでに和也も撮っていたのは確かなこと。


 和也の肖像権?は、なにそれ食べれるのという状態だった。


 のちにそのお陰で、色々と役に立つ情報が映像として残ることが…………。 

 閑話休題。

 


 ともあれ、自分達の後をゾロゾロと付いて歩く集団を、綺麗にスルーして目的地に向かう和也達だった。


 目的地に着くと、噂の赤沢ツインの側近(下僕)達が、何時ものように和也に深々と頭を下げて出迎える。

 どこの?…………と、いう状態だが、誰も何も言わない。


 「こんにちわ、和也さん、控え室を兼ねるロッカールームに案内します」


 そんな彼らに、和也は、苦笑しながら言う。


 「こんにちわ、東谷君、南田君、何時もありがとう……

 でも……毎回、案内しなくても、一応、案内図はもらっているから………」


 和也の言葉を相沢は、にっこり笑ってぶった切る。


 「いっつも、案内してくれてありがとう……

 控え室には……いつものドリンクやスプレーとか用意されているの?」


 相沢の質問に、東谷がにっこり笑って説明する。


 「はい、色々と取り揃えてあります


 今回は、超速で汗を吸い取るタオルとか…………

 治験を兼ねた…………スプレータイプの…………

 かなり強力な痛み止めも用意されていますから………


 あっ………アンケート用紙も置いてありますので…………

 使用されたものについて……記入を…………」


 と、何時ものように説明するのだった。


 







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