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075★バイトを紹介したのは、誰?7+α(緋崎くんと氷川くんのゲーム内容)


  

 和也が妙な納得をしている間に、氷川は、その説明の時のコトを思い出して、説明を続ける。


 「その冥府の管理者である古き神より、下賜された聖なる黒い槍【聖黒槍】が、とうとう全部壊れたから、大型の恐竜から逃げるしか無かったって………口惜しそうに…長のコモドンが言っていたんだよねぇー」


 和也は、ちょっと首を傾げる。


 えぇーとぉー……もしかして、ボクが祈った女神様より新しい方ですよねぇ……

 そのトーカゲンって種族が、下賜された聖なる黒い槍【聖黒槍】って……

 ボクが貸し与えられたモノより……もしかしなくてもランク低い?

 どういうコトなんでしょう? ふむ、聞いてみましょうか?


 「それじゃぁ……そのトーカゲンという種族が、新しい槍を、また、下賜してもらうってコトはできないんですか?」


 名前すら、忘れ去られた神ってコトは、それを崇める民もいないってコトだよな

 叔父さんにもらった古いゲームに、忘れ去られた神は力を失うって…………

 そして……いずれは……消滅してしまう…………


 力を失うってコトは、神々の世界で【聖黒槍】を作れたとしても…………

 人間界に係わるだけの力は無いから…………

 自分を崇める民を護る【聖黒槍】を与える力も無くしたってコトだよなぁ……


 神々の世界と人間の世界って、完全に隔絶されているから…………

 それを超えて力を振るうってかなりの力を必要とするって…………

 だから、神の声を聞けなくなったって可能性が高いって思うけど………


 俺がそう言ったら、誰かに突っ込まれそうだから…………

 やっぱり、さらっと流した説明だけにしよう…………


 和也の質問に、緋崎は内心では色々と思うところがあった。

 が、緋崎は、突っ込まれるのがイヤで、思いついたことを心の中にしまって、残念そうに首を振って言う。


 「長のコモドンが言うには、古き神の声を聞くことの出来る、ミコやフシも生まれなくなって久しいんだってさ……」


 その説明に、あっさりとキツイ言葉を青木は口にする。


 神の言葉を聞く能力を失った民と…………

 声を届ける力さえ失った神…………

 もろ神々の黄昏って感じだなぁー…………

 うーん……ろこつに……RPGって感じでおもしろそぉー……

 色々な敵やモンスターが出てきそうで…………ワクワクするな…………


 「それって……終わりじゃん……」


 青木の発言に、浅黄は首を傾げて言う。


 大型恐竜を倒す【聖黒槍】を失ったリザードマン……

 オレだったら………個体数のコントロールするより…

 全滅させちゃうかもなぁー…………


 じゃなくても、レッド・データー入りさせちゃうなぁ…………

 これって、牙も爪も腕力も早さも体力も無い…………

 か弱い人間だからなのかもなぁー…………


 リザードマンって……マジで…強い生物なんだろうなぁ…

 絶対に戦いたくないなぁ…………恐竜もイヤだけど…………

 リザードマンもイヤだと思う……人間がいたら?……

 うーん……エグミ…たぁーっぷりの…RPGって…………


 「あれ? だったらコモドン達は…かなり気を使って恐竜の数を減らしていたはずだよな……誰かが…彼らの邪魔をして…大型恐竜を…増やしたってことは?」


 浅黄の推理に、氷川がコクコクと頷いた。


 「……あるかも……」


 それに、緋崎が首を傾げる。

 

 大型の恐竜が増えたら、あの辺を旅するキャラバンが途絶える…………

 だいたいあの周辺に住んでいるモノ全員が、食べられる可能性が…………

 んな危険なモンを増やしてなんの得があるんだ?


 「でも……いったい…誰が? …」


 緋崎の言葉に、和也の脳裏に一瞬……稲妻が…走り………。

 和也は、浮かんだ推理を嫌そうな顔で口にする。


 あはは……なんか……イヤなコトを思いついてしまいました…………

 ボクだけで……苦悩するのは…イヤなので……………

 みんなに押し付けてしまいましょう…………


 「可能性としては………強欲な人間の王だったりして……その辺りの人間やリザードマンなどの獣人達を……恐竜が食べつくしたら…その辺りを封鎖する……すると…恐竜達は…共食いして滅びる……結果……広大な領地を戦わずして手に入れるとい言うのは…………」


 和也のかなりエグイ発言に、緑川は頷いてさらりと言う。


 確かに、あのゲーム世界の王は、ワガママでカッテで…………

 手段を選ばない……強欲で……悪逆非道を平気でするのだよ…………

 ゲームとはいえ、同じ人間とヒトククリされたくないのだよ…………


 「エーリース達も、呪を人間の王にかけられたって言っていたのだよ……」


 シューティングゲームは好きだけど……RPGはそこまで好きじゃない緋崎は、ちょっとイヤそうに言う。


 「あーあ……なんか…やだなぁー…終わりの始まりって感じじゃん」


 父親と一緒にハンティング(ライフル銃で鹿などの獲物を狩る)を、USAで実際にやっていた氷川も、ちょっとイヤそうに言う。


 なんかリアルすぎな設定のRPGは、エグミが強すぎてイヤだなぁー…………

 食べるためのハンティングはイイけど…………

 戦争とかは……不毛すぎてイヤ……


 やっぱ……人間に被害を出しまくりのアンデットモンスターを撃ちまくる……

 シューティングゲームのほうがイイなぁー…………

 撃ちまくるとすっきりするから…………


 「ってことは……俺達は…世界の終わりをとめるタメに…異世界から召還された戦士たちって設定で、戦うってことぉー…………」


 浅黄は、RPGらしい設定だなぁーと思いながらあっさりと言う。


 「……敵は…魔王じゃなくて…強欲な人間族の王達で……いしたげられた獣人たちを…組織して…戦うって……うーん……RPGだねぇー」


 自分の指摘で、ゲームの設定内容にたいして、話すことで妙な盛り上がり?をしているのに、和也は平気で自分の知りたいコトを優先する。


 「それは、おいておいて……恐竜もどきを倒して…リザードマンと合流したときの会話は? …」


 和也の質問で、話しの流れが変わると思い、緋崎が答える。


 「ああ……命の恩人ってことで……忠誠を……って……緑川と一緒の状態になっちまったよ…」


 その答えに、緑川は、エーリース達とのやりとりを思い出して言う。


 「ほぉぉ……全員に…名前をつけたんだね…」


 それに、首を振って氷川が応える。


 「道路の砦? 館? のところに着ていた分はな…………」


 「ほぉー……もしかして……残っている村に居る者達もか?」


 再度の緑川の質問に、氷川は苦笑する。


 「とりあえず、砦で休んで……村にって…話しになったけどぉー……………」


 それに、補足説明をする緋崎だった。


 「疲れて寝たら……ログアウトしていたってこと……」


 「そっかぁー……」


 全員が、ほぅーっと息を吐いたときに、青木が手を上げて言う。


 「次は、オレの番だよな?」









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