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071★バイトを紹介したのは、誰?3+α(緋崎くんと氷川くんのゲーム内容)



 緋崎と氷川が、草原を慎重に歩いて行くと、点在する林の奥?に草原よりかなり高い位置に、道路らしいモノが見えてきた。

 緋崎は、隣りを歩いている氷川に尋ねる。


 「なぁー……あれって…道路かな? 清雅」


 「たぶん……道路だと思うよ…とりあえず…行ってみよう」

 

 問い掛けに、氷川はこくこく頷いて答える。

 そして、2人は、慎重に、でも、出来るだけ急いで歩き出す。

 途中、神経を張り巡らせていたが、動物の気配は無かった。

 それは、あまり良いコトでは無いと2人は知っていたので…………。

 無事、道路にたどり着いた二人が見たのは…………。

 長身の2人よりも高い位置(3㍍超)にある道路だった。

 その高さに、2人は首を傾げた。

 2人の脳裏には、かなりいやなモノ浮かんでいた。

 先に、嫌な想像を口にしたのは、氷川のほうだった。


 「…ねえー……高雅…こんなに道路を高くする意味って…………」


 その問い掛けに、苦笑いした緋崎が答える。


 「……たぶん……大型の凶暴な肉食獣がいるってことだろ………」


 緋崎が、自分と同じことを考えているのを確認した氷川は、改めて道路というよりは、万里の長城という感じの壁を見上げるのだった。


 この高さに、矢を射る為の凹凸もあるしねぇー…………

 巨大生物じゃなかったら…………

 人間とか敵対しているモノに対する防護壁……

 …でも、平原なんだよねぇー………

 馬防壁を造る意味が無いよねぇー………

 まっ……登って……見渡して見れば……わかるかな?


 色々なコトを考えながら、氷川は緋崎と会話する。


 「だよねぇー……コレだけの高さで…造る…労力をかけるほど……危険って…思って…イイよね……」


 このぐらいの高さだったら、ロープを打ち込んで……

 手間かけるより、清雅を跳ばせたほうが、早いな……

 生き物の気配が無さ過ぎる………

 こんな風に、静かなときって……ヤバイ…肉食獣が…

 近くにいるって……証なんだよなぁ……

 この首筋が、チリチリする感じだと複数いるよなぁ……

 でも……まだ……遠い……なんとかなる……

 あの上に、登っていれば…………


 同じように、危機感を感じていても、考えている中身は、微妙にづれていた。

 そして、緋崎は、以前、遊んでいたハーレムで、不良?に追われるたびに、氷川とやっていたコトを提案する。


 「俺が、道路を背に立つから…あん時の要領で……飛び越えろよ…」


 その提案に、過去の情景を思い出した氷川は首をふる。

 氷川の装備には、ロープの類いが無かったから…………。


 「……でも……ロープが無いよ」


 「大丈夫だ…袋の中に……コレがあったから…それと…この小銃も一緒に持って行け……」


 「うん……わかった……確認したら…ロープを下ろすよ………」


 「ああ……よろしく……ブロウ」


 緋崎が道路の壁を背にして、手を組んで構えると、ちょっと下がって勢いをつけた氷川が飛び上がった。

 その先に、緋崎の組んだ手があり、軽く氷川がそれを踏むと、勢いよく緋崎は腕を上げる。

 ポォーンと氷川は、空中に駆け上がり、一息に道路の上に飛び乗った。

 と、同時に、緋崎は、ライフル銃を構える。

 一方の氷川は、道路を軽く見渡した。


 へぇー……石畳の道路かぁー……見た目は…………

 アッピア街道なみに、綺麗舗装されている…………

 馬車かな?……均等に…わだちが…ある……

 これでいくと……4車線も……ずいぶんと広い………

 …の……わりに…交通量がない…いったいどうして?

 …やばっ……早く…高雅を…引き上げよう…………

 こんなモンを造るほどのヤバイ生物が居るんだろうから…………

 

 自分以外に、何も居ないコトを、氷川は確認すると緋崎の為にロープを降ろす。

 降りて来たロープを掴むと緋崎は、ライフル銃を肩に担ぎ、スルスルと登っていった。

 城壁?もどきの凹凸に、手をかける緋崎を、氷川は、グイッと引っ張った。

 ちょっと、首を傾げながらも、緋崎は道路に降りた。

 そして、今まで自分がいた場所と草原を振り返る。

 そこには、何かが近付いてくるのがわかった。

 顔を見合わせた2人は、先ほどまで目的としていた建物もどきに向かって走り出すのだった。

 それは、道路の1キロメートルより先にあったが、全速力で走る2人には、さほどの距離では無かった。

 2人の予想通り、馬車を停めるための広い空間と、頑丈な石造りの館?という建物があっのだった。

 それは、草原とは反対側にあった。

 

 「これって、避難場所……兼…戦う為の場所って感じだね」


 「ああ……この様子だと…危険生物は…草原側にいるって…思ってイイな……」


 「あっ…あそこに……階段がある…」


 「……んじゃ……さっきの生物? を…見ようぜ………」


 「そうだね…この建物の様子だと…壊れた箇所が無いから…大丈夫だよね……」


 「これでいくと、下の階は、馬車を引いていた動物を入れる場所かな?」


 「だろうなぁー……見た感じ…街なんて…近くに無い感じだったから……人間だけが…助かっても…街まで遠いと……ヤバイってコトだろ……」


 「うんそうだね……下に…荷物も置くのかな?…」


 「荷物は、馬車と一緒に置いておくかもな」


 「人間は、2階以上にって……分けているかもしれない? ……」


 「でも、ここには……何にも無いね……」


 「キャラバンだったら、全部持ってあるくから…必要ないだろ………」


 「あっ……そっかぁー……」


 「…小さいけど…双眼鏡があるしな……」


 「……高雅…ここに…望遠鏡らしいモノがあるよ……」


 「マジ……んじゃ…清雅…は…それで…見ろよ…俺は…コレで見るからさ」


 「そうだね」


 2人が、その館の屋上から見たものは…………。

 予想外のモノだった。


 「追いかけられているのが、リザードマン?で、追いかけている恐竜もどきだったんだ」









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