表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/165

067★緑川君の異世界バイトは?4



 「なんで? 緑ちゃんが大蛇を叩き切って、危険は去ったのに?」


 浅黄の疑問に、その時のコトを思い出して、苦笑いを浮かべながら答える。


 「フルトランスでいた方が、匂いをより感じられるから便利だと言っていたのだよ……それに……獣人族でも…最弱に近いから……フルトランスをとくと…能力的に、人間族よりは、まぁー強いけどねって程度になってしまうらしい…………」


 不思議そうに、浅黄は首を傾げる。


 「…そんなに…弱いの? ……」


 「……そう…らしいのだよ……特に…ハーフトランスは…絶対にとらないと言っていたのだよ…」


 緑川の説明に、和也も首を傾げる。


 「……人間よりは…間違いなく強いと思いますが?」


 「その状態が…1番…人間族に…狙われるらしいのだよ…」


 「えぇー…どーして?」


 浅黄の疑問に、和也がたぶん的な推理を考えて、口にする。


 「もしかしたら…エーリースって…可愛い容姿をしているんじゃないですか? ……その上で……なにが毒かわかるんだったら……貴族や王族が…こぞって…欲しがるんじゃないでしょうか? ……そういうモノなら、種族的に…人間族に…狙われやすいですよね……」


 和也の推理に頷きつつも、まだ納得がいかないという口調で、浅黄は言う。


 「でも…フルトランスでも…エーリースって…わかるんじゃ? …」


 そんな浅黄に、緑川は肩を竦めて答える。


 「確かに……わかるけど………そのままの姿なら……確実に人間族よりも強いのだよ……」


 「緑川君……何か……見たんですか?」


 和也の問いに、ちょっと遠い瞳で、あの時の驚きを口にする。


 「道に結構な大きさの岩がゴロゴロとあったのだよ……小さい岩でも…軽く100キロ…を超えてるって…わかる大きさだったのだよ……僕じゃ無理って感じだったのだよ」


 「もしかして?」


 「そう……なのだよ……軽々と運んで、道の端によけたのだよ」


 「……オス…だけで? …」


 「メスも小さいのは……軽々と運んでいたのだよ……」


 そのやりとりを聞いていた浅黄は、その実態に、呆然と呟く。


 「…獣人族って……どんだけ…強いんだぁー………」

 

 「さぁ……わからないのだよ……でも…刀さえあれば……どうというコトは無いのも…確かなのだよ……僕や和也や浅黄には……」


 その緑川のセリフに、妙な対抗心を出した氷川が言う。


 「ふーん……でも…俺達だって…銃があれば……どってこと無いけどな…ねっ…高雅」


 その振りに、緋崎が頷く。


 「うん……確かに……」


 だが、和也はその対抗心を綺麗にスルーして、緑川に尋ねる。

 気分が乗らないと、そういうことをする和也である。


 「ところで……忠誠を誓われたんですか?……」


 和也の問いに、緑川はやれやれという表情になって答える。


 「うん……誓うかわりに…名前をっていう話しになってしまったのだよ……………」


 ある意味、似たような体験をしたので、その話しの先が見えた和也は、うっすらと無意識に笑っていた。


 そう、緑川君も、ボクと同じ体験をしたんですね…………

 このRPGの設定の1つに、話しを聞かないっていうワードでもあるんでしょうか?








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ