表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/165

060★和也の日常1



 和也が部屋を出ると、そこには、緋崎と浅黄と緑川が待っていた。

 どうやら、和也のバイト終了後の報酬説明?が1番長かったらしい。

 和也が、ちょっと驚いた口調で言う。


 「皆さん、お揃いで…………」


 それにかぶせるように緋崎が、和也に質問する。


 「お前を待ってたの……なぁーどうだった?」


 緋崎の言葉に、浅黄は頷きながら、和也に尋ねる。


 「そうそう……黒ちゃん…ゲームの中の記憶はある? 俺たちあるけど………」

 

 眼鏡を中指で持ち上げながら、ちょっと疲れた表情で緑川が和也に言う。


 「僕もあるのだよ。とにかく、けっこう……疲れるゲームだったのだよ……和也は?」


 あははぁ~……なんだぁ……ボク……だけじゃなかったんだぁ~……

 なんか……このゲームって……やたら…疲れるって……思ったの………

 

 内心を珍しく隠さずに、和也は答えた。

 

 「ボクもありますよ………そうですか、緑川君も疲れましたか……ボクも……メチャクチャ…疲れました………」


 すると3人は、いっせいに頷いた。

 代表して、緑川が疲労感たっぷりの表情で言う。


 「流石に、赤沢ツイン紹介のアルバイトだけあって……金額はイイけど……どうしようもなく疲れるのだよ」


 浅黄は、和也と一緒のアルバイトというだけで、来ていたのでちょっと驚いたという顔で言う。


 「えっ……このバイトって……赤クンの紹介だったの? ……俺は……黒ちゃんや緑ちゃんもやるバイトだって、黒ちゃんとこの相沢センパイに誘われたからのったのに…………」


 和也は、中学生時代に、赤沢ツインの会社で作るゲームを、何度もモニターしていたので、ちょっとイヤそうな表情になる。


 はぁ~……相沢センパイからの紹介だったから…………

 まさか、そっち系列だとは思いませんでしたねぇ………

 ボクとしたことが、うかつでした………

 中坊時代の苦い?思い出に、和也は無意識に舌打ちする。


 ふぅ…思えば……赤沢クン達とのカケに負けたときとか…………

 試合で、失敗したときの罰ゲームとして…………

 オンラインゲーム……に、強制参加させられて…………

 ゲームの中でもパーティー組んで、色々とさせられたっけ…………


 バスケで、試合というゲーム? をして…………

 ネットでもゲームを組んでするって…………

 変化が無いような? って……思いながらしましたねぇー…………


 ネットゲームで、失敗しても…………

 現実のバスケで……余分に……シュート練習させられたっけ…………


 特に、どぉぉぉぉして………ボクに…乙女ゲーム? って思ったっけ…………

 ボクは、兄達にもらった閉じたゲームの方が、独りでできるから好きです

 オンラインよりも、閉じたゲームの方がずっと気分が楽だって、赤沢クン達のセイで、そう思うようになったっけ…………


 じゃなくて、こんなところで赤沢くん達の話が出るって…………

 でも、バイト代は良かったからなぁー…………

 はぁ~……仕方ない、今回のことは諦めましょう…………

 今は、お金が必要です


 ちょっと苦笑しながら、和也が改めて緑川に尋ねる。


 「……そうすると…赤沢君達関連の……ゲームですか? ……」

 

 それに、緑川が、答える前に、突然現れた青木が、和也の肩に手を掛けて言う。


 「いよぉー……和也ぁー…なぁーに…暗い顔してんだぁー」


 何かと自分にちょっかいを掛けてくる青木の登場に、和也は思いっきり苦笑して答える。

 

 「青木君も……バイトに来ていたんですか?……」


 「おう……紫島も氷川もいるぜ……」


 ふふふふ………もしかして、全員集合ですか? ………


 和也の問い掛けに、青木はいつものように上機嫌で答える。

 その視線の先には、確かに大柄な紫島と氷川がいた。

 氷川とチームメイトだった緋崎は、ちよっと口を尖らせて氷川に話しかける。

 

 「たけるぅー……一緒のバイトだったら…俺に声をかけろよぉ………」


 緋崎の隣りに来た氷川は、和也をチラッと見てから、こそこそ言う。


 「いや…黒沢くんと一緒だったから……ちょっと…声を掛けるのを……わかるだろ……君の失敗に……巻き込まれて……」


 その氷川の微妙な言葉に含まれるモノで、緋崎は当時を思い出だす。


 「ごめん…巻き込んで……」


 だから、緋崎は、素直にシュンと項垂れて謝った。

 和也達は、中学生時代に、U15才のメンバーとして召集され合宿を行った経験があったのだ。

 もちろん、国際試合に参加した経験も…………。


 その時、緋崎と氷川のコンビは、クセのある赤沢ツインの逆鱗を触り、むごいめにあわされたことがあった。

 その他に、赤沢ツインとタメを張る?和也の地雷を思い切り踏んで…………。

 とんでもなくエグイめに、何度かあわされた経験があったりする。


 イジメ? ……それって……イヤガラセ……だよね?……という、比較的わかりやすい赤沢ツインと違って…………。

 和也のイケズは、一味も二味も、違っていたのだった。


 それ以来、緋崎と氷川は、和也にちょっと腰が引けている部分があったりする。

 もちろん、赤沢ツインもきっぱり苦手になっていた。

 だから、イラッとしている雰囲気の和也に見詰められ話しかけられると………。


 「緋崎クン……なんの話しですか? ……今は…ゲームの話しをしています……横道に逸らさないでくださいね…」


 「はい…申し訳ございません……俺が悪うございました……」

 

 緋崎の謝罪に、軽く和也は頷く。

 そんな和也の肩に平気で腕をかけ、笑って青木は質問する。


 「なぁー……そんなことよりぃ……このゲームで…どんな…モノを手に入れた?」

 

 ここにいた全員が気になっていたことだった。

 そこで、和也が珍しく提案する。


 「ここで、話すよりどこかで話しませんか?」


 浅黄が、嬉しそうに手を上げて言う。


 「さんせーい」









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ