049★RPGの定番? さんど・わーむとの戦闘4
和也は、冥府の女神に感謝を現すために、太陽が沈んだ方向に、和也は深々と頭を下げた。
そして、左の手のひらを天空にさしだして、呪文を唱える。
「 我が左手に宿りしは すべての魂を抱きとめる
麗しき冥府の女神のかいなの力
その力によりて さんど・わーむの命の焔を
我が手に集めん 」
和也の言葉に従って、さんど・わーむの生命力に溢れる命の焔は、その身の内から湧き上がり、和也や精霊達の目にもゆらゆらと揺らめき燃え上がるさまが見えた。
そして、その揺らめいていたすべての命の焔は、和也の左手に向かって彗星のように尾を引いて飛んでいく。
次の瞬間に、和也の左の手のひらには、燃え盛るさんど・わーむの命の焔が存在していた。
命の焔を確認した和也は、次の呪文を唱える。
「 命の焔よ 結晶化せよ 」
呪文を唱えると和也は、手のひらをギュッと握り締めた。
ふぅ~……2度目でも……緊張します
今回もうまく結晶化するといいですねぇ~
あっ……石の硬い感触がしますね……
怪魚のときよりも……数があります…
それに、大きい粒もある……よかったぁ……
冥府の女神様に、1番大きなモノを奉げよう
もちろん、さんど・わーむを狩る為に………
…大地を水晶化させたりしたから………
大地の女神様にも奉げよう…………
あと、銀嶺に幾つかとりよけてぇ…………
約束したから、精霊達にもあげよう
みんなには、自分で欲しいモノをとるように言おうかな?
残りの命の焔の石は、八百万の神々と精霊達に…………
ってコトで……大きさと数の確認…………
和也は、左の手のひらを開いてみた。
その手のひらには、ガーネット…ルビー…ピンクサファイア? アレクサンドライト? 桃色真珠?…紅真珠?……紅水晶?…などの、多彩な赤色系の色合いに似た命の焔石が転がっていた。
怪魚の命の焔石とは、比べ物にならない質と量と色彩の命の焔石があった。
大きさの違いなのかな?
命の焔石の大きさが…まるっきり…違う…色も…数も……
1番大きな石は、良くテレビ通販で流れている、ダイヤのペンダントヘッドよりも確実に大きかった。
残りの石もペンダントヘッドやリングの飾りに出来るものから、なんとかピアスに使えるかもという大きさがあった。
和也は、アレクサンドライトに似た色彩の石を取り、じーっと見る。
そして、何度も角度を変えて確認した。
これって……角度を変えると……緑色じゃなくて……黒い……
へぇ~……命の還る場所で……眠る場所を支配する冥府の女神様に
似合いそう………同じ色目の石も…幾つかあるし
これは、眷属にって言って奉げましょう
さんど・わーむに痛めつけられた大地…………
砂漠化した大地を少しでも復活できるように…………
大地の女神に奉げましょう
色は、紅真珠? って感じのこの石に…………
眷属については、チカ達にあげるから…………まっいっか
あとの小粒とも言えないものは、八百万の神々に
少しでも、この世界にチカラが戻りますように…………
と言葉をそえて奉げますかぁ~
そこそこの大きさの石は、銀嶺の為によけておこうっと
あとは、この辺をナミ達にあげよう
和也は、命のは焔石を奉げる相手を、グループ分けして、着ていた服のポケットに別々に入れる。
そして、深呼吸し、左手を心臓の前に置き、天を仰ぎ見て深々と頭を下げる。
次に、和也は1番大きな命の焔石を掴み冥府の女神へのお礼の言葉を口にする。
「 すべての魂の還る場所 冥府を治める麗しき女神よ
貴女の加護と助力によりて 結晶化した1番大きな
さんど・わーむの命の焔石を 貴女に
同じ色彩の命の焔石を 貴女の眷属に…………
加護と助力のお礼として 奉げん 」
お礼の言葉を言い終えると和也は、手にしていた命の焔石を空に向かって投げた。
と同時に、それに応える冥府の女神の声が…………。
『 約定に従いて 我に 命の焔石を捧げし
貴方に 改めて 我が加護を与えん
貴方が 我が眷属の冥王神と 約定を交わしたのなら
死を 司る 黒き力を 与えましょうぞ 』
謎の言葉を言い残して、冥府の女神はあっさりと去って行った。
和也に大きな苦悩を与えて…………。
えぇ~とぉ 冥王神って? 誰ですか?
隠しアイテムならぬ 隠し神ですか?
死を司る黒い力って…………なんですか?
それって、もしかして……新たなイベントというか
クエスト(冒険)ですか?
これも、プレーヤー支援システムなんでしょうか?
いや、悩むのは後ですね
さっさと、大地の女神様にも命の焔石を
奉げましょうか
後がつかえていますしね
和也は、内心でわけのわからないことで色々と苦悩していたが、相変わらずの無表情で言葉を口にする。
「 地上に生きる すべての生き物を育む 麗しき母なる大地の女神よ
ここに 貴女の大地に影をさす さんど・わーむの命の焔石を
お力の一部に 変換されるようにと願い 奉げます 」
そして、和也は、大地の女神ように取り分けた一際大きな紅真珠?を空に投げた。
すると、和也の耳には、大地の女神の声が聞こえた。
『 翼竜を身の内におさめし少年よ
我の悩みになっていた さんど・わーむを屠り
命の焔石を 我に捧げし 貴方に
より大きな加護を与えん
これからも さんど・わーむを狩ることを望みます
貴方に仕えし 地の精霊が 育ったのなら
貴方に あるチカラを与えましょう 』
そして、大地の女神も謎の言葉を残して、嬉々とした雰囲気を残しながらいそいそと大地の奥へと去ってしまう。
そのお言葉に、和也の困惑は、よりいっそう深くなる。
どぉぉぉーして…………女神様って…………
謎な言葉を残して いなくなってしまうんですか?
それって 大地の女神様のイベント? クエスト?
うふふふふ…………プレーヤー支援システムって…………
小さな親切 大きなお世話っいう…………
迷惑と同義語のアレですか?
ああもう考えても わからない
ここは…………次……次いこう…………
なぞのお言葉を考えるのは、全部終わってからにしましょう