表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/165

048★RPGの定番? さんど・わーむとの戦闘3



 精霊達は、和也のお願い? 依頼? 命令? に従って、奴隷の姉弟達に守護の結界? を作った要領で、さんど・わーむの行動制限の結界モドキを作った。

 さんど・わーむが逃げない……逃げられない状態になったので……。

 和也は、安心して、冥府の女神に呼び掛けることにした。

 が…………。


 えぇーとぉ…………さっき、なんて言って呼び掛けたっけ…………

 あははぁ………ちょっと、あやふやな部分が…………

 だったら、もう1度、呼びかけの言葉を…………

 紡いでみよう…………定番の言葉は無いようだから…………


 そんなコトを考えながらも、和也は冥府の女神をおわす方位に向き直る。

 もちろん、和也にとっての西の方向に向かってである。

 和也は、銀嶺の剣を足元の砂に突き刺したうえで…………頭を下げて言う。


 「 生きとし生けるものが いずれは必ず還る場所を統治せし

   慈悲深く 愛情深い 心優しく 深遠なる智慧と美貌を併せ持つ

   偉大なる冥府の女神様に 再度の 助力を

   こいねがいたてまつります                  」


 和也の呼びかけに、あっさりと冥府の女神が応える。


 『 我が 加護を授けし 少年よ 我に

   何を 望むのじゃ?        』


 本日、2度目の呼びかけに、冥府の女神は機嫌よく応えてくれたので、和也は、ほっとして、願いを口にする。


 「 我が身の内に同化せし翼竜の角の剣を使い

   さんど・わーむを 切りましたが…………

   再度 癒着し 再生してしまいます

   そこで、怪魚の時のように 

   我が 倒せしさんど・わーむの命の焔を

   我が手に集め結晶化し 命の焔石を造りたいのです

   ご助力を頂けますでしょうか? …………」


 『 ほほほ……少年よ……我の助力は

   いつでも そなたの上に あります

   そなたが 命の焔石を造りたいと

   言葉に 出すならば いつでも

   加護と助力を与えましょう  

   その代わり その度 ごとに

   命の焔石を1つ 我に 奉げよ 』


 自分の願いを簡単に叶えることを了承してくれた冥府の女神に、和也は深々と頭を下げる。


 「 冥府の麗しき支配者たる女神様 加護と助力を感謝いたします

   さんど・わーむの命の焔を結晶化し 命の焔石となったとき

   1番大きなものを 御身に奉げます             」


 欲しかった冥府の女神の助力をもらえることになった和也は、手の空いている水の精霊達に言う。


 「ナミ、アヤ、チエ、ボクが、さんど・わーむを斬ったら、癒着しないように水でおおって欲しい……頼めるかな?……」


 『ますたー……お仕事なのぉ~……アヤ出来るよぉ~』


 『ナミも出来るぅ~……水刃で…さんど・わーむも切るぅ?』


 『チエねぇ~さんど・わーむを水球で溺れさせようかぁ?』


 「斬ったさんど・わーむを水で癒着しないようにして下さい。それだけでイイんです。また、命の焔石を造りたいので……イイですか?……」


 ああぁ~もう……エンの…言う通り…精霊は、自分のしたいことをするですね

 はぁ~……きちんと……やって欲しいコトを言っておかないと…………

 ろくなコトをしませんねぇ…………

 でも、今回は、命の焔石を造る都合がありますから…………


 和也のきつめの言葉に、水の精霊達は、頷く。


 『『『はい。ますたー……命の焔石…欲しいなぁ…』』』


 自分の欲望に正直な水の精霊達に和也は苦笑する。


 「命の焔石が、たくさん造れたら、みんなにあげます。ですから、頑張ってお仕事してくださいね」


 『『『はい。ますたー』』』


 良い子の返事をする精霊達に、和也はこっそりと溜め息を吐き出す。


 ファンタジーの定番の精霊魔法とか、精霊を使役するって…………

 もっと簡単だったような気がします…………

 どうしてこう大変なんでしょうか?


 やっぱり、バグったセイなんでしょうか?

 ふっ………いくら、考えてもムダですよねぇ…………

 ここは、さっさと……さんど・わーむを倒しましょう


 なにかを捨てた和也は、剣を握り締めて、瞳を閉じて深呼吸をひとつする。

 そして、次に瞳を開けた瞬間に、さんど・わーむに向かって走り出す。

 火の精霊が作った炎壁と空断を、剣で切り裂き、1番手じかにいたさんど・わーむを一刀両断にした。


 縦に真っ二つになったさんど・わーむは、すかさず半身づつ水球でおおわれた。

 が、生命力に溢れているので、水球の中でうねうねと動いている姿が見えた。


 うっ……なんか……キモイ…………

 けど、大丈夫そうですね

 ならば、さっさと決着をつけましょう


 和也は、剣で切断したさんどーわーむが、水の精霊の水球でおおわれるのを確認すると、次々にさんど・わーむを斬っていく。

 和也が剣を振るう度に、さんど・わーむは縦斬りにされていった。

 いつもなら、逃げ惑う獲物を追い回していた砂漠の捕食者は、和也という天敵?に逃げ惑って泣き叫んでいた。


 シィギャー………グシュー…フシュー

 ギィィィスー……ギシュュュ……


 訳すなら、いっやぁぁー、助けて、殺される、食われるぅぅぅ…………などというところでしょうか。

 さんど・わーむをすべて斬り捨てた和也は、改めて水球を見る。


 うっぇぇぇ……やっぱり…………水球の中で……

 半身のままで生きているぅぅ…………

 うっ……マジでキモイ………流石は……生命力に溢れる…

 …………さんど・わーむですね


 ならば、命の焔石もたくさん造れるでしょう…………

 冥府の女神様に奉げるって約束したし…………

 色々と使役? した精霊達にも上げたいし…………

 銀嶺にも…………頑張って……造りましょう……


 和也は、まださんど・わーむが生きていることを確認すると、銀嶺の剣を仕舞う。

 手首に、左腕輪の感触を感じ、和也はホッとする。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ