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037★やっと、ごはん?5



 さてと、ボクの食べる分を取り分けよう……

 銀嶺は、かなりの量を食べる必要があるみたいだから

 怪魚の切り身に、伊勢えびもどき、車えびもどき、白えびもどき、手長えびもどきにロブスター?は美味しいから、取り分け決定。

 ほたて? あわび? さざえ? かき? はまぐり?も食べてみたいから…………

 毛ガニ? 花咲ガニ? 高足ガニ?も食べてみたい…………

 お魚は? …………あの時、怪魚の騒ぎで、他に居たかもわからない…………

 聞いてみよう

 

 和也は、お魚を頼んだチエナミに尋ねる。


 「チエ、怪魚の他にお魚は?」


 和也の問い掛けに、胸を張って答える。


 『ここに、とってあるのぉ…ますたー……見てぇ…』


 得意げに、チエナミが指し示すのは……空中だった。


 水の結界? または、別の場所と繋げているのか?


 そこには、元気に勢いよく泳ぎ回るお魚がいた。

 

 『ますたーが、食べたいお魚を獲れるようにしてみたのぉ~』


 和也は、空中に浮かぶお魚を見た時、しみじみとエンの言葉を思い出す。


 ますたー水の精霊の耳は、ヒレなんですよ

 耳の機能がついたヒレなんです


 確かに、説明が足りないと、ろくなことになりませんね

 でも、今回は、これで良かったんです……たぶん……きっと

 お腹が空いた銀嶺の為には…………

 さてと、ミスリル銀の銛で、獲ったぞーをしますかぁ~

 

 和也は、内心で色々と突っ込みたいことがあった。

 が、言っても意味は無いと諦めて、次の行動に出た。

 

 「チエ、ボクが、この銛を水に突き刺しても大丈夫かな?」


 『大丈夫でぇーす……壊れたりしませんよぉ……』


 「ふむ、ハナ、水中でも、ボクの周りに空気の層を作れますか?」


 『ますたー……ハナ……作れますぅぅ』


 「オト、ボクの動きを早くできますか?」


 『水中でも、ハナの空気の層があるなら、ますたーの動きを早くできまぁ~す』


 「カオ、ボクの突き刺す力を倍増できますか?」


 『水中でも、空気の層があるなら、ますたーの力を大きく出来ますぅ』


 「よし、準備オッケー……銀嶺、ボクはお魚を獲るために水球に入ります。ですから、ボクから離れて、そこで待っててね……今…美味しいお魚…獲ってくるからね」


 その言葉と同時に、和也は、チエナミが作った水球?に、何のためらいもなくするりっと入った。

 そして、泳ぎ回るマグロ? カジキマグロ? サケ? ロウニンアジ? ブダイ?などを求めて泳ぎ始める。

 高速で泳ぐマグロ?に、追いつくとすかさずミスリル銀の銛を、1番大きなマグロ?に突き刺した。

 怪魚の時より、動きは早いし、力は強いしだったので、マグロの頭を銛が突き抜けてしまった。


 うっ……予定より……力が……ありますね……

 とりあえず1尾獲ったので、戻りますか…………


 頭に銛が刺さったマグロ?を、地上に運ぶ為に泳ぎたした和也を見てエンキ達が話しだす。


 『ますたー……魚を1匹獲ったら…その度に……ここにもどるのかしら?…』


 『なんか時間が、もったいないよね』


 『お腹の空いた、翼竜が待ってるのに』


 『だったら、水の精霊に運ばせればイイ』


 『エンってば、あったまイイ』


 『ねぇ~水の精霊って、氷を作れるよね』


 『うん…作れる………』


 『アヤは、氷室だって作れるもん』


 『だったら、水球を維持している以外の2人が、ますたーの代わりに魚を運べばいいんだよ』


 『このオアシスに居る水の精霊も呼んで運べばイイだろ』


 『そっかー…………お仕事だねぇー…………』


 『水からお魚を氷室に入れれば、保存も出来るってますたーが喜ぶね』


 『うん、喜んでくれる……嬉しい……ありがとう……エン……』


 『アヤ、ますたーのところに一緒に行こう』


 『うん、氷室も出来たから、行く』


 和也が喜ぶようにと、精霊達は協力したのだった。

 そして、銀嶺のモトにもどろうとする和也の前に、サザナミとアヤナミが現れた。


 『ますたー……ナミが…ますたーの獲ったお魚…地上におろします』


 『アヤが、地上に氷室を作っておいたからぁ、お魚を入れる場所はあるからぁ~いっぱい獲っても大丈夫ですぅ』


 「ありがとう。助かるよ」


 和也は、お礼を言うと、銛からマグロ?を外して差し出す。

 それを、サザナミが受け取った。


 『ますたー……氷室にいれるね……』


 「いや、そのまま、銀嶺に手渡して欲しいな」


 『えっ? ますたーは、食べないの?』


 「お腹が空いたって、言うほど切羽詰ってる銀嶺が先に食べるべきです。ボクは後からゆっくりと食べます。ボクが食べるようにって言ったと伝えて下さいね」


 『はい、ますたー』


 和也の依頼を受けたサザナミは、水中を魚雷のような勢いで、それも推定200㌔超の巨大マグロ?を掴んだまま泳ぎさった。

 それを見送った和也は、次の獲物が丁度目の前をよぎったので、すかさず銛でザクッと貫いた。

 ちなみに400㌔超のカジキマグロ?だった。


 ふふ……風の精霊を使って……ズルしているカイがあるなぁ…………

 こんなに簡単にお魚が獲れるんですからぁ…………

 運ぶ必要は無いし、氷室が用意されているから、銀嶺の分以外は、保存しておけますね


 和也は、自分が食べたいと思うお魚を次々と獲っていった。

 それを、アヤナミとサザナミがせっせと銀嶺のモトに運んだのだった。

 水中で、簡単に和也が、お魚を獲れたのは、本人の身体能力と風の精霊の力…………その他に、水の女神の加護だったのは言うまでもないこと…………。

 和也は、1通りお魚を獲ると、サザナミに銀嶺の様子を聞いた。


 「ナミ、銀嶺は、お魚をちゃんと食べている?」


 『食べてるよぉ……ぜぇーんぶ…違うお魚だから…味が違って美味しいって言ってたよぉ』


 「そう、良かった…あと……どのくらい…食べれるか聞いてくれる?」


 『え~とね……もう……食べられないと思うのぉ~…………』


 「えっ……どうして?……」


 『だって……とぉ~っても……眠そうに…こっくりこっくりしていたからぁ………たぶん……無理ぃ……』


 「そうですか……では……ボクももどります」


 『もう、獲らないのぉ?』


 「今、獲ったマグロ?が有れば……ボクには……充分です」


 『じゃ、一緒に戻るぅ』


 こうして、和也は、サザナミとアヤナミと一緒に銀嶺達のいる地上に戻ったのだった。

 その時には、太陽は既に沈み、天空には月が昇っていた。


 なお、暗くなってもぜんぜん不自由が無いのは、光の精霊が側にいるからです。








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