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036★やっと、ごはん?4



 和也はそう思ってから、ふと良いことを思い付く。


 あっ……そうだ………刺繍や染色は、洋服の内側にするのが、ボクの国の風習だって言いましょう

 これしかない…………実際、それは……嘘じゃ無いし……

 ヤンキーっぽい人は未だに、制服の内側に刺繍しているって………

 ついこの間、笑いながら浅黄くんが言ってたし…………

 さてと、天幕の中身は確認したから、今度は、メグの調理器具を見てみましょう


 とりあえず、確認を済ませた和也は、意識を切り替え、チホウに、再度お礼を言う。


 「色々と揃えてくれてありがとう。この中ならゆっくりと眠れそうです」


 自分をじぃーっと見詰めているチケイに、視線を向けて和也が笑う。


 「メグ、調理器具とか調味料を見せて欲しい」


 『はい、ますたー……こっち……です』


 にこにこ笑って手で示す先には、しっかりとした天幕があった。


 天幕の中に、調理器具って…………いったい何がはいってるの?

 調味料とかの他に、ちょっとした食器とか?

 食料も入っているんだろうか?

 とにかく、確認するしかない…………


 はやく、調理しないと、魚介類は質落ちするから…………

 んっ? そうだぁ……せ~っかく……色々な精霊が居るんだから、冷蔵庫みたいな能力? 魔法? を持ってないか聞いてみよう


 和也は、疑問を直ぐに解消しようとして、精霊達に質問する。


 「君達のなかに、食品を質落ちさせずに、長持ちさせる方法ってある?」


 和也の質問にそれぞれが、思い付く方法を口にする。


 『干物にするの?』


 『塩漬けにするの?』


 『甘味漬けにするの?』


 『スッス漬けにするの?』


 『乾物にするの?』


 『氷穴に入れるの?』


 それぞれが、保存できる状態を口にする。

 和也は、何となくでも理解できたので、なるほどという表情で頷く。


 干物にするのも、塩漬けもイイかぁ……

 毎回、魚介類を水の精霊に獲ってもらうのは……だしね

 スッス漬け……って、酢漬けですよね…………たぶん

 だったら、甘酢漬けもイイですね

 乾物もイイです


 よし、決めた

 今回、獲って食べきれない分は、精霊たちに、保存食を色々な種類を作ってもらいましょう……それぞれ味が違って楽しいですね……きっと

 それに、氷穴だったら、冷蔵庫と冷凍庫の間?くらいで、ちょっと保存するにはイイかも…………

 果物も、凍らせたり、干したり、お砂糖漬けとかに加工するのも楽しいでしょうし


 和也が保存法を考えて、ウキウキしていると肩にいる銀嶺がボソッと言う。


 『ますたー……もっと……食べたいです。だから、早く、天幕の確認を……お腹が……空いて……ツライですぅ』


 とりあえずの飢えを満たした和也は、銀嶺の言葉に小首傾げる。


 「えっ?……銀嶺……あの怪魚じゃ足りなかった?」


 けっこう、大きかったと思いますけど…………って、あっ……そっか……


 和也は最初の邂逅の時の大きさを思い出して、納得する。

 そんな和也に、銀嶺は切々と訴える。


 『どうやら消化し終わったみたいです………だから…お腹が空くんです』


 銀嶺本来の大きさを考えれば、ぜんぜん足りないということに納得した和也は、まだ未調理の魚介類の量を確認し、小首を再度傾げる。


 「……ここにある……魚介類で足りる?


 和也の質問に、銀嶺は端的に答える。


 『食べてみないとわかりません』


 銀嶺の言葉に、和也は辺りを見回してから言う。


 「……あっ……そうだ…デーツのお酒や、メグの持って来た、お酒や果物も食べてみれば……いいんじゃないかな?…」


 和也の言葉に、銀嶺は可愛らしく首を傾げる。


 『お酒?……』


 「そう、お酒………お酒って、けっこう効率のイイモノなんだよ……それに、ビタミンの宝庫の果物もね」


 『…………』


 お酒と果物に視線を向けて、頭を何度も傾げている銀嶺の様子に、和也は内心で嘆息する。


 今回、獲った魚介類は、銀嶺が食べておしまいになりそうですね

 ふっ…保存食は、次回にって感じですね

 まっ……新鮮なものは……新鮮なまま食べるのもイイですしね


 考えがまとまった和也は、銀嶺に言う。


 「とりあえず、調理器具と調味料を確認して、ボクが食べる分を取り分けたら、残りは、全部、銀嶺が食べていいから……ちょっと……待ってね」


 『はい…ますたー』

 

 そして和也は、調理器具と調味料などの入っている天幕を見に行った。


 天幕の中を覗くと…………そこには…………。


 えぇ~と……メグ……の……調理器具って……

 どぉ~して……石釜が入っているんでしょうか?……

 ここで、ピザとかパンを焼くんですか?


 まぁ……おばあちゃんが、作りたいって言って、石釜が家にあったから………一応、使い方はわかりますけどぉ…………

 旅人って、石釜を持って歩くとは、思えません

 昔ながらのかまどみたいなモノが、なんであるんですか?

 ボク、かまどで、ごはんを焚いた経験なんてありません

 誰が、使うんでしょうか?


 タジンナベみたいなモノも、ありますけど…………

 どぉーして、こんなに、ごつくて大きいんでしょうか?

 メグには、悪いですが、ボクには、使えないモノばかりです

 さて、どういったらイイんでしょうか?


 困惑しているのに、表情はかわらない和也だった。


 そんな、和也を見て、エンキとホノカは、ぬぅ~るぅ~い微笑みを浮かべる。


 『どぉーして、地の精霊って、ますたーが、旅人だってわからないの?』


 『無理だろ…ますたーに……極上品を…奉げたいってのが、地の精霊の本能なんだから…………』


 『でも、ますたーには、迷惑にしかなってないと思うわ』


 『それを、なんとかするのが、俺達だろ…名前を…余分にもらってるんだから……なっ……カカ……』


 『そうね…で……具体的に…どうするの?』


 『天幕ごと装備を、地の精霊が持ち運ぶから、ますたーは気にしなくてイイと言ってやれば、イイさ』


 『あっ…そうね……でも…あれで……作るって…面倒だって…ますたーは思うでしょ』


 『バカだなぁ……カカ……俺達が、火加減すればイイだろ』


 『そうね、風の精霊と協力すれば、ほたる火から強火まで、火力の微調整が出来るわね』


 『あたし達が、手伝うから、ねっ、エン、カカ』

 

 エンキとホノカ、それに、風の精霊達のありがたぁーい会話を和也は黙って聞いていた。


 そうか、火力を調整してくれるんだったら、簡単につくれますね

 音声で操作できるガスレンジって感じですね

 けっこう、便利かも…………


 それに、住む天幕も調理用の天幕も運んでもらえばイイんですね

 ドラク○の天空の城?に近いと思えば、良心も痛みませんね

 ここは、RPGのゲーム世界なんですから…………

 手に入れたアイテムや魔法や精霊などの力を使ってもイイんですよね

 

 和也は、移動する天幕を2つ手に入れた

 簡単に何でも作れる調理器具を手に入れた

 ただし、特殊アイテムなので売ることはできない

 って感じですね…………はぁー…………









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