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021★精霊たちと契約3




 和也は、はふっと嘆息してから、再び真名と愛称と契約の儀式を待つ精霊達に向き直る。


 「それじゃ……まず…光の精霊さんからしますね。今、真名と愛称を考えますから、ちょっとだけ待っていてください」


 えぇ~とぉ~………光の精霊さんとの契約の儀式に、必要なモノって………って、これも歌ですか………。

 いや、もう、そこにいるから………。

 それは、意味ないですね。


 銀嶺の持っていた知識から浮かび上がってくるモノに、和也はなるほど頷く。


 …………確かに、そうですねぇ~………。

 精霊は、契約するために呼び出すのが大変なんであって…………。

 この場合は、完全にイレギュラーですよねぇー。


 なんといっても、先に、精霊さん達は、血石を受け取ってるんですから。

  

 …………ってことは、契約の儀式は………契約の言葉だけで充分ですね…………はぁ~ほっとする…………。


 でも、ここに集まった精霊さん達全員分の真名と愛称を考える必要がありますよねぇ………。

 できれば、属性に合った名前が良いですね。


 自分達と契約する為に、和也が、真名を考えているとわかった精霊達は、手にした血石をぎゅーっと握り締め、その真剣な表情を見詰めていた。


 光の精霊さんは…………。

  

 光の姫でコウキとか………香輝こっちのコウキがいいかな?

 それとも照るて姫で、てるてもイイかな?

 ふむ………お日様を現す、日向ヒュウガ………。

 ………いや、確かヒムカとも呼べましたね。

 ヒムカに、ヒナタってことにしよう。


 なんと言っても、貴重な光の精霊さんですからねぇ。

 真名は、ヒムカで……愛称は、ヒナタ……。

 だから呼ぶ時は、ヒナちゃんかな………。

 クス、可愛いしね。


 よし、光の精霊さんはこれで決まり。


 自分にコクっと頷いた和也は、対となる闇の精霊を見て小首を傾げる。


 うーんと闇の精霊さんは…………。

 影とか闇を使うとイイかな。

 尊い闇ってことで、影貴エイキいや影姫でエイキ………。

 暗闇で、闇姫ヤミヒメ……。

 …うーん………暗の音で、アンネくらいかな。

 でも、ちょっと合わないか?


 ふむ、ほの暗いからとって、ほのかって…………。

 いや、別に闇の字や暗にこだわる必要はないか…………。


 ここは連想ゲームで…………。

 闇夜……月の夜……月夜……。

 ふむ、真名は、ツクヨ……にしよう。

 愛称は、ツキちゃんにしよう。


 よし、これで光と闇は決まり。


 次は………風かな?


 風の精霊さんは、3人いるからなぁ………。

 

 和也は、さて、と、考え込む。


 んぅーとぉ…………風の精霊さんは…………。

 そうだ、風の花で真名をフウカで、愛称は、ハナちゃん。  

 もう1人は、風の音で真名をカオンで、愛称は、オトちゃん。

 最後の1人は、風の香りで、真名をフウキで、愛称は、カオちゃん。

 う~ん、これで決定にしよう。


 なんとなく、音とノリで名前を気軽く考えられた和也は、似たような音とノリで地の精霊の名前も考える。


 地の精霊さんも3人いるんですよねぇ………。

 ふむ、地の華で、真名をチバナで、愛称はチカちゃん。

 地の宝で、真名をチホウで、愛称はチホちゃん。

 地の恵で、真名をチケイで、愛称はチエちゃん………は、ダメだ…水の精霊さんと名前がかぶるから………。

 うぅ~ん……そうだ、恵の字をエじゃなく、メグミって読んで、愛称をメグちゃんにしよう。

 こんな感じでイイかなぁー。


 真名って考えると、漢字を当てておいた方が、名盗り対策になるよね。

 後で、水の精霊さん達にも、きちんと教えてあげよう。

 もしかしたら、言霊を使った守護になるかも知れないから。

 せっかくのファンタジーゲームなんだから…………。


 さて、血石は……既に渡して? 有るし………。

 呼び出しは……もう目の前に居るから…必要無いし………。

 うぅ~ん………すっごいイレギュラーだけど………。

 もしかして、あとは、名前を告げるだけでよさそうですね。


 わざわざ、女神様に呼びかける必要もないし…………。

 いっか………とりあえず、真名と愛称をそれぞれ告げよう。


 とりあえず、血石を握る精霊達の名前を考えた和也は、にっこりと笑って声を掛けた。



 さっさと、真名と愛称を教えてあげないとね。

 なんか、不安そうにしている精霊さんもいるようだし………。

 ってことで、光の精霊さんからかな?


 「それじゃ………光の精霊さんから、ボクの前に来てくれるかな?」


 呼びかけられた光の精霊は、ぱっと表情どころが全身を輝かせ、和也の前と進み出る。


 『ますたぁ~…………』


 見るからに、嬉々としている光の精霊に、和也は考えた真名と愛称を告げる。


 「キミの真名の字は日向、呼び名は、ヒムカで……愛称は、ヒナタ……そして、ボクがキミを呼ぶ時の音は、ヒナちゃん………で、良いかな?」


 和也からの正式な契約の名付けに、歓喜の涙が転がり落ちる。


 それは、ダイヤでも真珠でもないモノだった。

 虹色の光彩を放つ不思議な石が、オアシスの大地に盛大に転がる。


 勿論、先刻の水の精霊3人の涙で出来た石、見た目も名前も現世と同じ、真珠が足元に転がっていた。

 しかし、そこは和也である。


 ふ~ん、綺麗な涙だなぁ………やっぱり光の精霊だからかな、キラキラしている………まっ…そのうち消えるだろう。


 その精霊の涙で出来ている石がどんなに貴重なモノでも、涙なんだから、そのうち消えるだろう程度だった。


 この世界の人間や魔の者が血眼になるようなモノにも、興味が無いので、あっさりと無視した。









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