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161★ロ・シェールの街24 とりあえず、保留



 レオは、和也に向かって、獣人族の主と家族の中での自分の立ち位置を告げる。


 「はい…俺達…獣人族は…

 主は、生涯…ひとりです


 俺は…獅子族の族長の5男ですから

 自由なんです

 誰を主にしてもイイんです」


 和也は、レオの言葉に、小首を傾げて言う。


 「レオ、ボクは…獣人族じゃないんですけど……」


 そんな和也に、レオは大きく頷いて、続けて言う。


 「わかっています…アレックス様

 主は…獣人族じゃなきゃいけない……

 なんて…掟はありません


 色々な種族に仕える者がいましたから…

 俺は…アレックス様を主と仰ぎたいんです


 色々な動植物…魔物…魔動植物…魔昆虫類など

 けっこう…俺の知識は役に立つと思います

 執事や従者としてもある程度なら出来ます


 アレックス様の許可が得られるなら

 俺の一族出身の執事などを呼び出します

 いかがですか?」


「そうですか…

 では…オアシスで…もう1度…話しましょう


 ということで…さっそく、ハンターギルドまで

 行きましょう


 ゼスラ…頼んだコト………」


 と、言って和也がゼスラへと視線を送れば、にっこりと笑って頷き答える。


 「はい、お約束通り探します」


 ゼスラからの快諾の言葉を受け取った和也は、ぐるりと見回してから言う。


 「じゃ…みんなハンターギルドに行きましょう」


 こうして、和也達は、ハンターギルドに向かった。

 奴隷商のエリアを抜けると和也は、ミラン達に話し掛ける。


 「ミラン、今日の案内は、ここで終わりです

 レオと色々と話し合う必要があるので

 街中を歩くことは無いでしょうから……

 ありがとう…これは…みんなで分けて下さい」

 

 ミランは、和也が差し出す小銀貨に首を振る。


 「アレックス様

 小銀貨をもらえるほどの仕事を

 僕達はしていませんので…

 これはいりません…」


 ミランの言葉に困ったなぁ~という顔をする和也を見て、浅黄は腕組みをする。

 そして、浅黄は、優しい表情を作ってからミラン達に話し掛ける。


 「ミラン、君達子供にとって

 小銀貨は大きな金額かも知れないけど

 俺達にはさほどな金額じゃない


 ちょとした小遣いと思って

 受け取ってくれないか?」


 それは、上位貴族にとって、小銀貨は銅貨とかわらないと言っているモノで、だから気にしないで受け取れという意味になる。

 浅黄なりの親切?らしい。


 和也は、浅黄の心遣いに、にっこりと笑った。

 和也の笑顔を見て、浅黄が幸せになったのは確かなコトだった。

 きげん良く笑っている2人を見て、ミランは小銀貨を自分達に何が何でも与える気だと気が付いた。


 それに気が付いたミランは、ここで拒否したなら、上位貴族のプライドを傷つけるコトになると思った。

 そこで、にっこりと笑って(営業スマイル)差し出された小銀貨を受け取った。


 「ありがとうございます

 明日はどうしたら良いでしょうか?」


 お礼を言いながら、明日の予定を尋ねるミランに和也は困ってしまう。

 そんな和也に代わってレオがさらりと答える。


 「ハンターギルドに

 君達を指名した依頼書を出しておくから…

 そうだなぁ~…お昼に来てくれれば良い

 わかったかな?」


 明日も仕事をもらえたミラン達は、嬉しそうに笑う。


 「明日、ハンターギルドにお昼前に行きます

 失礼します」


 和也達に一礼してミラン達は家路についた。

 その後姿を見送って、和也はレオに話し掛ける。

 

 「レオ、助かりました

 ボク達は、今日、宿に泊まる気が無かったので


 ミラン達との連絡をどうしようかと

 困っていたので…ありがとう」


 にっこりと笑って言う和也を見て、レオはやっぱり自分の主はこの人だと心に決めながら答える。

 そのお陰もあって、レオの態度は自然と柔らかくなっていた。

 が、本人は無自覚だったのは確かなことである。


 「いいえ、このくらいのコトは何でもありません

 とりあえずハンターギルドにいきましょうか?

 そちらの侍女さん達も?」


 「あっ…はい…お供させていただきます……」


 レオに話しかけられたユリアとリリアは、軽く頭を下げながら答える。

 そして、和也達はまた歩き始めた。

 トラブルに巻き込まれることもなく、ハンターギルドに着いた。


 その建物は5階建てで、看板は三日月と満月の上に弓と矢が描かれていた。

 その紋様がハンターギルドを現しているらしい。

 つい物珍しいという表情で看板を見詰めている和也と浅黄にレオが話し掛ける。


 「アレックス様

 ハンターギルドの職員が待っていますので

 中に入りましょう」


 「うっうん…わかった」


 レオに返事をすると、和也は浅黄に視線を向けて頷く。

 すると、浅黄は、扉を開けて和也と一緒に建物の中に入ろうとして動いた。

 が、すかさずレオが扉を開いた。










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