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159★ロ・シェールの街22 浅黄君の敵愾心?



 「ええ、そうです」


 レアアイテムを持っている自覚の無い和也に、レオは噛んで含めるように説明する。


 「そんなとんでもなく貴重なモノを

 アレックス様に忠誠心を持たない者達に

 見せるわけにはいきません


 盗もうとしたり…アレックス様を…異端者と…

 魔物に通じた者などと言って

 足を引っ張る可能性があります


 それに…死者の記憶を映し出すモノを

 持っているという情報を流されるのも…

 今後を考えると有りそうな話しですから…

 危険は避けるべきだと思います」


 レオの説明が終わると、浅黄は人の悪い笑みを浮かべちょっとからかうような顔でて質問する。


 「へぇ~……君は…

 アレックスに忠誠を誓うの?」


 浅黄の質問に、レオは、和也に対して何も疚しい心を持っていないと、胸を張って答える。


 「もちろんです…俺の主は…

 アレックス様…ただひとりです…」


 レオの答えを聞いた浅黄は、冷たい微笑みを浮かべ、首筋付近で指をツイッとすべらせて言う。


 「そう…その言葉…違えたら……するよ」


 浅黄のちょっと?物騒な仕草に、和也はかなり驚いていた。

 が、言われたレオは…………爽やかに笑いながら、浅黄に答える。


 「レオンハルト様

 俺は…獣人族です…俺達は…自分で主を決めたら…

 生涯その主唯ひとりに忠誠を誓います


 俺は…まだ

 アレックス様に忠誠を誓っていませんし

 お使えする許可も今はもらっていませんが…


 必ず…認めてもらうと…思っております

 それで…………」


 レオの言葉を途中でさえぎり、浅黄が笑う。


 「ふぅ~ん…忠誠ねぇ~…

 キミの強さは、どの程度なのかな?

 俺の基準に達していなければ………」


 なんとなく危ない雰囲気になってきた浅黄に、和也は無表情のままで焦ってしまう。


 〔なんか…浅黄くんの雰囲気が…

 怖くなっています


 浅黄くんは見かけは、綺麗だけど中身は…

 結構な武闘派なんですよねぇ~…


 拳で語れまではいきませんけど…

 こっちの世界でボク達は…

 チートな戦闘能力を持っています


 仲間内で1番、体力の無いボクでさえ

 かなり化け物級なんです


 もともとが…化け物級の浅黄くんが…

 本気になったら困りますね

 レオなんて…瞬殺されてしまいます


 そんなコトされたら…レオが復活するまで

 面倒ごとを押し付ける相手が居ない状態に

 なってしまいます


 ここは…レオ達を雇っている? 意味と

 適当な理由を付けて…誤魔化しましょう

 そして…浅黄くんに、ちょっとヨイショして

 おきましょう


 何時でも、無条件でボクの味方をしてくれる

 浅黄くんは…大切ですから〕


 そんな風に、内心で色々と苦悩しながら、和也は浅黄に話し掛ける。


 「レオン…止めて下さい…レオは獣人です

 その段階で…人族より強いんです


 それに…ボクは…

 こっちの常識や知識が欲しいんです


 レオは、ボクの求めている能力が充分あります

 それと…貴族としての常識なんかは…

 エリカとエルリックで足りると思ってますから…


 この街の中のコトは…ミラン達に…と思っています

 だから…そんなにボクを心配しないで下さい

 彼らで足りなかったら…レオンにフォローを…

 お願いしますから……ねっ」


 和也からのお願いに気を良くした浅黄は、レオに対する敵愾心をあっさりと捨てた。

 大好きな相手に頼りにしていると言われれば、誰だってご機嫌になるという方式に従って浅黄の機嫌は上昇した。


 結果、レオに対するあたりが柔らかくなった。

 それでも、キツイ言葉を口にするのは、浅黄の標準装備らしい。


 「アレックスが、君を必要だって言うから…

 側に居るコトを認めるよ


 ただし…アレックスの足を引っ張るようなコトをしたら

 許さないから…覚えておいて…」

 

 浅黄のキツイ言い方に、レオは苦笑するだけだった。


 〔上位貴族って、自分達以外を人間って

 思ってない者が多いけど………


 このレオンハルト様は……アレックス様に

 近付くもの全てが気に入らないってだけだな


 いるんだよなぁ~…友情がいきすぎて

 ヤバイ方向に行く貴族って…

 間違いなく…ソレっぽいなぁ~…


 排除されないように気を付けるしかないなぁ~…

 身分的なモノを観察すると

 アレックス様の方が上っぽいんだよなぁ~…


 側近としてって言うなら…

 嫉妬されないようにしなきゃなぁ~…

 やっぱ…アレックス様ってば…王族かな?


 この自由奔放さ加減を見ると…飛竜騎士だよな

 まっ…その辺は後でイイ…まずはトゲムシ……〕


 なんてことを考えるレオであった。








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