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156★ロ・シェールの街19 レオ、メインはまだです



 「あまりに被害を出す悪霊になると

 冥王神の神官様達が浄化しますから…

 それまでやり過ごすせば、大丈夫です」


 ゼスラのセリフに、浅黄は首を振る。


 〔おいおい…それって大丈夫じゃねぇーだろ

 やり過ごすってなんだよ………


 普通……つーか…本来、悪霊ンなる前に

 適切な対処するモンだろ


 その冥王神の神官とかって、マジでそれで

 神官なのかよ

 仕事サボってんじゃねぇーよ〕


 そんな浅黄の気持ちに気付いた和也だったが、そこはスルーしてゼスラに確認する。


 「本当に大丈夫なんですか?」


 和也の問いに、ゼスラは肩を竦めて答える。


 「悪霊化する者は、滅多にでませんから……」


 死んだ人間をきちんと弔わないと悪霊化するコトが、常識な世界はイヤだなぁ~と思いながら、話しが進まないから和也とゼスラの会話を止めようと思う浅黄だった。

 

 「アレックス、悪霊の話しはその辺でやめて

 風の精霊達との会話を再会したほうが良いよ


 縁起の悪い話しをするより

 精霊達との会話を優先しようねっ」


 色々な意味で、ムカムカが消えない浅黄の強制話題転換に、和也は内心でクスッと笑いながら頷く。


 〔浅黄君って、こう言う話し嫌いですもんね

 そう言えば、幽霊話しの類いが嫌いと言えば

 緋崎君と氷川君どうしているでしょうねぇ〕


 「ええそうですね

 せっかく、精霊界から人界に来た精霊達ですから

 挨拶しておきましょう……フウカ紹介して……」


 頷いたフウカは、まだまだ存在が薄い子達を手招きし、和也に言う。


 「はい、ますたー…この子達は…

 あたしやカオンやフウキの妹になります


 ますたーからいただいた《命の焔石》の

 カケラのお陰で…半実体化できたから

 ますたーのお役に立ちたいって

 何時も言ってたの………


 だから…お仕事をさせて欲しいんです

 お前達…ますたーに…挨拶しなさい…」


 和也に紹介されて嬉しい、まだ幼い故にはっきりと実体化出来ない風の精霊達は、とても嬉しそうに和也に挨拶をする。


 「「「「「はい、お姉さま…

 始めまして、ますたー………」」」」」


 精霊達が、面倒な美辞麗句を言ったりしないように、和也は言葉の途中で声を掛ける。


 「始めまして、小さな風の精霊達

 ゼスラの話しをボクに伝えて下さいね」


 柔らかい声でそう言われた、まだ名を持たない風の精霊達は、素直にお返事する。


 「「「「「はい」」」」」


 それに頷いてから、和也はゼスラを振り返って言う。


 「ゼスラ、風の精霊達を覚えてください

 でも、彼女達には名前が無いから

 風の精霊と呼んでください」


 和也の言葉に、ゼスラは神妙な表情で答える。


 「はい、アレックス様」


 ずっと側でやりとりを聞いていたレオは、やっと話しがまとまったと判断し、和也に次の案件とばかりに言う。

 その姿は、仕事をコレでもかと持ち込む、どこぞの執事さん状態だった。


 「アレックス様、話しが済んだなら

 さっさとこのお嬢さん達を連れて

 ハンターギルドに行きましょう


 トゲムシを運び込んでいますから…

 色々とするコトがありますので…」


 はい、次行きましょう状態のレオに、和也は首を振って言う。


 「ちょっと待ってください」


 和也の制止の言葉に、レオは慇懃にならないように言う。


 「なんでしょうか?」


 そんなレオに、和也は、まだ、メインが終わっていないことを告げる。


 「キャラバンの家族の話しが

 終わっていないんですよ」


 奴隷商との商談は終わったと思っていたレオは、ちょっと考えるように首を傾げてから頷く。

 その内心は、早くトゲムシの件を終わらせたいだったりするが………。


 「ああそうですね…もう少し待ちますから………」


 和也は、ガラム達の願いを叶える為に、どうやって人探しをさせるかと悩んでいた。

 和也自身が見た人達では無いので、どう説明した良いかわからなかった。


 そこで和也は、《いちの戦乙女》にもらった〔黒い手鏡〕を取り出した。

 そう、説明するのが面倒なので、和也はズルすることにしたのだった。

 ガラム本人に詳しい説明をさせる為に、和也は〔黒い手鏡〕に話し掛ける。


 「ガラム、ボクの声が聞こえますか?」


 和也の呼び掛けに、冥府に居るガラムが、嬉しそうに笑って答える。


 【お呼びで御座いますか? オアシスの主様】


 別れたときと同じ姿と表情のガラムを見て、和也は内心でほっとする。

 和也は、もしかしたら、ガラムが半腐りの状態で鏡に映るかもと思っていたから。


 「ここに居る、ゼスラとレオに

 探す相手の姿の説明をしてください」


 和也が、レオとゼスラに〔黒い手鏡〕の説明をしようと思い口を開こうとすると、何処から来たのか《いちの戦乙女》和也の前に、部下を2人連れて立っていた。








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