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144★ロ・シェールの街中7 RPGに、奴隷って定番なの?



 レオに面倒ごとをポイッと丸投げして和也は、エリカとエルリック、ミラン達とロ・シェールの市場に来ていた。

 そこには、和也が始めて目にするものが多数存在していた。


 その中で、和也が1番驚いたのは、奴隷が売られていたコトだった。

 奴隷商達のエリアには、色々な大きさの鉄の檻?が有った。


 その中には、人間の男女(年齢は様々)を筆頭に、獣人や耳の尖ったエルフ族らしい存在もいた。

 檻に入れられている者達は、虚ろな顔をした者、すすり泣く者、呆然とした者、諦めた顔をしている者、怒り?で顔を赤くしている者と、色々な表情を浮かべていた。


 その檻の前を、くすくす嗤いながら品定め?をして歩く者達もかなりいた。

 エリカやエルリック達が、商品(奴隷)?としてガラムのキャラバンに存在していたコトを和也は思い出す。


 和也にとって奴隷という存在が、本当に存在する事実に、ちょっとイヤかなり心にくるモノがあった。

 奴隷という存在を、買い取るコトは出来るが、それをして何になると思うのも確かなコトだったりする。


 う~ん、このRPGの設定の中では

 奴隷という存在は、ここまで

 堂々と売り買いされる存在なんですね


 奴隷にとって、人権なんて

 何ソレ食べれるノ? ソレって美味しいノ?

 と、いう状態でしょうねぇ~……


 ここは、仮想現実空間

 所詮は、RPGの世界です


 ボクが奴隷制度をやめようなんて言っても

 なんの意味も無い世界ですしね


 本当に、奴隷制度を止めさせるんだったら

 最低でも、貴族になる必要がある

 出来れば、王族がイイですね


 本当は、国王が1番イイですけど

 1番権力の有る人間が、きつい罰則を付けて

 奴隷制度廃止と宣言するしか無いって

 わかってしまいます


 そして、それが

 絶対に無理だってわかりますから……


 奴隷制度を廃止するには

 奴隷を使って、イイ思いをしている者達を

 押さえつける必要がありますし……


 解放した奴隷に

 衣食住と仕事を与える必要がありますからね…


 勿論、読み書きや計算を

 教える必要もあるでしょうし……

 仕事の訓練も、必要です


 今のボクには、何も出来るコトはありませんね


 せめて、エリカ達の一族郎党を探して

 買い求めるとか……


 ガラムのキャラバン出身者を探して

 買うぐらいしか出来ません……


 う~ん、RPGとしては

 思いっ切り向かない設定ですね


 とりあえずは………

 エリカ達に知り合いが居ないか確認させますか


 暗い思考の海に、どっぷりと沈んでいたが折り合いがついたので、和也はエリカ達に小さな声で話し掛ける。


 「エリカ、エルリック

 君達の身内が居ないか確認しなさい」


 和也を見ながら、小さな声で2人は答える。

 

 「「はい」」


 その応えに、和也は頷きながら言う。


 「もし、居たなら買い取りますから……」


 和也の言葉に、2人はちょっと泣きそうな顔で頷く。


 「「…は……い…」」


 和也に目配せされて、2人は奴隷商のエリアをくまなく探す為に、その場から離れるのだった。

 その後を、道案内とごろつきなどに絡まれないようにする護衛もどきとして、わりと大柄で、はしっこいマックとウィルが付いて行った。


 奴隷と言う心が折れる存在を見て落ち込んだ気分を上昇させる為に、和也は、どんな動物が売られていかを見に行くことにした。

 和也達の前を、ミラン達が案内する為に歩く。


 そして、和也は、目的の生きた動物や毛皮などの高級品を売買するエリアに着いた。

 和也の目の前の檻の中には、美しい毛皮を纏った豹や虎などによく似た猫科らしい動物の子供が売られていた。


 他にも、犬?狼?イタチ?などの動物や角の生えた兎?など見たこと無い動物も売られていた。

 他にも珍しい動物が居ないかと辺りを見回す和也に、ミランが声を掛けた。


 「アレックス様

 どんな動物を探しているんですか?」


 「雪豹とか白虎とか…グリフォン…

 ウィングキャット…ペガサス…飛竜とか

 色々な幻獣を見たいですね」


 「グリフォンとか飛竜みたいな

 大型の幻獣は、城壁の外で売買するんです」


 「えっ? …どうして? …城壁の外なんて…

 危ないし…客も嫌がるでしょう?」


 「いいえ、街の住人が嫌がるんです」


 「…? …? ……」


 「グリフォンも飛竜も大柄ですし

 なにより、ブレスを吐きます


 いくら特別製の檻に入っていても

 壊して出て来るキケンがありますから」


 「それに、ブレスに檻は意味無いです」


 「警備するのも大変です」


 「…………」


 ミラン達の説明に、和也は自分の持つ常識と相容れないモノがあることを、改めて知る。








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