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141★ロ・シェールの街中4 所詮、貴族(エルリック&エリカ)の常識はズレている



 ごろつきのリーダー(ヤツーデ)が、和也にニヤニヤしながら声を掛ける。


 「なぁ~貴族のお坊ちゃん

 いや…アレックス様だっけ……


 ガキの案内だと、男として

 大人の嗜みとか楽しみとかは味わえないぜぇ


 俺達だったら、そっちのイイ店を知ってるから

 色々と案内出来る


 だから、ガキどもじゃなくて、俺達を雇いなよ

 案内も荷物持ちも護衛も出来るから、お徳だぜ」


 ヤツーデの売り込みに、和也達はウンザリした表情になる。

 それを見ていながら、さらにヤツーデは言葉を紡ぐ。


 「この街で、1番って言われている娼館とか

 賭博場(カジノ?)とか


 美味い飯と酒を出すって

 評判の店にも案内出来るぜ


 まっ、色々なランクの店を知ってるからさ

 大人の楽しみはばっちりだぜ


 ってコトで…1人大銀貨1枚で…いいぜ」


 この世界の貨幣価値が、まったくわからない和也は、エルリック達に質問する。


 「エルリック、エリカ

 大銀貨1枚って、安いんですか?」


 エリカは、たまたま領内の騎士団が飼っていた軍馬のエサ代を知っていたのでついそのコトを口に出してしまった。


 「馬のエサ代よりは、かなり安いですね」


 和也は、軍馬の1ヶ月のエサ代が、一般庶民の数家族が1ヶ月は食べれる金額を軽く食べるというコトを知らなかったので、結構酷いコトを言った。

 

 馬のエサ代ってそんなに高くなかったような?

 気がします


 というコトは…………

 この人達が言う金額はかなり安いコトになりますね


 そんな安い値段じゃないと、雇ってもらえないほど

 使ってくれる人が、いないってコトですね


 それに、娼館って……娼婦さんが居る場所ですね

 ボクは、女性をお金で買うなんて趣味はありません


 ついでに、もてない男じゃないです

 どちらかと言うと、言い寄られる立場の人間です

 なんか、むかつきます


 客の需要がわからない人間なんて雇う気になりません

 これは、使えない人達ですね

 では、遠慮なく断りますか


 「そうですか

 では…戦士としては…使えない程

 能力が無いってコトですね


 ついでに、ボクは娼館に行く必要の無い人間です

 また、お酒も必要としません

 賭博も、興味あれません


 貴方達が案内する場所は

 ボクに取って、必要の無い場所なんです

 だから、雇う意味はありません」


 エリカは、自領の騎士団の経費なら、なんとなくわかっているので、騎士や兵士などの人件費を考えて、安いと思い和也の意見に従った。

 ついでに、エリカは、和也の言う娼館も賭博場所も酒場も、自分や弟に必要ない場所でしかないと思ったので、雇う気が無いというコトをはっきり口にした。


 「そうですねぇ~…………

 馬のエサ代より安いというコトは

 最低ランク以下の能力しかない

 ってコトになりますね」


 エリカの同意を得た和也は、冷たく嗤って言う。


 「では、雇う価値が無いって思ってイイですね」


 和也の言葉に、エリカとエルリックは声を揃えて言う。


 「「はい、必要ないと思います」」


 自分達を完全にバカにしている発言にヤツーデは顔を赤く染めて怒り出す。

 それに乗って、残りのごろつき達も口々に文句を言い出す。


 「黙って聞いてりゃー

 なに、ふざけたコト言ってんだ」


 「人がしたでに出てるからって

 バカにすんじゃねぇよ」


 「ちっと、お仕置きが必要なようだなぁ~

 アレックス様よぉ………」


 「そぉ~そ泣かしてやらねぇーとなぁ~」


 口々に好き勝手なコトを言う彼らに、和也達は呆れた顔になる。

 ごろつき達に囲まれながら、平然としている和也達に周りのやじうま達は、つい首を傾げてしまう。


 なお、やじうまの中には親切にも、街を巡回している警邏隊に声を掛けに、走って行く者もいた。 

 

 やじうま達がはらはらして和也達を見守っているところに、トゲムシの売買などの面倒ごとを濃い茶髪トリス茶髪レムス金茶髪カリスの三兄弟に丸投げしてレオ(レオニード)が、和也達を探しにやって来た。


 レオは、ひと目でごろつき達に、和也達が絡まれているとわかった。

 和也達は、お忍び?で、ロ・シェールに遊び(観光?買い物?)に来たと、レオは思っていたので…………。


 悪目立ちしないようにと、自分より遥かに強いと判っている和也の代わりに対処しようとした。

 そこで、軽い感じの口調でレオは、和也に声を掛けた。


 「アレックス様、遅くなりましてすみません

 ですが…そんな粗野でゲスなごろつきを

 からかって遊ぶのはおやめ下さいませんかぁ~


 そんなアホウどもを

 直接、アレックス様が殴ったり蹴ったり

 切ったりするのは………


 御身の穢れになると思いますので……ここは

 私…レオに任せてくださいませんかぁ~?」


 その問い掛けに、和也はレオに視線をあわせて苦笑する。


 「そうですか……それじゃぁ~……

 レオ、適当にあしらって下さい」










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