129★敵キャラ登場?8 ゲームの中でも宗教は……下
和也の問い掛けに、バルドはニヤリっと嗤って言う。
「ほぉ~皇帝どのは…サンクト・クロージア教を
知っているんだな…今言った役職は存在している
その下は…大司祭…司祭…神父…修道士…修道女だ
…女も…修行が終われば…神父と呼ばれる
まだ教皇になった者は居ないがな…………
枢機卿なら……三割は女だぜ」
すらすらとそう言うバルドに、和也は双眸を再び細める。
そして、そのまま更に問う。
和也が、どんなに係わり合いになりたくないと思っても、後で……いや、既に必然的に、係わることはわかりきっていたので…………。
「そうですか……では…シーアン・スーニン教は?」
和也の様子に、バルドは上機嫌を隠しもせずに、歌うようにスラスラと言う。
「聖地を支配下に置くモスレムの主
○○師という呼び方だ サンクト・クロージア教は
王国の支配下にいて治外法権を持っている
戴冠式を取り仕切り 王位継承にも口をだしているが
直接 民を支配してはいないが シーアン・スーニン教は
直接 民を支配している ○○師が王と同義語だな
政治も宗教も支配している 女性の扱いは…………
ざっくり言って悪い
その証拠に ○○師になった 女性はいない
まっこんな感じかな
皇帝陛下は どちらと付き合うの?」
バルドの質問に、和也は苦笑するだけだった。
そして、ちょっと考えてしまう。
あれ?確か回教徒って、シーア派とスンニ派が
2大巨頭って感じだった筈……………
確か預言者マホメットの血統を尊重しているのが
シーア派だったような?
スンニ派って、イスラム法を規則を
戒律を尊重するのがスンニ派だったっけ?
これで考えるなら、シャリアーに従っているって
宣言しているISって…………
スンニ派の系譜を引く者ってコト?
まっ、それは……おいておいて……う~ん…………
現世を…モデルにしているなら……
預言者の血統の○○師がいてもイイんじゃ無いか?
コレぐらいは、聞いてもイイですよね
女性に対する扱いは…現世より酷い内容だったら…
いやだから…聞くのは止めましょう
バルドの説明を元に、思考していた和也は、疑問に思ったコトを尋ねる。
「バルド…ちょっと…聞いてもイイですか?」
「何についてかな?」
ニヤニヤしているバルドに和也は苦笑する。
「シーアン・スーニン教の預言者の子孫は、○○師
と呼ばれて、民達を支配していませんか?」
和也の質問に、バルドはあっさりと答える。
「モスレムごとに支配地域が決まっているし
支配者は王又は貴族という一般的な支配ではない
支配者 又は 為政者になれるのは 預言者
ダレイオスの子孫のみというコトになっている
まっ養子も有りだ ただし 改宗者は○○師と
呼ばれるコトは無い 被支配階級でしかない
血統的に1番有力な者は サンクト・クロー
ジア教に近い教義を掲げていて
弟に排斥されそうになっている
まっけっこう真っ当かもな
どうする 皇帝どの?」
バルドの説明に和也は、考えこんでしまう。
シーアン・スーニン教は、一枚岩という状態
ではないんですね
サンクト・クロージア教に近い考えを持つ人間に
味方して…シーアン・スーニン教を大人しい宗教に
なるようにするのも、1つの方法ですね
でも、どうやって接触すればイイんでしょうか?
この辺りに、どちらの宗教が進出しているんでしょうか?
それが、わからないと打つ手が無いですね
あれ…ボクってば…なんの対価も無しに………
バルドから情報をかなり提供してもらっていますね
和也は、そこまで考えてから、現状に気付いて脂汗を流す。
まっ不味いです…妖魔に借りを作るのは…………
ボクの持っているモノで対価になりそうなモノって………
あっ…有りました…銀嶺用にとっておいた……
《命の焔石》を対価として与えればイイですね
和也は、バルドに与える為の《命の焔石》を取り出す。
その様子を、黙って見ていたバルドとその側近は、内心でワクワクしてしまう。
そして、バルドと側近は、心話で会話する。
〈バルド様 彼の皇帝と同じように あの少年は
我等に《命の焔石》を与えてこくれるのでしょうか?〉
〈与える気が有るだろうよ その為に 長々と
情報を与えたんだから…………〉
〈でも 我等は あの少年を アンデッド
モンスターで襲ったんですが〉
〈そんなコトは 些細なコトなんだよ 彼の
皇帝は強い まして 簡単すぎて寝ていても
倒せるアンデッドモンスターを使ったからな…
襲われたとも思って無いだろう……
冥府の女神が…息子に与えた…【黒の剣】を…
何時でも…ヴァルキューレを使って手に出来る
皇帝に…アンデッドモンスターなんぞ意味は無い〉