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124★敵キャラ登場?3 妖魔と和也 


 

 バルドは、和也の戦い方に驚き、そして、心底から喜んだ。

 

 なんという僥倖ぎょうこう…人間どもの言う…

 伝説は真実だった……


 再び あの帝国の皇帝に会えるとは………… 

 今頃 我が君もお喜びだろう……

 ただ…付き従う者が居ないのは残念だ………


 これでは 我等が遊べない……

 でも 初代皇帝並み または それ以上の

 《力》があるのは確かなこと


 天の門を開けさせて…ヴァルキューレを召還し

【黒の剣】を受け取るとは……


 歴代皇帝でも 冥王神の神殿で【黒の剣】を

受け取っていたのに…………


 ドラゴニアンでもあった皇族なのに

あの歌の色をしていない?


 そして、ドラゴニアンを讃える、少し物悲しい歌を思い出す。


 ドラゴニアンよ 人とドラゴンのまったき半分よ

 その瞳と髪は 空の一部を切り取りその色を纏う


 空の色 夜更けの濃紺から夜明けの色

 そして 晴れやかな晴天の色

 有りとあらゆる空の色を纏う


 その心は 人の奢りも半分 ドラゴンの矜持も半分

 人の心が 少しでも多かったら その《力》で

 大陸のすべてを支配しただろう


 ドラゴンの心が 少しでも多かったら

 人とは係わらず 自由に空を舞い

 煩わしいコトは一切しない 孤高を得ただろう


 だか ドラゴニアンは 人とドラゴンのまったき半分

 それ故に 人と係わり ドラゴンと係わり


 その優しい心を 苦悩と苦渋と切なさと愛しさで染め上げる

 ドラゴニアンよ 人とドラゴンのまったき半分よ


 空と地上を 駆ける者よ

 その麗しい姿と優しい心に幸あれ


 なのに 歌の中の詩のように空の色を纏っていない?


 古の歌を思い出したバルドは、改めて和也の髪と瞳を確認する。

 その時、風の精霊の気まぐれで、和也の髪がふんわりと立ち上がる。

 

 太陽の光に透けた和也の髪は、黒に紫を帯びていた。

 瞳も濃過ぎる紫のセイで、黒く見えていたのだ。


 和也は、空の一部を切り取った色をその身に宿していた。

 それを見たバルドは、嬉しそうに笑った。


 ドラゴニアンの特徴を その身に宿す《力》ある皇帝

 こんな存在を あの帝国は 未来の民を思い飛ばしたのか


 すべての精霊を従え ヴァルキューレを

 召還するコトを許された 至高の存在


 その《魔力》は 人の範疇やドラゴニアンの範疇を

軽く超えている

 あの《力》では 地上に受肉して降りた神々に匹敵する


 この存在を手に入れるのは その心を動かす以外に無い

 バルドゥールに これの心を動かす《力》は

あるのだろうか?


 我が君の《力》を持っても 操るのは至難の業…………

 だからこそ 我が君の無聊ぶりょうは慰められる


 この皇帝が生きている限り 我が君は

 退屈とは無縁になる


 ああ……晴れやかに…笑っている我が君を見たい…


 邪神アフラーの狂信者達への報告は グリムにさせよう

 興奮した アヤツラの精神から溢れる情動の余波を

感じるのはたまらんからな


 ああ…そうだ…挨拶を……していこう

 歴代の皇帝達は 攻撃さえしなければ 自らは攻撃しないから


 少し話してみよう 我の行動は

邪神アフラーの信徒に頼まれたと言ってみよう


 砂漠に生まれた 戒律の厳しい狭量な宗教を教えてやろう

 知識欲は どの皇帝も激しかったから…………


 思考がまとまった赤髪のバルドは、にこやかに笑いながら、何ら悪びれるコトも無く和也に話し掛ける。



 一方の和也は…………。


 すべてのアンデッドモンスターを倒し、空中に真紅のグリフォンに乗っているバルドやその部下達を見ていた。

 一際目立つ赤髪のバルドを見て、1番知識がある?エンに和也は尋ねる。


 「エン…真紅のグリフォンに乗った赤髪の

男って…人間?」


 和也の質問に、エンはちょっと首を傾げる。


 あれは、確か妖魔の君の側近クラス

 赤髪の○○○と呼ばれていた…………


 ますたーの為なら…命かけて排除する…


 でも…たぶん…ますたーはそんな命令してくれない

 妖魔だってコトだけ教えよう

 

 エンは、和也に情報を与える為に言う。


 「いいえ…あれは…妖魔です」


 和也は、エンの素っ気無い説明?に、物足りないのでさらに質問する。


 「どのぐらい強い?」


 和也の戦う気満々なと問い掛けに、エンは苦笑しながら答える。


 「俺も間近で戦ってみないと……判断できません……」


 エンの答えに和也は、バルドの強さの判断材料が足りないと思って、ヴァルキューレの《いちの戦乙女》に質問する。


 「そう…《いちの戦乙女》様…あれって…………

ボクより強いですか?」


 和也の質問に、くすくす笑ってから《いちの戦乙女》は答える。


 「君より…はるかに弱い…【黒の剣】を

必要としない程ね……」


 和也は、《いちの戦乙女》の答えに、顔を顰めた。










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