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119★一瞬の邂逅



 亜空間の色彩と、肌に感じる、肌感覚から、和也は思った。


 銀色の空間……上も下も無い…一面が…銀色

 風も感じ無い……暑くも寒くも無い……


 どの方向からも光が無いようですね

 時が移る感覚も無い……不思議な空間です

 

 和也は、亜空間の感想を口にすることも無く、辺りを見回した。

 すると、距離感がよくわからないが、飛んでいる飛竜やグリフォンを見た。


 へぇ~………飛竜に、グリフォンですか……

 背中に…人は乗ってませんね…

 ということは……野生の飛竜とグリフォンですかぁ~……


 和也の右斜め前に、亜空間が開き、そこから飛竜と飛竜騎士が現れる。

 紺色に金の刺繍と紺色のマントをつけた銀色の髪と碧い瞳の美少年だった。


 その姿を見て、こんなに近いところで、飛竜騎士を見れるなんて…………と和也はのんびり鑑賞していた。


 が、鑑賞対象の美少年(ライハルト・エーリッヒ・ラ・リーグ・ロリアン)は、和也を見て衝撃を感じていた。


 見つけた……ラ・アルカディアンの皇子…

 伝説の通り…あまたの精霊を従えて…………

 翼竜を駆る黒髪の少年…………


 ……従者を乗せているのか……黒の軍服か……

 そんな飛竜に乗れない者よりも…………

 私と共にきて欲しい………


 亜空間ならば、翼竜のスピードも関係無い……

 ターンして戻ろう……


 「ジーク…あの飛竜を追ってくれ………」


 「わかった……ここなら、大丈夫だ」


 ジークはすかさずターンして、銀嶺に追いついた。

 無理矢理追いついて、隣りを飛ぶジークに、銀嶺はちらりと視線を流すが、特にスピードを上げようとはしなかった。

 ここ亜空間では、現実空間ほどのスピードの差が無いのだ。


 幼い飛竜でも、親に付いて飛べるほどに……風も無く…時も無い…精霊の《力》も薄い空間だから…………。

 

 自分の隣りを飛ぶ飛竜に、騎士が乗っていることに気が付いた、和也は首を傾げる。


 ボクの隣りを飛竜騎士が飛んでいるなんて……

 ほんとぉーに…ファンタジーですね…………


 しかも、銀髪碧眼の超絶美形ですか…眼福ですね

 でも、なぜ、ボクの隣りを飛んでいるんでしょうか?

 聞いてみてもイイですよね?

  

 和也が、ラインハルトをどうしようか?と考えていると本人から声がかかった。


 「私は…………

 ラインハルト・エーリッヒ・ラ・リーグ・ロリアン

 です……白い翼竜に乗っている

 ラ・アルカディアンの皇子よ……名を……」


 ラインハルトの呼びかけに、和也が眼を白黒させていると銀嶺が言う。


 「ますたー…現実空間にでます………」

 

 そして、和也とラインハルトの遭遇は一瞬で終わった。


 亜空間から、通常空間に転移されたのは残念だった

 でも、皇子を見つけたのは、僥倖だった


 野生の飛竜ジークフリードと出会い《感合》した

 あの時についで………興奮した…この高揚感………

  

 飛竜騎士達から、代々伝わる

 あの御伽噺おとぎばなしは事実だった……


 我が王家は、彼の帝国の末裔

 必ずや、あの皇子を我が手にする…………


 ラ・アルカディアンの皇族には

 古き神々の末裔としての《力》と《血》を

 持っていると禁断の歴史書には書いてあった


 古き神々の末裔だから、番わずとも子を成せると

 お互いの血と愛情を、媒体の飛竜の卵に注ぐと


 ドラゴニアンの姿と《力》をほぼ《封印》した状態で

 愛らしい人の子として生まれると…………


 ラ・アルカディアンの皇族が

 やたらに長い寿命と丈夫というよりは

 化け物と言った方が良い肉体を持つ理由だった


 ならば、《祖先帰り》と呼ばれる私に

 あの皇子は、相応しい


 この首筋の逆鱗に誓って……

 私は…あの皇子を手に入れる…


 そして、緑と水に溢れた豊かな大地を取り戻す


 新たなラ・リーグ・ロリアンと

 ラ・アルカディアンを融合させる


 リーグ・ロリアン……

 アルカディアンの末裔ではなく……


 銀髪の皇子は、和也をラ・アルカディアンの皇子と思い、自らの野望と希望と愛情を元に、絶対に手に入れる(婚姻)と心に誓うのだった。


 そんな粘着性ストーカーとなったラインハルトが、和也を追いかけなかったのは、通常空間で、銀嶺のスピードについていけないのと………。


 追いかけても…亜空間に入るときにイメージした場所に出てしまうので、追いかける意味が無かったから…。


 一方の和也は、お気楽なコトを考えていた。


 さっき見た、飛竜騎士ってば…銀河英○伝説の

 美形度ナンバーワンのラインハルトみたいでした……


 あれで……豪奢な金髪だったら……

 生ラインハルト様です……


 それに、騎竜の飛竜が燃え盛る炎の色でしたから~

 まるでジークフリード・キルヒアイ○の

 化身みたいでした


 腐女子の雅代さんだったら……

 萌え死ぬかもぉぉって言いそうですね……


 もしかして、主要ゲームキャラなのでは?

 あの美形度では、かなりの重要キャラですね


 などという、らちもないことを考える和也を乗せたまま、銀嶺は通常空間を優雅に飛翔しながら、指定された場所と向かうのだった。










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