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117★飛竜の生態



 和也は、銀嶺の迷いを感じて、少しだけうながしてみる。


 「銀嶺、なにか困っているようですけど

 理由があるのですか?」


 銀嶺は、和也の言葉に、ちょっとうなだれた雰囲気を醸し出しながら答える。


 「いいえ……大丈夫です……ますたー…

 魔族や人間は……呪術を使って…飛竜達の………

 …名取りして………隷属させます……


 だから警戒して……亜空間飛行をするんです……


 ますたーに……出会った時の………

 …私がそうですから……」


 和也は、銀嶺との出会いの時を思い出して頷く。


 確かに、躯に大きな傷が有りましたし…………

 あの墨みたいなモノがまとわり付いていたのは

 名取りの呪術によるモノだったんですか…………


 それを、死に物狂いで振り切って…………

 あそこに、現れたということですか

 納得ですね……それで亜空間飛行ですか……


 そこで、ちょっと疑問が浮かび上がる。


 「名取りですか……飛竜の側からしたら………

 迷惑千万ですね……あれ? 飛竜騎士って………


 飛竜はどうやって手に入れるんですか?

 エリカ…エルリック…知っていますか?」


 和也からの問い掛けに、エリカとエルリックは顔を見合わせ、男ということでエルリックが答える。


 「我が国でも、他国でも…基本は…………

 飛竜商から購入します…


 それと…飼っている飛竜同士が番って…

 卵を産みますので……

 基本的には、その子孫達に乗っています……


 あとは、本当に極、稀にですが野生の飛竜と

《感合(かんごう=飛竜と人間の心が通じ合う

 魂の伴侶になる)》して…………

 飛竜騎士になる人もいます……


 その野生の飛竜と、飼われている飛竜の番いから

 生まれる飛竜もいます……


 基本的には、飛竜と飛竜騎士は友好関係です」


 今、聞いた内容に、エリカも言葉を重ねる。


 「……名取などという……汚らわしい行為で……

 飛竜騎士になる者はおりません……


 とにかく、飛竜騎士は……飛竜と常に対等な伴です

 そして、飛竜騎士に憧れる者達は、私を含めて………


 飛竜が好きで好きで、どうしようもない者達ですから

 ……飛竜に嫌われる行為を嫌悪し忌避します……」


 2人の様子に、和也はちょっと首を傾げて、銀嶺に話しを振る。


 「銀嶺…君から見て…君が出会った飛竜騎士達の

 飛竜は、どうなんですか?」


 和也からの問い掛けに、銀嶺もそれまでに出会ったことのある飛竜達を思い浮かべる。


 「そうですね……飛竜騎士の騎竜となっている

 飛竜達は、人間が好きで……

 私は、基本的に人間はキライですが………


 ただ、どの飛竜も、今の私と同じで…………

 主が好きでたまらないモノ達です…………


 あと……これは、飛竜側のメリットなんですが……

 野生状態よりも、簡単に子孫が残せるんです…………


 ……番いを探す気力の無くなったモノや…………

 番いを探すのが面倒くさいと思うモノが………


 ………気に入った人間と《契約》します……

 私とますたーは、お互いに気に入って…………

 《感合》した部類に入りますね」


 「そうですか…じゃ……基本的に…飛竜達は…

 飛竜騎士達を嫌っていないんですね…………」


 「はい…私達、飛竜を好きでたまらないモノ達と

 認識しています」


 ふ~ん……そういうモノなんですか……って………

 そういえば、鳥の営巣地みたいなモノって…………

 飛竜達には、あるんでしょうか?


 「では、飛竜達が集団で住んでいるような場所は

 有りますか?」


 和也の問いに、銀嶺は端的に答える。


 「ありません」


 えっ……えっとぉ~……飛竜達の営巣地……

 コロニーみたいなモノは存在していないんですか……


 和也が、頭をグニグニさせながら、飛竜の生態などを知ろうと、一生懸命に考えて聞く。

 「飛竜って、家族単位で暮らすんですか?」


 銀嶺は、和也の問いに嘘など言う気も隠す気もないので、あっさりと答える。


 「子供が成人するまでは、家族で生活します」


 「成人してから、それぞれ分かれて暮らします…

 が…シーズンになると…幾つかある繁殖用の場所に


 集まります……ますたーからみれば、これが………

 営巣地に近いと思います…………


 そこで、伴侶というか……番いを求めます……」


 「へぇ~シーズンですかぁ~……それって…

 年に一度なんですか?」


 「いいえ……《合の月(ごうのつき=2つ以上の

 月が天に昇るとき)》の度に…集まります………


 ……ですから、年に何度もあれば……

 その年には、無かったりします……」


 聞いたことの無い言葉に、和也は再びウニウニする。


 えっとぉ……《合の月》ってなんですか?

 なんか…やっぱり…RPG設定が…………

 聞いたことの無い言葉に、和也は再びウニウニする。








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