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108/165

108★色の持つ意味は……色々ですね



 チカ達は、オジジとオババに色々と手伝ってもらい、姉弟の衣装を作り上げ、作ってもらった剣を持って和也の前に現れた。


 チエが、にこにこ笑って和也に、作った衣装や剣などを差し出した。

 それを受け取った和也は、チエ達にお礼を言う。

 

 「ありがとう」


 和也の前でチカ達は、嬉しそうにくるくると回ってから言う。


 「嬉しい…ますたー…もっと…もっと

 お仕事ちょうだい」


 その言葉に、和也はちょっと考えてから答える。


 「この衣装とかを、2人にも見やすいように

 どこかに置きたいんだけど?」


 すると、チホは、和也の前に、大きく長さのあるテーブルを出した。

 そのテーブルの上に、和也は、衣装とマント、ブーツや手袋、剣帯や剣などをざっと並べて置いた。


 それを見た和也は、自分の衣装と比べて地味に見える二人の衣装に、ちょっといやかなり切なくなった。


 ボクの衣装は、真っ白に金だったのに…………

 2人の衣装は、黒と金なんて…………

 なんか……地味で……うらやましいです


 でも、銀嶺に乗せると考えると…………

 ものすごぉーく目立ちますね


 チカ達の作る衣装って…………

 もしかしなくても、派手なモノだけなんでしょうか?


 そう言えば、以前、青木くんと浅黄くんが言ってたっけ


 『なぁ…白と黒ってさぁ……どっちが………

 派手っていうか…目立つんだ?』


 『ん…洋服で白と黒を比べると………

 黒の方が派手なんだ』


 『でもよぉ~花嫁衣裳って白だから

 白のが派手なんだろ?』


 『違うって…黒の方が…派手なんだ…

 だって…街中で白のTシャツよりも

 黒のTシャツの方が目立つだろ』


 『ああ…たしかにな…白のTシャツと

 黒のTシャツで比べるなら…黒だよな…』


 『それに、黒を着ると、顔も体も

 引き締まって見えるって、効果もある』


 『白にも…そんな…良い効果って…

 あるのか?』


 『良い効果とは言い切れないけど…

 まぁ…あるよ………』


 『どんな?』


 『白って膨脹色なんだよねぇ~』


 『膨脹色ぉ~?』


 『太ってみえるんだ』


 『マジで?』


 『うん……だから…白と黒の衣装で

 …撮るスチールは、ちょっとね』


 『ふーん…白って…清潔とか…綺麗って

 …イメージなのになぁ~………』


 『それもあるけど…………』


 『なんか、歯切れが悪いな』


 『白って、とても汚れが目立つけど……

 黒って…汚れが目立たないってのも有る…』


 『そうだよなぁ~……う~ん…今年の夏は……

 白Tシャツやめて…黒Tシャツにすっかな?』


 『青ちゃんが、黒Tシャツだけにしたら

 怖そうとか悪そうって言われるよ』


 『んだってぇー…………』


 なんて、会話していましたよねぇ~……はぁ~……

 でも、浅黄くんは、花嫁衣裳の貴方色に染めてって

 言葉は言いませんでしたねぇ…………


 それと、未亡人にとって、黒は何者にも染まりません

 ……貴方だけを愛してます…って意味もあるって………

 ボクには言ってたのに…………


 まっ…青木くんには…そのへんのデリカシーは無いって

 判断してたんでしょう


 あぁ~あ………こんなコトを思い出したら

 早くラ・ロシェールに行って、みんなに会いたい

 って思いましたよ……本気で……


 いっそ、銀嶺に乗ってそのまま…………


 いやいや、頼まれたキャラバンの行方不明者を

 探す必要もありますし…………

 今日は、飛竜騎士の秘密だけで充分ですね


 でも、あの派手? な衣装とサークレットを

 また身にまとうのは…………

 ふぁいとぉー……ボク…ですね…


 苦悩している和也にお構いなしなチエ達は、クリーニングした衣装と手入れをした剣とサークレットなども、そのテーブルに並べていたのだった。


 自分達に与えられて衣装と和也に出された衣装を見て、エリカ達は溢れる涙を堪えるだけでいっぱいいっぱいだった。


 飛竜騎士を要する国には、必ず、ラ・アルカディアンの皇帝や皇位継承権を持つ皇子、貴族などの飛竜騎士の絵姿(精霊が描いたといわれる肖像画のレプリカ)が、飛竜騎士の騎士舎に掲げられていたから…………。


 身内に、飛竜騎士を持つ者達は、騎士舎に顔を出して、その煌びやかな絵を1度は目にしていたので…………。


 エリカ達も、今は亡き曽祖父エドワードに連れられて、騎士舎に出入りしていたので、その絵を見たコトがあった。


 だから、衣装の色とマントの表裏の色でその身分階級が、ざっくりとわかるコトを知っていたりするのだ。










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