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101★やっとオアシス



 銀嶺を身の内に仕舞った和也は、ふんわりと音も立てずにオアシスに降り立った。

 改めて、和也があたりを見回すと天幕などがそのまま残っている。

 そして、和也は、これから、なにをするかの優先順位を考えた。


 まず、シャワーを浴びたいですね

 初めて、銀嶺に乗って空を飛んだ興奮を

 冷ますには、心身ともにリラックスできるお風呂です


 それに、この恥かしい服をさっさと脱ぎたいです

 脱いだら………チカに仕舞ってもらいましょうか?


 でも、剣は残したいなぁー……ちょっと?

 いや、かなり装飾過多だけど気に入ったし

 軽くて手に馴染む剣は、貴重品ですからね


 そう考えてから、改めて剣をまじまじと見て、溜め息を吐く。

 みるからに、高価そうな宝石の煌めきに首を振る。


 いやいや、どこの王侯貴族が持つの?

 という豪華な宝石付きの剣は、盗難や争いのもとですね


 今は諦めて、全部チカに仕舞ってもらいますか?


 さて、の姉弟は………《結界》の中で無事でしょうか?

 色々と気になります


 色々と考えていた和也だったが…………。

 口にしたのは………自分の着ている衣装のことだった。


 「チカ、悪いけど僕の着替えだしてくれる?」


 「ますたー……その衣装は?」


 「洗って、仕舞っておいてくれる?」


 「はい、ますたー」


 「とりあえず、ボクはお風呂に入りたいんだ…」


 「ますたー……お風呂……いつでも…入れるの………」

 

 「ありがとう」


 「チホ……着替え用意するね……」


 「お風呂から、上がったら、あの姉弟と話したいんだ

 ……ついでに…なにか…飲んで軽く食べたい…出来る?」


 気分的には、精霊達を使役する技量が上がった

 ですかね………


 でも、マジで、なんか使えるようになった気がする

 最初の《契約》の時の惨状を考えれば…………


 そんなことを、和也が考えているとは露知らず、精霊達は一生懸命に役に立ちたいと動きまわっていた。


 「はい…ますたー……飲み物と…果物とか用意するねぇ…」


 「ありがとう…チホ……あの姉弟の分も頼んだよ…」


 「はい…ますたー……用意するの……」


 頼みたいコトは言ったので、和也は、疲れを癒す為に、お風呂に…………。

 その間に、チカ達地の精霊は、和也やが好んで食べていた料理を再現していた。


 そして、あの姉弟の入った《結界》を、和也のもとに運んだ。

 和也が、誰か(人間を恋しがった)と食事をしたいと、独り言を言っていたので…………。

     

 和也を主と《契約》した精霊達は、和也の望みをひたすら叶えるために頑張るコトが楽しいのだ。

 閑話休題。


 お風呂のお陰で、かなり復活した和也は、奴隷として売られていた姉弟を護っていた守護《結界》?を精霊達に解除してもらった。

 それは、和也が、姉弟達に色々と質問したかったから…………。


 この世界について、色々と知りたいコトがあります

 RPGゲームの定番、情報は出会った人間に聞けです


 銀嶺に乗って上空から見て思ったのは…………

 緑がすくない……森林地帯が…少な過ぎるんです…


 砂漠と草原地帯が多いような気がします

 草原が砂漠になったら、幾つかの都市は…………


 食料が無くなって、飢えで滅びるか?

 食料を奪い合って、終いには戦争によって滅びるか?


 この場所で生きることを諦めて、移住する?

 移住するってコトは、都市を捨てるコト…………


 でも、それは、都市の終焉を意味するんですよねぇ

 そうなると、ほんとぉーに、黄昏の世界ですね


 でも、こんなに暗い世界で、人はなにを希望に生きるんでしょう?

 この辺をどう思っているか、あの二人に聞きたいですね


 ぅん? ああ……起きたようですね……

 では、ボクから自己紹介しますか?


 和也は、目を覚ました2人に、静かに微笑みながら言う。


 「目が覚めましたか?」


 「はっ……はい……」


 和也の声に、起き立て2人は、焦ってしまい返事をするだけ…………。

 そんなちょっと残念な2人に、和也は苦笑する。


 「ボクは、このオアシスの主? の黒沢和也

 ……和也って、呼んでね……えーとぉ…………

 ここにあるモノを一緒に食べませんか?

 ……イイですか?」


 奴隷に落とされていた2人は、和也の発言に驚き目を白黒させる。

 が、2人は、ある程度…和也の性格を把握し始めていたので…………。


 お互いに顔を見合わせてから、ひとりづつ答える。

 俯き加減にしていた顔を上げて、姉が答える。

 

 「私は、エリカ・ミーナ・ヴォン・ワーグリンです」


 「僕は、エリオット・ロイド・ヴォン・ワーグリンです」


 「もしかして、貴族なのかな?」


 「いいえ、今は平民です……ワーグリン家は…廃嫡されました…」


 「…姉上………」


 唐突な話しに、和也はちょっと首を傾げる。


 なんか、とぉーっても重い話しになりそうですね

 でも、ここは、詳しく聞いておいた方が良さそうですね









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