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出会い

ケイジのファイル


このファイルに記されている事は完全にノンフィクションであり、

実際の団体やら人物やらとはかなーり関りがある。

これは、俺とある少年との出会いによる記録だ。 まぁ、読みたいと思うなら

読めばいい。 だが、なるべく他言無用であることを願いたい。



ピーポーピーポー、、、

サイレンの音がけたたましい程に響く。

特に仕事を頼まれる訳でもなく、かと言って、そんなに忙しくなかった俺は、

現場近くの公園のベンチで、コーヒーをすすっていた。


「はぁ〜、ったく連続殺人事件なんて、世の中物騒になったもんだよなぁ。

 まぁ、事件がないと飯が食えなくなるのは俺たちなんだけど・・・。

 うるせぇなぁ、サイレンと幽霊の音が混じって頭痛てぇ」


俺は物知圭二ものしりけいじ。ケイジだ。 いや、名前を連続して言ったわけじゃない。

けっして、物知りなわけでもないし、ニコラス・ケイジでもない。


そして、その俺が特技とする物、それは「幽霊」が見える。

物心ついた頃からは、もう見えていた。 だから怖くはない。

その時の俺は、まさかこの能力が役に立つとは思ってもみなかった。


「こら、ニコラス君。仕事さぼってちゃ給料減らすぞ〜。

 ただでも皆忙しいって言うのに、コーヒーなんてのん気に飲むんじゃない!」


「だって俺には何もやる事がないっすからねぇ。

 ・・・・香山先輩、ニコラスって呼ばないで下さい」


この人は香山瑞希先輩。俺の上司だ。 とても気が利くし、頭も良いし、

その上超絶の美人だ。 あぁ、今日も見目麗しい。


「仕事はあるよ。  今すぐに、事件に巻き込まれたと思われる

 16歳の高校生の襲われた現場を見に行ってくれない?」


こうして俺は、先輩に促されるままに、車を動かした。

現場はマンションから10分くらいの所にあった。 おそらく通学路だろう。

そこにも、たくさんの野次馬と警察がたかっていた。


「こんなとこに来て、一体何をしていいのやら・・・・

 事情聴取も面倒くさいし、推測できるほどの頭を持ってるわけでもないしなぁ

 ・・・・・あれ、どっかで見たことのある顔だ」


と言っても、幽霊だ。 何故かしょぼしょぼと歩いている。


「君、どうかしたの? 何か未練が残ってるのか?」

 そう呼びかけると、少年はびっくりしたようにこっちを振り向いた。


「・・・・・おっさん、俺が見えるのか!!??」


「お、おっさん・・・・・・」


 それが少年、有沢啓人との出会いだった。




ケイトの日記


これは俺様が高校生になってちょっとしたくらいに起こった、ある事件の話しだ。

言っとくけど、高校生の書く日記なんて、「中学生日記」くらいの程度しか

思ってなかろう。 だけどこれは違う、本物の事件だ。 実際にこんな事件が、

周りに起こっている事をよく知って欲しいから俺は書いている。

・・・・・コホン、そんなに堅苦しくしなくていいから、俺様の日記を読め。


その日の俺様はいつもと変わらない日常を送っていた。

一つ、変わった所と言えば、親父が珍しくニュースを見ていた事、それだけだ。


「連続殺人事件なんて物騒だなぁ。おい、啓人、せいぜい殺されないように

 ちゃーんと家に帰って来いよ!!!!」


「ったく、ありえねー事言うんじゃねぇよ。 ・・・・行って来るからな。」


「いってらっしゃい^^」母さんが笑顔で見送った。


俺の名前は有沢啓人ありさわけいと。冒頭で触れたが、高校一年生だ。

成績はそこそこ、顔は美形、運動神経抜群、まぁ、自信家のせいで

性格は悪いと称されているが、それも愛嬌の内として友達も居る。


普通に授業をして、普通に仲間で騒いでいた、ごく平凡の毎日。

だが、そんな普通の帰り道に、突然悲劇は訪れた。


              俺様、有沢啓人は殺されたのだ。


ありえないくらいの速さでありえないくらいの痛みが俺を貫いた。

何、誰にやられただと?  朝、ニュースでやっていた、連続殺人犯にだ。

やたらと硬い何かで殴られた。 髪を触ると手にはベットリと血が付いていて、眩暈がする。

そんな霞みゆく意識の中、俺は殴った張本人の顔を見ようと必死に目を開けた。


「・・・・・・・お、男・・・・・・?・・・・・」 そのまま、かくん、とうなだれた。




ピーポーピーポー


薄い意識の中、サイレンのような音で起こされた。起き上がると信じられないくらいに体が軽い。 

何故だろう。  そして、また疑問が一つ。 なんと人だかりが、俺様を囲んでいるのだ。

その中には警察官も数人居て、野次馬達を取り押さえている。


ありえない、倒れているのにしてみれば、ありえなすぎる。そして、数秒してからその謎は解けた。 

               「俺は既に「死んでいる」のだった。


立ち上がった俺の足元には、頭を殴られ、血を流して倒れている「俺の死体」が転がっていた。

そして今、立っている自分自身の手を見つめてみた。


「はは、はははは・・・・なんかコレ、透き通ってねぇか?・・・」  


俗に言うアレだアレ。 なんだっけな。「ゆ」から始まる言葉だよ。って、まさかのまさか、

              

            「これって、、、幽体離脱ぅぅーーー!!!???」


その後、俺様なりに元の体に戻ろうとするが、水を片手で掴むかのように、何も変化はなかった。

おまけに、自分の体は意識不明の重態として救急車に運ばれ、持っていかれる始末。

父さんや母さんも、心配してるだろう。まさか本当に死ぬとは思ってもみなかったのだ。

あんなに忠告してくれたのに・・・・(冗談ぽかったが)。


「もぅ、何していいのか分かんねぇー・・・・」うつむいた瞬間だった。


「あれ。君、ここで殺された少年?」 人の良さそうな男が俺に話し掛けてきた。


「おっさん、お、俺が見えるのか!?」


「お、おっさんって・・・・酷いなぁ・・・・・」 


それが、刑事のケイジさんとの出会いだった。




ケイジのファイル


どうやら殺された少年は、幽体離脱をしているようで、

ここで話しかけたら、俺が一人でぶつぶつ言っている、頭のおかしな奴だと思われる可能性が高いので、俺は少年に「ちょっと場所を変えようか」と、呟いた。


「で、もう一回だけ聞くけどさ・・・」


俺が少年を連れて行った場所は、現在俺が住んでいるぼろっちいアパートだった。

・・・ここなら誰にも話しを聞かれやしまい。


「なんで啓人君は何にも覚えてないの!! 仮にも自分が殺されたんだよ?

 覚えてないわけないじゃないか!!!」


なんと、事情聴取をするにも、少年は何も覚えてないと言うのだ。

これでは場所を変えた意味が無いじゃないか。


少年の名前は有沢啓人。高校生。学校の帰宅途中に犯人に襲われたらしい。


「だってよ、圭二さん。記憶が吹っ飛ぶくらい殴られたんだぜ? 

 こう、俺様の綺麗な顔をガツンと・・・」


・・・どうやらナルシストみたいだ。


「あぁ、思い出した!!! 


「な、何を!?!?」


「男だった」


けいと君がそう言った瞬間、俺はがくんとうなだれた。


「男ぐらいいくらでもいるだろ・・・」


「大体さ、何でけいじさんはそんなに真剣なんだよー」


不機嫌そうに質問するけいと君に、俺は真剣に言った。


「そりゃ、連続殺人事件だぞ。これを俺一人で解決したら、大手柄じゃないか」


「何でけいじさんの私利私欲の為に、俺様が悩まなくちゃいけねぇんだよ」

 

理不尽じゃないかーと、ブーイングをするけいと君に、俺は言った。


「じゃぁさ、俺はお前が本当の体に戻れるまで、ずっと協力する」


「ふーん、で?」


「その代わり、啓人君は、俺が事件解決に至るまで、隅々まで協力するってわけだ」

 

けいと君は、しばらく悩むそぶりを見せると、真剣に俺の方を向いた。


「分かった。それで行こう。どうせこのままじゃ、体に戻れないのがおちだからな。

 はは、俺様の推理力をなめんじゃねーよ!」


こうして俺、物知圭二は、有沢啓人と共同戦線を張る事になったのである。


初めての投稿となります。

題名の通り、一人称が「俺様」である、啓人が殺された

ので「オレ様、殺人事件。」ってわけです。

感想よろしくお願いします^^。

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