序章 慎司のステータス
「バハムートって、本当かよ⁉︎」
『ええ、本当ですよ〜。その刀は、遥か昔に一人の賢者と呼ばれていた青年がいたんですが、その方が、バハムートが気に食わないっていう理由だけで封印しちゃってできた物なんですよ〜。だから、まずバハムートが気にいらないと思った人には、触れさせもしませんですよ〜。』
「へえ、そんな由来がある刀なんだな。」
そう言うと、慎司はジッと鞘から抜いたバハムートの刀身を眺めていた。
「それにしても、この刀は血の色みたいな刀身なのに、全くと言っていいほど恐怖を感じさせないな。」
『そうなんですか〜。
それでは、他にも、オークグランデでも生き残れるようにステータスの調整をしましょう〜。』
「調整するってどうやってだ?」
『こうやってですよ〜。』
そう言ってアルサエルは、ある1枚の金属でできた板を取り出してきた。
「これは?」
『これはですね〜、ステータスカードと言いまして、幾つかの特殊な金属の合金の板に魔法を施したものなんですよ〜。でも、このカードは、まだ未完成で後は、あなたの血を1滴垂らして完成なんですよ〜。後の情報は、あなたのレベルが上がる毎に自動で更新されるんですよ〜。』
「?、レベルってどういうことだ?」
『あれ〜、説明してませんでしたっけ〜。
ううっ、そんな怖い顔で睨まないでくださいよ〜。今説明しますから〜。』
そう言うとアルサエルは、姿勢を正しながら、説明を始めた。
『レベルとはですね〜、その人個人個人が、それまでの生活で行ってきた経験の数々を数値化して、目に見える形にしたものなんですよ〜。しかも、レベルが上がれば、全体のステータスも上がり、より、強くなれるんですよ〜。』
その説明を聞き、慎司は、納得できたが、直ぐに新たな疑問が生まれた。
「なあ、アルサエル『アルでいいですよ〜。』アル、さっきお前は、ステータスを調整すると言ったが、どういうことだ?」
『え〜とですね〜、今までも何人かの人をかつては勇者として呼んだこともあったんですが、あまりにも弱くてオークグランデでは、お話にならないということで、勇者達には、それぞれの魂の質に応じたポイントを与えていて、そのポイントによって、スキルを得たり、基本ステータスを上げたりするんです〜。なので、早速、ステータスカードに血を1滴垂らして、ステータスオープンと言ってください〜。』
そう言われた慎司は、バハムートで少しだけ指を切り、ステータスカードに血を垂らした。そうしたら、ステータスカードの色が変化し、形容しがたい色から、純白に変わっていた。そして、
「ステータスオープン」
『どれどれ〜、あなたのステータスは〜…………ええええ〜〜〜〜〜〜〜、どういうことですか〜、あり得ないほど高いんですけど』
最後の語尾を伸ばすのを忘れてしまうほどアルサエルは、慎司のステータスを見て驚いてしまった。何故ならそのステータスは、
『私たち神々に迫るようなステータスって、どういうことですか〜〜⁉︎』
名前…草陰慎司(17)
レベル…1
ステータスポイント…2000000
種族…人間 男
職業…勇者
称号…草陰流免許皆伝せしもの、竜王の契約者、神童、神々に迫りし者、人を超えし者、異世界人
HP…24000000000000/24000000000000
MP…10000000000000/10000000000000
STR…9864300000
DEF…9645310000
VIT…823560000
INT…674316700
DEX…5685317500
AGI…79986573260
LUCK…B
スキル…草陰流、自然治癒、異常体制、家事スキル、装竜武装