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北の魔王が世界を救うことになった日  作者: 春我北音
終わりと始まり
4/7

宴と影


混乱しながらも村人に連れられてやって来たのは、見覚えのある・・・というか、先程までいた長老の家だった。

振り出しに戻った。と思ったが、そこには探しても見つからなかった長老が、一人静かにお茶を飲み本を読みながら、ロッキングチェアに身を揺らしていた。


「長老!あんたの言ってた通りだったよ。この方は本当に勇者様だったんだな!」


余程本に夢中になっていたのか、それともロッキングチェアの心地よい揺れに意識が飛びかけていたのか。分からないが、長老はビクリと身体を跳ねさせた後に、ギョッとこちらに顔を向けた。

そして、私と目が合った瞬間、物凄い勢いで駆け寄って来る。

これには村人も驚いたようで、私から手を離すと、何歩か距離をとった。




「ゆううううしゃさまああああああ!!!!」


「うわああああ!!!!!」


その凄まじい形相と突進に恐怖を感じ、堪らず悲鳴を上げた私は、華麗に長老を避けた。


ベコッと、なにやら鈍い音を後方に聞きながら、こちらを見て固まっている村人へと視線を移す。


「まぁ・・・不慮の事故ってやつさ。」


「はい・・・。」




暫くしてようやく落ち着いた長老は、村人と私を椅子に座らせ、自分もその向かいの椅子に腰を下ろした。そして、私達は先程の出来事を掻い摘んで説明した。これでやっとまともな話が出来そうである。


「いやはや、地下倉庫から上がってみれば何処を探しても勇者様の姿が見えませんでな。この老いぼれ心配いたしましたぞ・・・。」


先程まで優雅に読書をしながらティータイムと洒落込んでいた人間が、一体全体何を心配していたのかははなはだ疑問ではあるが、面倒くさいので適当に流す。長老はそんなのお構いなしに、ポットからお茶を注いでいた。


「しかし、まさか勇者様がワシの知らぬところでそのような活躍をされていたとは・・・悔しいことこの上ないですな。」


「悔しいってあんた・・・そんなことより長老。このお方は本当に勇者様なんだな。あのスペシャル勇者ジャンプ・・・常人が繰り出せるものじゃない。」


「スペシャル勇者ジャンプ・・・?」


いつの間にかあのジャンプに絶望的なセンスの呼び方がついていたことに、私は驚いて村人を見た。しかし、そんな私を余所に、村人は話を続ける。


「あんたの言う伝承とやらを全部信じたわけじゃないが、この方が勇者様だってのは疑いの余地もない。他の皆とも話し合って、少しは長老の話にも耳を傾けようってことになったんだ。それで、代表で俺が来た訳なんだが・・・。」


並外れたジャンプ力を見ただけで、どうして私が勇者ということに疑いの余地がなくなるのか。というか、あの騒ぎの中どこでそんな話し合いが行われていたのか。

全ては最早私の常識を遥か彼方に飛び越えた所にあり、いい加減考えるのも疲れてきた私は、お茶を啜りながら、二人の会話を傍聴することに決めた。


「うむ。なれば、ワシが常々語り聞かせておるあの伝承を思い起こせば、この村と勇者様がどのような関係を持っているのか分かるじゃろうて。」


「それが困ったことに、村の誰一人としてあんたの話をまともに聞いてた奴が居ないから、その伝承とやらを改めて聞きに来たんだよ。」


「なるほど。」


「・・・・・。」



長老が気にしていないようなので、話は意外とスムーズに進んでいった。

まあ、私も長老の話はほぼ全部忘れていたので、一応耳を傾ける。



「その前に、主らに話しておかねばならんことがある。ワシはな、実は元々勇者だったのじゃよ」


「ふぅん。」


「へぇ・・・。」


「と、まあこれは伝承とはそんなに関係ないのじゃが・・・。」


このジジイ、絶対この場を楽しんでいる。村人代表も同じことを思ったに違いない。そのこめかみには、うっすらと血管が浮き出ていた。



軽くぶち切れ寸前といった様子の村人に、私は全面的味方である。二人の殺意にも似た感情を感じ取ったのか、長老は咳払いを一つすると、なにやらそれっぽく語り始めた。


「これはの、古より我が村に伝わる伝説なのじゃ。世界に災い降りし時、勇者は共に天より舞い降りぬ。その者、始まりの地より与えられし加護に導かれ、一縷の光となりて闇を切り裂かん。・・・この意味が分かるか?」


「やたら壮大な話ではありそうだが・・・。」


「チンプンカンプン。」


小首を傾げる私達に、長老は神妙な面持ちで言った。


「はっきり言おう。ワシにもよく分からん。だが、始まりの地って言うのが此処だったら何かカッコいい気がするのじゃよ・・・。」


その後。

長老を玄関先に吊るし上げた私達は、恐らくこの老人が知っているであろう全てを聞き出したあと、何も言わずに解散した。

村人代表には仕事があったし、私は心中穏やかではなかったから、これ以上誰かと話す気力が湧かなかったのだ。


あれから、チョイチョイ中二病トークを挟む長老を締め上げて、私についての話も聞いた。

しかし、長老はアスターを連れて出掛けた散歩の最中、たまたま怪我をして倒れている私を見つけただけで、私がどうしてそこに居たのかは知らないという。


考えてみれば、当然のことだ。彼らは、気絶している怪我人を介抱しただけに過ぎない。その怪我人が辿ってきた道なんて、知らなくて当たり前だった。


そして、これが驚くべきことなのかは分からないが、彼らは(村人代表も含めて)日本という国の存在も知らなかった。

全国において日本の知名度というのはかなり高いものであると勝手に思い込んでいたが、それが自惚れならば確かに、こんな秘境の村で小さな島国のことを知っている人が居なくても不思議ではないのかな。なんて自己完結をしたわけだが・・・。


他にも、分からないことは沢山ある。しかし、今は何も考えたくない。

なんとなく部屋に戻ることもできずに、私は一人、先程ボールを取った巨木の枝に腰を下ろして、広大な景色をボンヤリと視界に映していた。


初めは地上で木の幹に寄りかかっていたのだが、村人達(主に子供達)が忙しなく話しかけてくるので、木をよじ登りむ終えず此処に落ち着いたのだ。ちなみに、スペシャル勇者ジャンプは使っていない。あの非現実的なジャンプをもう一度体験すれば、それこそ頭がおかしくなってしまう気がして怖かった。それに、昔から木登りは得意なのだ。


「はぁ・・・。」


溜息をついてみても、何も変わりはしない。分かった上ではあったが、そうせずにはいられなかった。

虚ろなままで、目の前の世界を眺める。


それにしても、やはり此処は緑豊かな場所だ。少なくとも、この木の上から見渡せる限りは、この村以外人工的なものは見当たらない。

見渡す限り広がる草原なんて、小説なんかではありきたりな一文に過ぎない。けれど、実際に目の前にすると、それは産まれてこの方見たことのない景色であり、胸の奥をざわつかせるような、静寂に包んでいくような、新しくも懐かしい感覚をもたらしてくる。


この景色をもっと晴れ渡った気分で見られたなら、絶世の景色だと賛辞の一つでも出てきたかも知れない。しかし、今の私にそんな余裕はなかった。


此処は何処かと尋ねれば、オリービアンの村だと返ってくる。誰も、私の元居た場所・・・国すら知らない。勿論、この近くで飛行機や船が出ている場所はあるかも聞いたが、船は此処から徒歩で一週間は掛かる場所にあり、飛行機に至っては、「それなに?」といった具合で、てんで話しにならなかった。



「勇者様ぁーっ!!早く降りてきてよぅ!!


そして、これである。見下ろすと、木の幹に群がるようにして『スペシャル勇者ジャンプ』の教えを請う子供達で溢れていた。


「あれは・・・カラスが鳴いたらお家に帰る良い子にしか使えないの!だから、今日はもう皆帰りなさい!」


「えーーーっ!!」


それを聞いた子供達は暫くゴニョゴニョ相談していたが、やがて諦めたように解散していった。

最後に、「じゃあ、明日は絶対教えてね!」などと叫んでいたが、私が何か言う前に皆走り出してしまったので、断ることも出来なかった。

やっと静かになった・・・。ほうと安堵したのも束の間。微かに残っている人の気配に、一度は正面に戻した視線を、再び下へと向ける。




「病み上がりなのに、なんだか忙しいことになっちゃいましたね。」


誰も居なくなった筈の場所で、話しかけてきた声。そこには、最早よく知った青年がこちらを見上げて微笑んでいた。


「アスター。」


名前を呼ぶと、青年は嬉しそうに笑った。と言っても元々微笑みを浮かべていたので、笑みを深めた。と言った方が正しいかも知れない。


「宴の準備が整いましたので、お迎えに参りました。」


「宴?」









アスターに導かれて辿り着いたのは、村の広場。

よく分からないが、煌びやかな装飾があちこちに施されている。村人達も民族衣装のようなものを着ているし、いかにも宴が始まるといった雰囲気だった。


「何かおめでたいことでもあったの?」


首を傾げる私に、アスターはちょっと悪戯っぽく笑って


「勇者様。この宴の主役は貴女なんですよ。」


「へ?」


思わずマヌケな声が出てしまった。そして、次の瞬間。それが合図でもあったかのように、一斉に湧き上がる拍手。

困惑する私を置いてきぼりに、人々は嬉しそうで、楽しそうだった。


「・・・もしかして、勇者の為の宴?」


「その通り!」


恐る恐る投げた質問に答えたのは、アスターではなかった。

訝しげに見やったそこに、誇らしく答えた人物はこれまた堂々とした立ち振る舞いで広場のど真ん中に仁王立ち。つまり長老なわけだが、彼は高らかに声を張り上げ、私・・・というより、この場にいる全員に向かってもう一度告げた。


「その通り!!」


最早意味が分からない。しかし、そんな心中の突っ込みなど当然届く筈もないので、仕方なく黙っていることにした。


「今宵は、我らがオリービアンの村に勇者様が光臨なされたことを祝し、村を挙げての宴を開く!皆の者、心ゆくまで楽しみ、そして勇者様に最大級のもてなしと祝福を!」


「「「「「おおおーーーーーっ!!」」」」」


大歓声の響く中、ポカンとその場に立ち尽くす私を、綺麗な格好をしたお姉さん達が席まで連れて行く。

大人しく腰を下ろすと、目の前には沢山のフルーツと様々な料理がテーブルいっぱいに置かれていて、なんだか急に不安になった。


(そもそも、私勇者じゃないし・・・。)


けれど、そんな私の心中などお構いなしに、広場はどんどん賑やかいなっていく。


大きな篝火を中心に、繰り広げられる様々なパフォーマンス。

村人Aの腹踊りから始まり、子供達の合唱に、見たこともない楽器の演奏。そして、アスターの不思議過ぎるマジック。これは、まさに神秘と呼べるくらい綺麗だった。



「フレア・バタフライ。ダイヤモンド・スノウ。」



一体どこから、どんな仕掛けで出てきたのか分からないが、アスターの声と共に現れたのは、広場一面に広がる炎の蝶。そして、キラキラと淡い光を放つ無数の雪の結晶だった。

結晶が蝶の羽に当たるたび、微かな輝きを放ってそのどちらもが消えていく。


キラキラ、キラキラ。


(綺麗・・・。)


「よっ、アスター!お前は最高だ!」


どこからともなく声が上がって、それに続くように歓声が上がる。

アスターはちょっと照れくさそうに頭を掻いてから、恭しくお辞儀をした。


そんな出し物が続いて心奪われている内に、料理を勧められたり踊りに誘われたりして、私はすっかり楽しんでしまっていた。気がつけば民族衣装に着替えて、オリービアン伝統の舞とやらを教えて貰っている始末である。


「そうそう!はいっ、そこでターン!」


「こ、こう?」


「さすが勇者様!お上手ですわー!」


こんな悠長なことを言っていていいのかとも思うが、ちょっぴり気恥ずかしくなりながらも、私の心は幸せに満ち溢れていた。

踊りを褒められたこともそうだけど、何よりこんなに賑やかで楽しい時間は凄く久し振りだったから。

皆も笑顔だ。娘達は華麗に舞い、男達は酒や料理を囲みながらドンチャン騒いでいる。


賑やかに、緩やかに、けれどもあっという間に時が過ぎていくのを感じながら、温かい気持ちに包まれていくのを感じていた。


(あれ?そういえば、長老とアスターの姿が見えない・・・。)


ふと気がつきキョロキョロと辺りを見回すと、私の席から少し離れたところで、アスターと長老が何か話していた。

長老の朗らかな笑みとは裏腹に、アスターの笑顔は引きつっているように見える。


二人の間に流れる空気に少し違和感を感じながらその様子を見守っていると、やがてアスターは広場から出て行ってしまった。


(ちょちょちょ、ちょっと!!)


無意識の内に手を伸ばした私を、不思議そうな顔で見詰める美女。その視線に、踏み出そうとした足は引き止められる。

せっかく私の為に用意してくれた宴を抜け出していいものだろうか?


(でも・・・。)


やっぱり気になる!


「すいません!私、ちょっとトイレ!」


「え?あ、は、はい!」


美女がそう答えた時には、私は走り出していた。

別に、何か大変なことが起こったわけでもないのに、こんなに慌てている自分が少しおかしかった。



(それに、私アスターのことよく知らないのになぁ・・・。)


走りながら、そんなことをぼんやり思った。



広場を出て、あちこち探し回った。しかし、この短時間でどこまで行ったというのか、アスターの姿は中々見つからない。

一体何処へ行ったのだろう。

もしかしたら広場に戻ったのだろうか?よくよく考えてみれば、長老とアスターの会話は聞いていないし、ただ単に何か言いつけられて一時広場を出て行っただけに過ぎないかも知れない。その言いつけが面倒くさい内容なら、笑顔が引き攣ったって不思議はないだろう。


(・・・というか、何故そんなことにすら気づかなかったのかっていうね。)


取りあえず、一度戻ってみよう。

そう思い、踵を返した時だった。


「勇者様?」


知った声に呼ばれて、振り向いた。

勿論、それがアスターのものではないことは分かっている。


「長老。」


そこには、民族衣装に着替えた長老が此方を窺うように立っていた。


「おお、やはり勇者様でしたか!気がつきましたら宴の席に姿が見えませんのでな、もしやとは思いましたが、まさか主役がこのような場所に居られるとは。」


はっはっはっ!と、豪快な笑い声と共に、長老は私の隣まで来ると、ポンポンと肩を叩いて笑った。


「差し詰め、先程ワシ等が話しているところをご覧になって、アスターを追って来られた・・・といったところでは御座いませんかな?」


何故にそこまで分かる。あまりの図星っぷりに呆然としていると、長老は明後日の方向を見ながら呟く様に言った。



「ワシには分かるのです。」



またいつもの中二トークかと思ったのだが、それにしては伝わる空気が重い。それに、長老は何かを考え込むようにしたまま、中々口を開きそうになかった。

さすがに心配になって覗き込むと、長老は片目だけを開いて私をじっと見詰めた。


そして、悪戯っぽく笑う。この表情は、どこかで見たことある気がした。


「はっはっはっ!と言っても、特別なことは何一つないのですよ。ひっっっじょぉぉぉに!・・・残念ですが。」


何が残念なのか、さっぱり分からない。しかし、かなり悔しいのだなということだけは分かった。

何だか拍子抜けしてしまったが、その『特別ではないこと』が図星を突いた。それは真実である。

アスターのことも聞きたいし、ここは大人しく耳を傾けて置こう。


「勇者様は、此処に来る寸前までの記憶は残っておられるのでしょう?」


「はぁ、まぁ。」


「しかし、似た境遇を持っていると、やはりどこかで感じるものなのでしょうか。ワシが本当に千里眼でも持っていれば分かったのですがねぇ。」


「・・・・・。」


問いかけとも、独り言とも受けられるその言葉はあまりにも唐突で、私は何も言えなかった。

意味が分からないのはいつもだが、今の長老の声には苦悩の色が混じっている気がする。


「あの子は自分を使用人などと呼ぶが、実際はそうではない。あの子は、ワシの大切な家族なのじゃよ。」


「それって、もしかして・・・。」



『此処、長老の家の使用人です。』



「今から十年程前、貴女と同じ様に傷だらけで倒れているあの子を、ワシは自宅へと連れ帰り、介抱しました。当時、この村には魔法を扱える者が居なかった為、回復には随分時間が掛かりましたが、それでも彼はなんとか一命を取りとめました。」


「・・・・・。」


ようやく話せる状態へと落ち着きましたので、ワシは彼の身元や倒れるまでの経緯を聞こうとあれやこれやと質問しましてな。しかし、そのどれにも彼は『分からない』と首を振るばかりで、一つとして答えられんかった。自分の名前すらも。彼には、言語や最低限の知識以外に記憶と呼べるものが何一つとして無かったのです。」


ふと、長老の手が空をなぞる。その指先には、今にも落ちてきそうな星が輝いていた。



「いく宛のない彼を、ワシは自分の家族として…息子として、育てることに決めました。賢く穏やかな性格のあの子は村にもすぐに溶け込み、村の数少ない魔法書から独自に魔法を会得するまでになりましてな。いやはや、初めてアスターが魔法を使った時は驚いたのなんの・・・。」


そこまで言って、長老は「あ!」と口を押さえた。こういうちょっとシリアスな場面で言うのもなんだが、中二的思考回路の持ち主であるこの老人は、きっと最後まで『あの子』が誰なのか、具体的な名前は出さず終わらせたかったに違いない。演出、というやつである。

一気に残念な雰囲気にはなってしまったが、話しはまだ終わっていないらしく、長老は一つ咳払いをすると、何食わぬ顔でまた話し始めた。


「そんな器用なあの子ですが、だからこそワシは心配でした。どんな時でも不自然なほど素直で、どんな言いつけにも笑顔を浮かべて頷く。あの子は、誰にも心を許してはおらんかった・・・。自分を使用人と呼び、ワシが息子と呼ぶことを恐れているようにも感じられた。」




あぁ、成る程。


分からないようで、なんとなく理解できてしまった。


彼は、私とは正反対の人間であるということ。

そして、同じ様な人間であるということ。


「宴の席で、ワシはあの子に息子として隣に居てくれと言いました、その頼みにどう対処してよいのか分からなかったのでしょう。あの子は出て行ってしまいました。」


「・・・。」


「ワシが見る限り、あの子は貴女を非常に気に掛けているようです。それと同じように貴女もあの子を気に掛けて下さっているのであれば、父親のなり損ないではありますが、ワシにはなにより幸せなことなのです。」


最後にそれだけ言うと、長老は静かに去って行った。


残された私は、その言葉の意味がよく分からずに、ただ呆然と立ち尽くす。


暫くしてから本来の目的を思い出したけれど、その時にはもうアスターを探す気も失せてしまっていて、結局私一人で広場に戻ったのだった。


















































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