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強制種族変更で妖精ライフ! ~転生辺境伯家四男ののんびり満喫!小さな美味しい冒険~  作者: 朝森朔


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第9話 友の成長

 リデスのリンゴの木に、赤いつやつやした小さなリンゴの実がなった。


 そしてリデスは進化した。



 人型の羽つき妖精。頭にはリンゴポットの蓋みたいな、てっぺんに小さなリンゴの軸(ヘタっていうんだっけ?)がついている帽子をかぶっている。


 ほっぺは赤くないけれど、鋭い目つきで芯が強そうな、やんちゃで頼れる兄貴分。赤い縁取りの羽がかっこいいリンゴの妖精。



 あの日はリデスの作業の邪魔しちゃったかと思ったけど。なんか予感があった。どこかへ行ってしまったり、遠い存在になってしまうのかなと寂しくなったり、そわそわしちゃってたら進化だった。


 進化はしたけれど、ここから離れたりはしないと。


 リンゴはこれからまだまだ大きくなるし。実がなるのは一つじゃないし。


 そうだよね。あのままどっか行っちゃうのかと不安になっていたぼく、ちょっと恥っずかしー。



 そんなリデスを見てから、さらにやる気が満ちたぼくは探検を続けている。


 ピスタと一緒に今まで行ったことがない場所を気ままに見て回っている。未だに何が進化につながるのかわかってないからね。色々見て探しているところ。


 昼にうろうろしてみたり、夜に散策してみたりと時間をずらしたり。夜活動している普通の動物や獣、魔獣が昼と違っているからね。いつもの景色も全く違うものに見える。



 お気に入りの、見通しのいい丘に登って眺める景色。


 昼間はどこまでも続く木々の緑の海。夜は真っ暗なはずなんだけど、光の柱が空に向かって伸びている場所。


 何があるのか見に行くと、小さな苗木を囲んで羽有り妖精さんたちが何かの儀式っぽいことをしている。最後に二倍くらいの大きさにぽんっと成長して終了。そして妖精さんたちはふわんっと消えてしまった。


 あれは何の木だったのかな。謎。



 時々見かける妖精たちと親しくはしてないけど、直接何か言われたり、攻撃されたりとかなかったから忘れていたぼく。あの面倒な三妖精のこと。


 そういえば、二度と目の前に現れるなとかなんとか言われていたっけ。



 今、素敵な庭を見つけたので見学しているところです。


 森の中に、明らかに誰かに手入れされているであろう庭がここにあります。中心に大きな木がわっさーっとたくさんの葉を茂らせている。


 そのシンボルツリーを中心に花や薬草、果実や木の実を付ける木々など、たくさんの植物が植えられている。


 そんな庭であの三妖精たちと対峙しています。



「俺達の言ったこと忘れたのか!」


 言われるまでちょっと忘れかけていたよ。主に青いやつが、やいやい言っているけど半分聞いてない。他の妖精からは別に何も言われないし。


 たぶんこの妖精たちより長い間妖精やっているよなーという妖精からも、通りすがりに何か言われたりもないし。じっと見られることはあったけどさ。



 気になることあるとそれに夢中になっちゃうんだよね。ぼくはこの庭にある植物をじっくり観察したい。


 人族だった時に読んだこの世界の植物図鑑に載ってない未知の植物がたくさんあるからね。


 ここにある植物についての本とかないかなー。そういえば、妖精になってから本を読んでいないな。妖精用の本とかあるのかな。人族と同じものを読んでいたりとかするのだろうか。


 そんなこと考えていたら、怒られた。前に本読んでいたら邪魔されたことあったな。


「話聞いてるのか!」


「聞いてなかったでしょうね。別のこと考えているなんて失礼ですよ、あなた」


 青と白に叱られた。理不尽。ぼくが話したいわけでもないのに。勝手に突っかかってきてそれはないよ。


「魔族混じりの君がこんなところで何しているの? まさか、ここの植物盗ろうと……そんな怖いことしようとしたの?」


「お前、そうなのか?」


「そんな、盗みをしようとここに?」


 緑と青と白に植物泥棒を疑われた。


「いや、そんなことしてない。さっき来たばかりだし。たまたま森を散策していたらここにたどり着いて」


そんなことしていないし、するつもりもない。理由を話したが、それを聞いても納得いかない様子の青と白と緑はさらに続ける。


「たまたまここまでなんか、まずたどり着けねぇ!」


「それに、ここは外から見えなくなる特別な結界が施されているんですよ」


「入る許可はもらっているの? 許可がなければ結界に入れないはずだよ」


「えっ、許可が必要なの? それは知らなかった。ごめんなさい」


 勝手に入っちゃったのはぼくが悪い。でも入れちゃったよ、ぼく。誰の許可がいるんだろ。あの掲示板に情報あるかな。後で確かめに行かなくちゃ。



 彼らはそれぞれ許可をとり、必要があってここに来たみたい。


 魔物にやられて回復できない植物のための薬に必要な素材を届けるとか、ある場所に捧げるための花とか、研究用に必要な植物がここにしかないとか。


 まじめ……まじめに仕事している。面倒くさい荒くれ者だと思っていたから、きちんと仕事っぽいことしていると思わなかったよ。


 ぼくに意地悪なことしているのしか知らなかったから。


「知らなかったからって許されるわけじゃない」


「俺たちに謝ってもな」


 そこに関してはね、白と青が正論だ。



「許可なら今ここで出そう」


 んぁっ、女性の声。たぶん大人。


 その声の主は目の前にぶわっと風を吹かせて登場。


 うっすい生地をひらひらさせて、まぁまぁ少ない布面積のドレスを、柔らかそうな女性らしい曲線を描く体にまとっている。


 ふわっとしなやかな金の髪をなびかせて。透き通る青い瞳。ぷるんとつやつやな唇が発する声は心地いい。


 すうーっと降りてくると胸がたゆんと揺れる。ドレスの裾が巻き上げられスラッと陶器みたいなすべすべした足が膝のだいぶ上までチラリと見える。


 こんな素敵なおねいさん、とても直視なんてできないよ。

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新しい連載始めました。
熱中症で死んで転移しました。もう暑い日は働きません。かき氷食べて、もふもふに埋もれて生きます。
そんな話です。こちらもぜひよろしくお願いします!
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