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撃つの?

「博士、もしもの話だけど今警察に職質されたらヤバい?」


「そうですね、装備から考えて恐らく刑法208条の2 第1項で規定されている凶器準備集合罪に該当するかと。まぁ初犯でしたら執行猶予を貰える可能性は有りますが質と量がテロリスト並なのであまり期待は出来ないかとw」


「あ、ふーん。」マエノクルマ ミギニヨッテトマリナサーイ




慣れない高速道路でまんまとスピード違反で捕まってしまった。


「ダメだよ〜15キロオーバーね、免許証出して」

「ア、サセン、サセン」

「えらい沢山積んでるね〜、オタクら何屋さん?」

「あ、害虫とか害獣の駆除です」

「あーそう、ちょっと見せてくれる?」


トランクを開けると絶句され顔が引きつってるのが分かる。神妙な顔で何やらトランシーバーで話し混んでいる。



「これがエアーガンなのはわかった。許可証も有るけど違法な改造してるよね?」


「あ、その…はい…」

もうダメかもしれんね。弁護士費用とか高いのかな〜とか考えてしまう。博士も同じ事を考えてるのかずっとパソコンで何か調べている。


「午前八時二分〇〇高速上り線、銃刀法違反、及び凶器準備集合罪の疑いで現行犯逮捕ね」

終わった、完全に詰みだ。逮捕だってさ。


「ちょっと待って下さい!コレをみて下さい!」


そう言って博士が突然パソコンをこちらに向けTV中継を見せてきた。



【緊急速報ニュース】

『先程政府から発表があり現時点をもちまして銃刀法及び凶器準備集合罪の一部が解除されました。日々増加するモンスターパニック、及びロシア、中国に対する防衛措置として閣議決定。ただし一部銃火器、兵器につきましては制限が有りますので政府のURLからご確認下さい』


「だそうです」ニチャア




「いや〜マジで危なかった!ナイスタイミング!今日はツいてるぜ!っしゃあ!勝つる!」


「しかも銃のインパクトが有りすぎて最初のスピード違反の事をまんまと忘れてましたねw」


「あホントだ!ラッキーw」


なんて事が有りながら嵐山周辺に到着、幸先の良いスタートが切れて気持ち良く…ん?


嵐山でも観光地を除くとかなり人は少なく普通の山林エリアだ。夏前でかなり蒸し暑く、蝉はまだ鳴いておらず風も吹かず不気味な程の静寂が辺りを支配している。その中の違和感に目をやると緑一色の竹林の中に白い着物を来た白髪の人が立って此方をジーッと睨み付けていた。



かなりゾッとした。



「は、博士、アレ何かコワイんだけど」

「ん?んん? ちょっと見てみますね」


そう言って博士はライフルのスコープで覗き込み、それを見て俺もスコープで覗き込んだ。


それは老婆で裸足で白い着物はかなり薄汚れている。真っ白なざんばら髪を垂らし歪なほどの猫背で錆びた鎌を手に醜悪な顔つきでヨダレを垂らしていた。


「左前の着物…恐らく死装束ですかね?山姥じゃ無いでしょうか?」


「え!妖怪?いや…もしかしたら人の可能性は?」


「有り得ますね、極度の痴呆症の老人の可能性もあります。案外妖怪の伝説ってそう言う病気とかが間違った形で」


「博士博士、それはいいからどうする?」


なんでこの男はこんなに落ち着いて居られるのかたまに神経を疑ってしまう。全く持って天才は理解し難いものだ。とか言ってる間に突然山姥(仮)が鎌を口に咥え四つん這いでこっちに向かって走り出した。


「どどどどーする博士!? 撃つ!?」


老婆で四つん這いなのに犬みたいな速さで近づいてくる。ホラーそのものだ。


「明らかな敵意を感じますし仮に痴呆老人だとしても正当防衛は付けておきたいですが…先手は譲りたく無いですねぇ〜、1回盾で受けて体制崩したら撃ち込みましょう!」


「了解!」


すぐさまポリカーボネート製の盾を構え迎え撃つ。博士はやや後ろでライフルを構えて準備。

もの凄い速さの老婆はまっしぐらに俺に向かって飛び掛ってきた所を全体重を乗せた盾でタイミングを合わせてパリィする


「ゴキュッ!!!」


もの凄い音とイヤな感触が盾越しに伝わる。首が折れたのか四つん這いなのに顔は真上を向いていて動けないようだ。相当なダメージだろう。



バシュン! バシュ!バシュ!バシュ!



博士は躊躇なく急所に数発ぶち込む。エアライフルとはいえ当たり所が良ければ猪や鹿も仕留めれる程の威力がある上に博士の魔改造モデル、山姥(仮)は呆気なく動かなくなった。


近づいてよく見ると目は黄色くて歯は人間のそれでは無く明らかな牙だった。とにかくおぞましいルックスだが爪がギャルのつけ爪みたいで笑えた。


「絶対妖怪ですねコレw さて、魔石(ラチナム)を取り出しましょうか」


「え、ウソ…」


「ウソな訳有りますか!こんな大物の魔石を放っておくとかありえないでしょ!」


魔石は大体身体の中心、胃とか腸の辺りに埋まっているのが通例だが、人型の腹を割いて取り出すのはかなり抵抗が…とか思っていたら博士が何の躊躇も無く腹にサバイバルナイフ突き立てた。うーんワイルド。


「幸先が良いですね!見てくださいこの大きさ!」


確かにかなりデカい魔石だ。今まで砂粒か大きくても米粒大の物しか見た事無かったがこれは小石程も有る魔石だった。


「この魔石なら結構な武器のパワーupが期待出来ますなw」


ピクッ 「成果報酬…」


正に自営業の醍醐味、しかも現時点では魔石に対して非課税、全てが純利益、俺の中で火がついた。見た目が人でも殺して良いババァならぶち殺しまくると決断した。


さぁ殺るぞ!


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― 新着の感想 ―
すごくスピード感のあるカタストロフィに、一気読みしてしまいました!
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