海賊とシーサーペント
朝出発してそろそろ昼だなって頃に目的地に到着した。
船酔いでゲロゲロしてる部員が結構いる。船酔いした人間の顔って緑色になるんだな…。
あ、小島がいっぱいある。そういやこの辺ってシーサーペント以外にも海賊…なんか船が近付いてくるな。
「船が近付いてくるな。ドロシー、見えるか?」スタンリーは警戒してる。どうせ海賊だろ?
「はい、武装した人間が見えます。」じゃあ海賊じゃね?
「間違いなくぅ、海賊よぉ〜。皆ぁ、頑張ってねぇ〜。」ナインがそう言いながらデッキで寝転んでのんびりしている。そのリゾート地の寝転ぶ椅子とパラソルはいつ持ち込んだ?横のちっさいテーブルに飲み物も置いてるよ…。
「お前は戦わないの?」「ンン〜?だってぇ、海賊なんてぇ、つまんないんだも〜ん。」まぁお前からすれば殆どの奴は雑魚だろうな。てか海賊で確定なの?まぁ来たらわかるか。
謎の船がどんどん近づいてきて横並びになった。うおマジか!?絵に描いたような海賊じゃん!?黒ひげ危機一発がいっぱい居る!!マジか!?あ、なんか投げてきた。
フックの付いたロープを俺達の船に引っ掛けてどんどん乗り込んで来る。
「お前らぁ!金と食い物を全て寄越せぇ!女もだぁ!」はい海賊。
「戦闘態勢!」スタンリーの号令で戦闘態勢になった。
戦闘が始まったけど船の揺れで思うように動けない部員と船酔いでグデグデの部員が攻撃をけっこう食らってる。でも海賊共は部員を生け捕りにしたいみたいだな。致命傷になる部分は避けてるっぽい。
てかなんで海賊は俺を無視するの?
あ、海賊がナインに向かっていく。やめとけ。
「ヒュー!良い女だなぁ!なんで寝転んでんだぁ?コッチに来いよ!かわいがってやるぜぇ!ヒュー!」やめとけって。
「なぁにぃ〜?死にたいのぉ〜?」
「ヒュー!余裕だなぁ!とりあえず脱げよ!ヒュー!」ヒューヒューうるせぇなコイツ。もうやめとけ。
「いいよぉ〜?」ナインが服を脱いだ。お前水着着てきたのかよ。相変わらず凄い体だな…背中に鬼が見えるぞ…。
「ヒュえっ?」バッキバキのズッタズタの水着姿を見て海賊が怯んだ。おい、ヒュー!はどうした?
「もういいぃ〜?じゃあねぇ〜。」
「えっ?ちょまっ!?こんなムキムキとか聞いガヒュッ!?」ゴキッ。あ、首折れた。ブンッ…バシャア。あ、海に投げ捨てた。今片手で投げなかった…?怖ぁ…。
「ふぅ~。グミちゃあ〜ん、飲み物取ってくれなぁ〜い?」ナインがまた椅子に寝転んでる。飲み物ってこのちっさいテーブルに置いてるピッチャーの奴かな?何入ってんの?なんかトロピカルな飲み物が入ってる。血とかじゃなくて良かった…。
「グミちゃあ〜ん?」「ハ、ハイヨロコンデー!あ、俺も頂戴?」俺はナインに飲み物を注いで渡した。
「ありがとぉ〜。いいよぉ〜。飲んでぇ〜。」
ナインに飲み物を渡すとコップをもう一つ取り出して注いでくれた。
飲んでみたけどこれ美味いな。トロピカルな味がする。なんかトロピカル。おいしい。トロピカル。ト、もういいか。
「おいしい。これ何?」
「マンゴーとぉ、パイナップルとぉ、あとぉ〜…何だっけぇ〜?忘れちゃったぁ〜。」「トロピカルぅ〜。」
「グミ!お前も戦え!何してるんだ!?」あ、やべ…すっかり忘れてた…。
「サンキューナイン、じゃあ行ってくる。」「いってらっしゃぁ〜い。」
とりあえず棍棒を出して片っ端から殴り殺した。全部不意打ちだな。あ…称号の卑怯者って…。
「戦闘終了!損耗確認!」
怪我をした部員は5匹だった。スタンリーにめっちゃ怒られた。サーセン。
「お前なぁ…。」
「ごめんて。あ、向こうの船の奴皆殺しにしてくるからゆるして?」
「…わかった。行ってこい。」「ウッス。」
海賊の船に乗り込むと雑魚海賊っぽいのが数匹と船長っぽい奴が居た。お前ら何してんの?
「なんだ?スライム?」「なんだ?船に紛れ込んでたのか?」「こんな汚いスライム居るのか?」「なんで棍棒持ってんだよ?」「チッ、あいつら何してんだよ?」「お楽しみ中じゃねぇの?てかよぉ、あの寝転んでた女、良い体してたよなぁ…。」「あぁ、グチャグチャにしてやりたいぜ!」その女、ズッタズタのバッキバキだからな?まぁいいか。
「おお、見よ!血塗られた赤い棍棒を!スライムの殺戮者のエントリーだ!」
「ハァ?なんだお前?ハハハハハハ!」お?名乗りか?名乗りだな!?よし!アレだな!
「はじめまして、海賊の皆さん。変なスライムです。」ドカーン!あ、海賊船に穴が空いた…。と、とりあえず全員の脚折って逃げよう…。
「テ、テメェ!?何て事しやがる!?」「ご、ごめんて。」バキッ!「グアッ!?」「こ、これは事故だから…。」バキッ。「ぐあぁッ!?テメェ!?」
「や、やめて?そんな顔で見ないで?」バキッ!「ウガッ!?ふざけてるくせに妙に強えぇ!」
バキッ!「があぁっ!?」「お、俺悪くないもん。」
バキッ!「ぎゃあーッ!」「な、なんかごめん…。」
バキッ!「クソがぁっ!」「ば、ばいばい!」
バキッ!「ウグッ!?オイ!待ちやがれ!クソッ!脚がっ!」全員の脚を折って船に戻った。俺悪くないもん!爆発で壊れる船が悪いもん!
船に戻るとしばらく海賊共が喚いていたけど海賊船がぶっ壊れてそのまま海に沈んでいった。かわいそう。
あ、首刈っておけばよかったな…。今なら間に合う?
「ちょっと首切り取って来る。」俺が海に入ろうとするとドロシーが叫んだ。
「…!待ってください!下から何か来ます!」
「アァ〜、シーサーペントだぁ〜!」「マジ?」
「何っ!?戦闘態勢!」
スタンリーが言った瞬間にでっかいウミヘビが飛び出してきた。
あ、船長咥えてるじゃん。他は知らないけどコイツはまだ生きてるっぽい。ゼェゼェしてるのが見える。
「キャーッ!?ファッ…ファイヤーボール!」「うわあぁーっ!?ウウウウィンドカッター!」部員共が叫んで滅茶苦茶に魔法を飛ばし始めた。
風と火が混ざってなんかエグい炎の竜巻が出来てる。
「ギャオォーッ!」「ア"ァ"ーッ!」ウミヘビと船長が叫んでる。あ、船長が黒焦げになった。ウミヘビはあんま効いてないっぽいな。
「シーサーペントには雷魔法が効く!ドロシー!最大威力の魔法を頼む!お前達は援護だ!」「承知いたしました。1分いただけますか?」「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」「俺ドロシーに重ねる。」「がんばってねぇ〜。」
皆それぞれ魔法やら弓矢やらでウミヘビを攻撃している。俺はドロシーの詠唱を真似して魔法をぶっ放す事にした。
「大いなる雷よ、天より降り注ぐ裁きの光よ、我が魔力の全てを捧げ、祈り、願い奉る。」「バリバリどっかんフルベットでオナシャス。」
ドロシーは胸に手を当てた。
「我が前に立ちはだかる愚かなる者に、」「クソアホカスに、」ドロシーが両掌を上にして前に突き出した。なんかエロい。
「偉大なる天の脅威を示し給え」「なんかやべーのぶっかませ」ドロシーは片方の掌を胸に、もう片方の掌を上に向けた。なんか歌い出しそう。
「轟け!貫け!極大雷魔法、崩天の雷槍!」「カミナリグサグサ。あ、こんなんでいいの?」「知りません。」
ドロシーが掌を振り下ろした。俺も発動…勝手に出たぞ?詠唱ってこうなの?
ドギャーン!
ぶっとい雷2本が固まって1本になってウミヘビをぶち抜いた。ウミヘビは即死したみたい。せいこう。てかオーバーキルじゃね?見えてる部分が消し飛んだぞ?食える所ある?食えると…う~ん、3割消失ってとこだな。やったね。ウミヘビって結構長いのな。あ、これ船長の破片じゃね?とりあえず食おう。…焦げ肉。
「うぅ…。」ガシャン!あ、ドロシーがへたり込んだ。魔力切れかな?てか俺も魔力0じゃん。魔力全ブッパとかヤバくね?
「アハハハァ〜!いいねぇ〜!最高ぉ〜!」ナインがキャッキャしてる。かわい…くはないか…。怖っ。
「これはどう見ても…。うん、オーバーキルだな!」「マジそれな。」「アハハハハァ〜!」「すみません…魔力を…いただけませんか…?」
「…よし!沈む前に回収するぞ!誰か!魔力回復ポーションをグミにわけてやれ!」
スタンリーが言うとあちこちから魔力ポーションが飛んできた。てかドロシー…は何も食えないんだったな。
うん、2割回復ってとこだな。とりあえず回収しよ。
俺はウミヘビを回収した。
「グミちゃあ〜ん、ドロシーちゃんにぃ、魔力をぉ、分けてあげてねぇ〜。」そんなんできんの?
「どうやって?」
「魔力をぉ、流し込むぅ、イメージぃ〜。」「はぇ~。」まぁとりあえずやってみるか。
ドロシーに近づいて魔力を流してみた。魔力を流すってんなら錬金釜に流すのと同じかな?お、出来…コイツグビグビ魔力飲むんだけど…。あ、また魔力無くなった。
「ふぅ…。有難うございます。」「お前飲み過ぎじゃね?全部飲んだだろ?」
「す、すみません!つい…。」「じゃあ俺のしゃぶれよ。」「はい?」「な、何でもないッス…。」「?そうですか…?」コイツ理解してないっぽいな。まぁ魔力はジワジワ回復するからいいか。なんでスタンリー小声でドロシーがしゃぶるって連呼してんの?
「疲れたぁ〜!」誰かがそう言った途端に皆が疲れたと騒ぎ出した。
「よし、今日はもう夕食にして寝るか!見張りは順番通りだからな!」
そういやいつの間にか夕方だな。
皆がメシの準備をしだした。
メシを食ったら順番に見張りをして過ごした。まぁ俺は眠れないからずっと見張りだったけどな。ちょっと途中で抜けたけど。
翌朝、街に戻ってそのままギルドに向かった。




