天使と鬼人
俺達はシーサーペント討伐の依頼を探しにギルドに向かった。あ、宿と船も探してもらうんだっけ。
ギルドに入るとヤバ嬢が居て「アァ〜、グミちゃんだぁ〜!」と声をかけてきた。なんで居んの?
「お、おい…あの人知り合いか?」スタンリーが恐る恐る俺に聞いてくる。ビビってんの?
「ヤバ嬢久し振り。何してんの?」
「おい!無視す「遊びに来たのぉ〜。」ちょっ…。」
お前毎年来てんの?そんなわけないか。今スタンリー何か言おうとした?
「コイツノースフォートの特別職員。ヤバいぞ。あ、水着姿も筋肉バッキバキのズッタズタでヤバいぞ。」
「筋肉…ズタズタ…ゴクリ…!」スタンリーゴリウーフェチも持ってんの?お前何でもありか?
「グミちゃあ〜ん?」「なんだよ。」
ヤバ嬢が俺を持ち上げて小声で「ねぇ、私の裸…見たい…?」だって。い、良いのか…?てかお前の囁き声…ゾクゾクする…。あ、俺に耳は無い。てか水着姿ならもう見てるし。
「ご無沙汰しております、ナイン様。」ドロシーが深々とお辞儀をしている。お嬢様式じゃなく着物着た婆さんがよくやる手を腿に沿わせて深々とやるお辞儀だ。なんか良いなそれ。てかお前ら知り合い?
「アァ〜、ドロシーちゃんだぁ〜!」ベチャッ。地面に投げ捨てたられた。ひどくない?てかお前なんかテンション高いな。
「は、はじめまして!王立魔術学園、冒険者部の部長をしているスタンリー・ケージと申します!」
「そっかぁ〜、ドロシーちゃんもぉ、学園にぃ、通ってたのねぇ〜。」
スタンリー無視されててかわいそう。てかドロシーも知り合いだったの?
「ナイン、無視しないで挨拶くらいしてあげなさいよ?失礼じゃない?」なんか背中から翼生えた女が居る。鳥人かな?
「別に良い「お前だれ?」〜い?」ヤバ嬢は被ってもお構い無しに喋るタイプなのか。まぁマイペースだもんな。
「良くない!私達はギルドの特別職員なんだからね!?」「なぁお前だれ?」
「だから何ぃ〜?」お前も無視してんじゃねぇか。コイツは羽って呼ぼう。てかコイツも特別職員なの?
「おい羽、きいてんのか?」
「は、羽って何よ!?」
「なんか羽あるから。お前鳥人?てか誰?」
「なっ!?私を「グミちゃあ〜ん、この娘はぁ、天使族よぉ〜?」ちょっと!」
「天使族?なにそれ?」
「そうよ!私「白い魔族ぅ〜。」もう!被「はぇ~。」かっ、被せないでください!」白い魔族…。羽なんか言った?
「……。」なんか羽が黙ってる。
「も「なんだよ。」」あっ。
「また被「グミちゃぁ〜ん、ノルンちゃんにぃ、喋らせてあげてねぇ〜?…あらぁ?」グスンッ…。」かわいそう。あ、あの沈黙はそういう事か…。かわいそう。
「おい羽、なんかしゃべれよ。」
「しゃべっ「グミさん、失礼で…何か仰いましたか?」うぅ…。」今度はドロシーに被せられてる。かわいそう。
「お「私は冒険者ギルドサウスポート支部の特別職員のノルンですよろしくお願いします!!!」ッス…。」うわゴリ押ししてきたよ。怖っ。
今スタンリー何か言おうとした?まあいいか。
その後自己紹介をした。羽はノルンって名前の天使族みたい。コイツも特別職員だからクソ強いみたいだな。鑑定したらゴリラのステータスを7割にした感じだった。まぁ勝てない事もないか。
ヤバ嬢とドロシーは師弟関係らしい。あの狂った連続攻撃はヤバ嬢譲りだったんだな。まぁヤバ嬢の師匠がギョロメだしな。
あれ?て事はドロシーは俺の姉弟子の弟子?なんか世間って狭いな。
あ、天使族ってのは鳥人とは違うみたい。
ヤバ嬢が教えてくれたけど、天使族ってのは寿命が長くて翼が生えてて魔力が高いのが特徴なんだって。
見た目で天使っぽいから天使族って呼ばれてるだけで白い魔族ってのはあながち間違いでもないな。羽もめっちゃメシ食うらしい。じゃあ魔族じゃん。
「そういえばぁ、グミちゃん達はぁ、何しに来たのぉ〜?」
「俺達「シーサーペント食べに来た。依頼ある?」おい!」スタンリー何か言った?
「シー「あるよぉ〜。」なんでっ…なんでっ…!?」また羽が被せられてるよ。かわいそう。
「おい羽おしえろ。」
「…シ「グミさ…失礼致しました…。」…。」今度はドロシーが被せた。羽の奴タイミング悪すぎない?
「あなた「でもぉ〜、Bランク以上がぁ、2人以上ぅ、必要よぉ〜?」ちょっと!?私の仕事を「はぇ~。俺以外にBランクって居たっけ?居なかったよな?じゃあ無理じゃね?」うわぁ〜ん!皆が喋らせてくれないよぉ〜!うわぁ〜ん!」うるさいなこの羽。
羽が泣き出したからまたヤバ嬢が説明してくれた。
シーサーペントはAランクの魔物らしく、依頼を受けるメンバーにBランク以上が2人以上居ないと受けられないんだって。じゃあ無理じゃね?
「そうか…無理なのか…。」スタンリーががっかりしてる。
「方法はぁ、あるよぉ〜?私がぁ、一緒にぃ、受けてあげるぅ〜。」マジで!?
「ほ、本当ですか!?あり「ただぁ~、条件がぁ、あるのぉ〜。」ちょっ。」スタンリーかわいそう。
「ナイン様、条件とは何ですか?」
「ンフフ、グミちゃあ〜ん?」俺?
「なんだよ。」
「私もぉ、ローズちゃんみたいにぃ、名前でぇ、呼んでくれなぁ〜い?それがぁ、条件よぉ〜。」そんなんでいいの?てかなんで?
「それが…条件で御座いますか…?何故?」ドロシー困惑してる。俺も困惑してる。なんで?
「そうよぉ〜。」変な条件だな。まあそれでシーサーペント食えるならいいか。
「いいけど?なんで?」「ンフフ…。」
また抱え上げられて囁かれた。
「ローズちゃんだけズルい…私も名前で呼んで…?ねぇ…?ナインって呼んで…?お願い…?これからずっとナインって呼んで…?良いでしょ…?」「ンおほっ!?」ゾクゾクする…ゾクゾクするぞ!何この気持ち…?…ゾクゾクする!!!てかお前のっぺり喋らなくても普通に喋れんじゃねぇか。でもこの感じ…おぉ…これが噂のASMRか…。おぉ…。
「いいぜ、ナイン…。これからは名前で呼んでやるよ…。よろしくな、ナイン…。」
「ウグッ!!ン"ンフフッ!!クッ…!!」「ブフッ!!し、失礼致しました…!!…ウググッ…!!」精一杯のイケボを出してやった。今スタンリーとドロシー噴かなかった?なんで他の奴もプルプルしてんの?
「ありがとぉ〜!決まりねぇ〜!じゃあぁ、依頼をぉ、受けちゃおうねぇ〜!ノルンちゃあ〜ん!?」ベチャッ!
また投げ捨てられた。お前の情緒どうなってんの?
「はい…こちらへどうぞ…。」なんか羽元気なくね?
その後討伐依頼を受けた後、船を借りてから宿を探してもらって泊まることにした。
ナインとは明日の朝に船着き場で待ち合わせだな。
宿に泊まったけど俺はナインの囁き声を思い出して悶々としながら朝まで過ごした。まぁどの道眠れないんだけどな。
でも…ナインの囁き声って…なんかこう…なんか…こう……何かが…おぉ…おぉ…!…おぉ…。
翌朝、船着き場に行くとナインが待ってた。フル装備なんだけど…。やる気満々だなコイツ。
島から数時間沖に行ったところにある小島がいっぱいある海域にシーサーペントが出るんだって。あ、海賊も出るらしい。
俺達は船に乗って出発した。




