閑話 寮の勉強会
普段はヤスが勉強を教えてくれるけど、用事で帰るのが遅い時はイカロスが代わりに勉強を教えてくれた。でもヤスよりわかりにくい。下手くそめ。いやヤスが有能なだけか。今日はイカロスが教えてくれることになった。今日は道徳と数学の日。道徳とかいるの?勉強が始まってから結構経ったけど俺とゴンは答えと人格をほぼ全否定されていた。ひどくない?
あ、道徳の正しい科目の名前は社会常識と良識がどうのこうのってやつ。長かったからなんか忘れたし皆道徳って言うからいいか。
要は取り繕い方を教えるって感じだな。猫被ったサイコが解き放たれてもいいの?
「よし、サイコ野郎共、道徳はコレで最後にする。あなたはスラムで食料配布の慈善活動をしています。スラムの痩せこけた子供が列に割り込んでナイフを突き付け、食べ物を全て寄越せと言ってきました。あなたはどうしますか?」今サイコ野郎共って言った?
「ブン殴る!」「ムカつくから殺す。」
「おまっ…違う!何回同じ答えをするんだ!?別の答えにしろ!」
「ナイフ向けたんだぜ?殴るの他にあんのかよ?敵だぜ?」
「なんで殺しちゃ駄目なの?1匹位いいじゃん。」
「グギギギギ!」イカロスから変な音がする。怖っ。
「じゃあ…蹴る?おぉ!蹴るがあったな!蹴るだな!蹴る!蹴っ飛ばす!どうだ!?」
「いや食うじゃね?脚とか食う。手でもいいよ?バラバラにすれば…あっ、ガキをバラして食料にする!これだ!おれてんさい!」
「お前ら狂ってんのか!?今すぐ投獄されて一生出てくるな!道徳終わり!次!数学!これ解け!」
イカロスが数学の問題用紙を投げつけてきた。なんで怒ってんの?
数学の問題用紙を見てゴンが不思議そうな顔で言った。
「なぁ…これって魔法陣じゃねぇのか?数学の勉強だろ?」なんか見たことあるけど忘れた…。なにこれ…?
「丸じゃないし多分違うんじゃね?」
「じゃあコレは何なんだよ?」
「しらない。暗号かなんかじゃね?」
「マジか!?かっけぇな!でも数学だろ?」
「因数分解の式以外の何だって言うんだ!?中学で習っただろ!?」イカロスがキレてる。なんだよ。今なんて言ったの?インキン…?
「い…何だって?」
「インキンタムシの間違いじゃね?」
「そうなのか?インキンタムシがどうしたんだ?今は数学の勉強だろ?」
「あれ痒いらしいぞ。」
「おぅ、すげぇ痒かったぞ。」
「お前なった事あんの?きったねぇ…。」
「お前ひでぇな。」ゴンと喋ってるとイカロスがキレた。
「おい!真面目にやれよ!お前ら次の試験で赤点取っても知らないからな!?」
「お、オイ…こいつ怒ってるぞ?俺達…何かマズい事言ったんじゃねぇか…?」
「さあ?コイツもインキンタムシになってんじゃね?」
「マジか!?あぁ…だからイライラしてんのか…。痒いよなぁ…アレ…。」ゴンがイカロスを哀れんでる。あれ?なんかイカロスがプルプルしてる。
「アァーーーッ!何なんだこいつらぁーっ!アァーーッ!どうやって入学したんだぁーっ!?アァーーーッ!」イカロスが壊れた。甲高い声で頭抱えながら叫んでる。怖っ。でもなんかそれ似合うな。
「お、おい…!」ゴンが焦ってる。
「なぁ教えてくれよ!?お前らどうやって入学した!?教えてくれよ!?なぁ!?お前らどうやって入学したんだ!?なぁ!?」俺達を交互に見ながら叫んでる。お前ひどくね?
「お、俺は闘技場の推薦だぞ!?試験は面談だけだったぜ!?」なにそれ?
「俺実技だけで受かった。てか推薦って何?」
「アァーーッ!コイツら完全な脳筋馬鹿だぁーっ!アァーーッ!もう駄目だぁーっ!アァーーッ!!誰か助けてくれぇーっ!アァーーッ!」イカロスはしばらくこのままっぽいな。そっとしておいてやろう。今脳筋馬鹿って言った?
「なんだグミお前知らないのか?帝国の闘技場でランク入りしたらどこの学園でも使える推薦状が貰えるんだぜ?」そうなの?
「はぇ~。んでなんで魔術学園に入ったの?」
「そりゃお前、魔法を使えたらもっと強くなれるからな!初代皇帝の得意魔法の炎剣とか使えりゃもっと強くなれんだろ?いずれ俺は豪邸に住んで妻を10人位娶るつもりだからな!」そういやゴリラも剣燃やすアレが出来たんだっけ?1回戦ってみたかったな。
「ハーレムってやつ?」
「おう!俺の国は強けりゃいい暮らしができるからな!初代皇帝なんて妻が30人も居たんだぜ!?くぅ~!羨ましいぜ!」
「はぇ~。」
ゴリラが帝王?いや皇帝か?になっても強い=正義を地で行く国なんだな。てかあいつ30人も妻居たの?死因は腎虚かな?
「おぉ、そういやよ、お前はなんで入学したんだ?」
「俺?魔法覚える為だけど?俺魔法使えるけど呪文とか知らないんだよな。学園で覚えようかなって。てか数学とか道徳とかいらなくね?何に使うの?」
「そうだよな!強けりゃ生きていけるよな!現に俺はこの25年それで生きてきたしよ!」
「お前25なの?」
「言ってなかったか?つーかお前の歳は?」
「217歳。」
「は!?俺より年上かよ!?見た目じゃわからねぇもんだな!」
「なんだよ。あ、てかイカロスいくつ?」
「ハァ…!ハァ…!ハァ…!ハァ…!」イカロスがハァハァしてる。発情期か?
「なぁ、アイツどうしたんだ?」
「さぁ?てか歳は?」
「ハァ…!ハァ…!俺は…77だ。」
「ジジイかよ!?」
「クソジジイ。」
「お前がそれを言うのか!?」
「あっ。」
「ガハハハ!」
「鳥人じゃ若い方だぞ!?」
「そうなの?」
鳥人って300歳位生きるんだって。
そんな事を話しているとヤスが帰ってきた。
「おぅお前ら、何騒いでんだ?」
「お、ヤス!遅かったな!」
「おかえりヤス。お前歳いくつ?」
「助けてくれヤス!コイツら頭悪すぎておかしくなりそうだ!」
「「お前ひどくね(いな)?」」
「「あ、ハモった。」」
「ガハハハハハハ!!」「あははははは。」
「ハァ…。俺?20だ。すまないなイカロス。」
「おっ!?ここじゃ1番年下だな!」
「おいヤス!焼きそばパン買ってこ「アァ?」さ、サーセンした…!」
「俺はもう…疲れた…。先に寝る…。おやすみ…。」イカロスがベッドに倒れ込んだ。なんで泣いてんの?
「おぅ、お疲れ。」
「助かったぜイカロス!」
「もう寝んの?騒いだだけじゃね?」
「オイ…。」
「ひえっ…!」
「お前…ちょっとはイカロスに感謝しろよ…。」
「なんだよ。」
俺が1番年上だったみたい。
おわり。




