海に行こう
リリーを育て始めて2週間位経った。
ここ最近、リリーがやたらと汗を掻く。やっぱ夏なの?今何月?
そういや10日位前の夜にキモいのが誰かを連れ込んでた。誰かって1匹しか居ないんだけど。
扉が閉まる音がしてガチャガチャ装備を外すような音が聞こえた後、なんかドッタンバッタン聞こえてきた。
朝までずっとガタギシバチュバチュうっせぇし悲鳴みたいなのがずっと聞こえてた。リリーがまたパニック起こしたから眠り魔法で無理矢理寝かせた。
朝になっても静かにならないからキモいのの部屋に侵入したら…うん。
そういやアカメが5日後の夜がどうとかって言ってたのをその時思い出した。
とりあえず2匹ともボコっておいた。
まぁそんな事もあったけど、問題は最近のリリーの事だ。
汗かきまくってついに汗疹になったみたい。かわいそう。
そういや汗疹になったらよく海に連れて行かれたな。海って近いの?ギルドで聞いてみよう。
あれ?海なんていつ行ったんだ?てか誰が連れて行ったんだ?アれ?オれッてスらイむダよナ?アれ…?まあいいか。ギルド行こ。
リリーを連れてギルドに向かっていると、セバスチャンが運転している馬車がこっちに近付いてきた。後ろにもう2台馬車がある。魔王またどっか行くの?暇かよ。
そう思っていると馬車から魔王が顔だけ出して話しかけてきた。その顔だけ出してるのってなんかムカつくな。
「お主、暇か?」いきなりなんだよ。まぁ暇だけど。
「なんだよ。」「妾達は海に遊びに行くのでな、序でにお主も誘おうと思って声をかけたのじゃ。暇か?」タイミング良すぎじゃね?まあいいか。連れて行って貰お。
「暇っちゃ暇。連れてって。」「うむ、よかろう。支度をして南門に来ると良い。昼までには来るのじゃぞ。そうじゃ、どうせならお主の知り合いも誘うと良い。」お前本当暇なんだな。まあいいか。キモいのカップルとチクチクでも誘お。ギルド行けば誰か居るだろ。南門どこ?
俺達は魔王と別れてギルドに向かう事にした。あ、海行くなら水着買わないと。
ギルドに入ると、チクチクとチクチクよりちょっとでかい二足歩行のカブトムシとヤバ嬢が居た。このカブトムシってチクチクの彼氏?紺色してんじゃん。なんで緑色してないの?蛾みたいな奴はどこ?
なんか話してるな。お前ら知り合い?世間って狭いな。
「アァ〜、グミちゃんだぁ〜。」お前俺見付けるの早くない?まあいいか。声かけよ。
「お前ら暇なら海行かない?」って聞くとヤバ嬢が「良いよぉ、行くぅ~。」だって。お前角刈りの代理じゃないの?いいのかよ。
聞いたら、王様に報告するだけだしそれももう終わったんだと。お前よく城に入れたな。あ、代理だし当たり前か。
代理で書類を届けて報告に来ただけだから、報告が終わったら後は自由なんだって。なんか適当じゃね?まあ戦争なら国の仕事か。なんでお前が国の仕事っぽいのやってんの?
聞いたら、ノースフォートのギルドはそういう国関係の仕事を領主と契約してるんだって。なにそれ?
ヤバ嬢が来たのは足が速いかららしい。
ノースフォートからここまで1日で来たとか言ってる…。嘘だろ…?
お前帰らなくて良いのって聞いたら、王都まで行くついでだからってノースフォートを出る前に有給を取ってるんだと。有給…。
有給が溜まってたから消化がてら王都観光するつもりだったらしい。なんか普通だな。
そう思っているとチクチクが「海!?行きた〜い!連れて行ってくれるの!?」って興奮気味に言う。俺じゃなく魔王だからな?
てかそんなに海行きたいの?虫って海に浸かっても平気?そう思ってると、なんかカブトムシが困惑している。
「な、何だこの変なスライムは?知り合いか?」知り合いじゃなきゃいきなり海行かね?とか声かけねーだろ普通。
「この変なスライムはね、グミっていうの。Cランクだけど滅茶苦茶強いからね。あの盗賊を頭を一撃だったのよ?」あの盗賊の頭って石鹸入れにした奴かな?アレそんなに強かったの?あっさり死んだのに?
お前ら今変なスライムって言った?
そう思っていると「ほう、それは是非とも手合わせ願いたいものだな。」とかカブトムシが言ってなんかやる気になってる。お前好戦的だな。死にたいの?食って良い?
カブトムシがやる気になっていると、チクチクがコレと戦うのだけは絶対に止めとけみたいな事を言ってた。
ヤバ嬢と似たタイプの危険人物だみたいな事言ってんのも聞こえたんだけど…。ひどくない?
ヤバ嬢なんでニヤニヤ笑ってんの?怖いんだけど?
その後俺達は自己紹介をして、キモいの達を探す事にした。このカブトムシはビートンって名前らしい。ベーコンみたいな名前だな。あ、ベーコン食いたい。カリッカリに焼いたやつ。ベーコン売ってるし今度作ってリリーに食わせてやろう。せっかく歯ぁ生えたんだし、カリカリした物食いたいよね?
キモいの達を探そうとギルドを出ると、丁度キモいの達が腕組んで歩いてるのが見えた。お前ら仲良いよな。夜通しヤる位だし当たり前か。
てかなんかタイミング良くない?まあいいか。声かけよ。
キモいの達に海行かね?って言ったら行くだって。どっちの意味?てかアカメのあの時の声って悲鳴みたいな声なのに妙にかわいい声なんだよな。普段は声低いのにさ。なんで?
その後俺達は水着を買いに行く事にした。
虫共は水着要らないらしいから魔王の馬車を教えといた。そういや虫って全裸だもんな。俺も全裸。
虫共と別れてからデパートに行って水着を探す事にした。
水着のセール会場みたいなのがやってたからそこで水着を買うことにした。やっぱ今って夏なんだろうな。暑い寒いを感じないからイマイチわからん。
子供用の水着も色々有るんだな。うわ…マイクロビキニとかあるんだけど…ヤバくね?こんなん着せるとかもはや虐待だろ…。え?小型の人型種族用?サーセン。リリーなんで欲しそうにしてるの?やめて?お前こんなん着たら今度は別のヤベーのに攫われるからな?やめて?お前自分の体どうなってんのか考えろよ。殺すぞ。
リリーの体ズタズタだしあんま露出しない水着が良いなと思ってると、某最強スライムが水着回で着てた感じの縞々の水着があった。体隠れるしこれでいいか。あ、浮き輪とかもあるし買っとこ。なんで浮き輪あるの?この浮き輪の材質何?なんかビニールっぽいんだけど?ビニールあんの?
え?魔物の皮?はぇ〜。
水着とかを買って外に出ると皆が俺達を待ってた。もう皆買い終わってたみたい。
お前らどんな水着買ったの?って聞いたら、海に着いてからのお楽しみだって。なんだよ。
それから俺達は門まで行って魔王の馬車に乗った。馬車の中に入ると、魔王三姉妹の他にビキニアーマーおばさんが乗ってた。監視役かな?
そういや遠巻きにしか見てなかったけど…近くで見ると更にキツいなこのおばさん。
微妙に体型崩れてるし、膝とかモロに年齢出てるじゃん。うわキツ。うっわキッツ。
でも毛の処理はしっかりしてるみたい。うわキツ。
まぁハミ出てたらもっと嫌だな。うわキツ。
馬車に乗ってからそれぞれ自己紹介をした。
このおばさんはカオリ・ヤマナカって言うらしい。お前もこの国の人間?って聞いたら、転生者だって。はぇ~。
この世界に来て20年位って言ってた。
って事は俺の少し前に転生して来た奴か。ちゃんとした正規の転生者。正規って何だよ。
その後、この世界に来る前の話とか転生した時の話とかを色々聞いた。
ビキニアーマー着てる限り不死身とかヤバくね?あ、死にたくないからずっとそんなトチ狂った格好してたのか。ヘタレかよ。
上からなんか着ろよって言ったら無駄だって言われた。なにが?
昔試したらしいけど、何故かビキニアーマーの上から着た服が透明になるんだと。なんで?てかいい加減普通の鎧着ろよ。歳考えろよな。うわキツ。
そんな事を話していると、いつの間にかまたリリーが魔王達にもみくちゃにされてる。
やめて?もみくちゃにしないで?リリーお前なんで嬉しそうなの?やめて?もみくちゃにしないで?楽しそうにしないで?
あ、てか海までどのくらいかかんの?
魔王に聞くと3日位で着くらしい。この国の王都って海寄りなんだな。あれ?この国ってそんなにでかくないの?
聞いたら、この国は南北より東西が長いらしい。徒歩で国を東西に端から端まで移動すると2カ月位かかるんだと。はぇ~。
馬車に乗ってそんな事を話したり下らないことを話しながら移動して3日目の昼前、俺達は街の近くまで来た。
途中で盗賊とか出たけど、まぁ…うん。
街が見えてきたって言うから馬車の屋根に登って街を見たら、でっかい船がいっぱい見えた。遠くにいくつかデカい島もある。
潮風が気持ちいい。くっさ。
この街もデカいな。ノースフォート以上、王都未満の大きさの街。
そういや泊まるとこってどうすんの?宿でも取る?って魔王に聞いたら、ここにも魔王の別荘が有るんだって。金持ってんなコイツ。
ここなんて街?って聞いたら、この街はサウスポートっていうらしい。まんまだな。
貿易の街でもあるし、リゾート地でもあるんだって。相手はこの大陸の外の国とボーケン国と亜人帝国と魔王国だって。アホ王国とカルト国とは取引してないんだと。
カルト国は海無しだからわかるけど、アホ王国だけハブられててかわいそう。どんだけ嫌われてんの?まぁあの勇者が王族だもんな。
てか砂浜無くね?全部港になってんじゃん。こんなゴリゴリの貿易都市なのにリゾート地なの?って聞いたら、リゾート地は遠くに見えてるでかい島なんだと。
庶民とかは乗り合いの船で向こうの島に渡るらしい。金持ちとか貴族は自分の船だって。
もちろん魔王は船持ってた。お前何でも持ってんな。
お前の別荘は向こうの島?って聞いたら、こっちにも有るし、島にもあるとか言ってる。2つも別荘あんの?金持ってんなぁ…。
そんな説明を受けていると魔王の別荘に着いた。ノースフォートのと同じ位のデカさだな。周りの家もデカい。
このエリアは貴族とか金持ちの別荘だらけなんだって。まあそんな感じだな。 治安良さそう。
あ、高そうな服着てちっさい犬掴んで歩いてるなんかムカつくババアが居る。
元いた世界でもこんな奴居たし、どこの世界でもあんなのって居るんだな。
あれ?モとイたセかイ…?オれ…なニいッて…?アァ…。まあいいか。
今日はこっちの別荘に泊まって、明日の朝に船に乗って向こうの別荘に行くらしい。
海水浴場は明日までお預けだな。
別荘に入ってからそれぞれ泊まる部屋を案内された。
俺とリリー、キモいのとアカメ、チクチクとカブトムシ、名前なんだっけ?まあいいか。
後はビキニアーマーおばさん1匹って感じで部屋を与えられた。おばさんかわいそう。1匹でかわいそう。うわキツ。
一応アカメ達にお前らまたでっかい声で夜通しズコバコすんなよって言っておいた。キモいのがまた「ンニョヘヘッ!」って笑いやがった。お前のその笑い方なんなの?キモっ。
てかチクチク達何気まずそうにしてんの?もしかしてお前らも大絶叫するタイプ?やめて?教育に悪いからやめて?またリリーがパニック起こすじゃん?
お前らも静かにしろよって言っておいた。
部屋離れてるから大丈夫とか言うな!虫なんだから黙ってヤれよ!てかそもそも人ん家でヤんな!
あ、虫人の交尾ってどうすんの?聞いてみよ。
聞いたらチクチクにサイッテー!って叫びながら蹴られた。なんだよ。
あ、魔王3姉妹は魔王の部屋で揃って寝るんだって。家デカいんだからもっと贅沢に使えよ。あ、600年ぶりの再会?なら仕方ないか。久しぶりにも程があんだろ…。
そんな事をしていると、メシまでまだ時間あるから風呂入ってこいって言われた。
教えられた所に行くと、まあそこそこデカい風呂だった。
でも全員入るのは無理っぽいな。先に入っとこ。あいつらが先に入って湯船に何か漂ってたら嫌だしな。あいつらならやりかねん。
風呂でリリーを洗ってから部屋でのんびりしてると晩飯の時間になったみたい。食堂みたいな所に行って席に着くと、この前みたいな狂った量のメシが運ばれて来た。あ、芋あるじゃん。魔王どんだけ芋好きなの?まあ食うけどさ。
色々出てきたから食ってたけど、なんか知ってる味付けの肉があった。
あ、この味付けってあの粉じゃん。気に入ってんのな。材料あるしまた作らなきゃ。
魔王達は相変わらず滅茶苦茶食ってた。お前ら別に食わなくても良いんだろ?なんでそんなに食うの?
ヤバ嬢とビキニアーマーおばさんはあんま食ってないみたい。
いや、魔王3姉妹がおかしいだけで普通の人間からすれば相当食ってる方だな。
キモいの達もそこそこ食ってるな。
前に腹下したので懲りたのか、リリーは限界を超えて食おうとしなかった。えらい。かわいい。あたまなでちゃう。あ、チーズケーキ2切れも食いやがった。腹パンパンじゃん。まぁフーフー言ってないからいいか。
おい魔王、デザートは別腹とか言うな。
メシ食った後、寝るには微妙に早いからって事で魔王の部屋で水着姿を見せ合う事になった。
リリーを着替えさせて魔王の部屋に行ったら既に皆水着着て待ってたな。人に服着させるのって時間かかるんだよな。
ではお待ちかね、それぞれ紹介しょう。
まずはヤバ嬢から。
水着は白のビキニ。なんか普通…。お前エッグいの着そうなイメージだったのに…。つまんない。
ビキニはともかく、コイツ傷だらけで筋肉バッキバキなんだけど?怖っ。ゴリウーフェチにはたまらないだろうな。あれ?お前って毛剃ってんの?
次はアカメ。
コイツはフリフリしたのが付いた水色のビキニ。なんか普通…。まあいいか。
おいキモいのお前どこ膨ら…やめとこ。
前に裸見たから知ってるけど、やっぱコイツもムキムキ。ゴリウーしか居ないんだけど?人によっては狂気乱舞だな。傷はあんま無いけど入れ墨みたいなのがある。これ何?
あ、近接タイプの冒険者って男女関係なくムキムキらしい。まあ普通に考えたらそうだろうな。
あと、冒険者って基本無駄毛処理してるらしい。山奥に入ったり長期の仕事とかする時に処理してないとシラミが湧くからなんだと。お前のはガッツリ見たから知ってるぞ。キモいののカッチカチになったアレもな。
虫共はいつも通り。まあ全裸だしな。俺も全裸。お前ら何しに来たの?
次はギョロメ。
コイツは黒ビキニ。お前らバリエーション無さすぎじゃね?もっとエッグいのとか着ろよ?色々はみ出しそうなやつとかさ。なんでって?俺が見たいんだよ。まあいいか。
てかお前ヤバ嬢よりももっとバッキバキのズッタズタだな…。入れ墨みたいなのもめっちゃ入ってる…。ヤバ嬢とアカメを混ぜて強化したみたいになってんぞ。
お前どんな生き方して来たの?その爪跡と噛み跡何?お前何と戦ってきたの?怖っ。
まあ筋肉と傷はともかく、胸も尻も皆よりでけーな。背もちょっと高い。あ、モブ子程じゃないけどな。てかゴリウーしか居ないの?キャベツ連れてこようか?いや…アレの水着姿は見たくないな…。
それよりも、脱いだら結構ってのは本当だったんだな。出るとこ出てるし。
あのコート姿からは想像出来ない体付きだけどあの服に押し込んでたの?苦しくならない?
タマは水着持ってきてないらしい。浜辺でのんびりするんだと。婆さんだしな。
それにそもそも水が嫌いらしい。前世の子猫時代に川で溺れて死にかけてから水が怖いんだと。不死身なのに?まぁ猫って基本水嫌いだしな。
ビキニアーマーおばさんはそのまま。なんで?うわキツ。
次は魔王。
スク水。しかも旧式。お前なんなの?わざとやってる?まあその筋のヤツからしたら堪らんだろうな。何ポーズ取ってんだお前。ガキはガキだぞ。
リリーは買ってやった縞々のやつ。浮き輪も持ってるよ。かわいい。お前いつ浮き輪膨らました?まあいいか。かわいい。
なんかリリーが心配そうにヤバ嬢とギョロメを見てる。
ソイツらは違うからな?戦闘狂だからな?リリー胸見比べて悲しそうにしないで?お前はまだ子供だからな?え?お母さんは胸小さかった?じゃあ諦めろ。悲しい事だが受け入れろ。
キモいのは短パンみたいな海パン。お前そのピンと張ってるのいい加減なんとかしてくれない?お前のでっけえから余計に目立つんだけど?
おい!アカメと見つめ合うな!アカメお前どこ触ってんだ!子供の前だぞ!
そうして水着披露大会が終わった。
リリーに歯を磨かせてから部屋に戻って寝間着に着替えさせてから寝かしつけてるとセバスチャンが来た。
話があるから部屋に来いって魔王が言ってるってさ。俺怒られんの?
魔王の部屋に行くと、俺が部屋に入ると同時に3姉妹が揃って結界みたいなのを張った後に俺に何かの魔法をかけた。何してんの?
「さて、では話をしよう。とても重要な話じゃ、覚悟しておくのじゃぞ。恐らくコレでも妨害が入る。妾の言葉だけを聞いて、気をしっかり持つのじゃぞ。良いか?絶対じゃぞ?」「姉さん、アレが干渉して来たら私が行って止めて来るわね。」「あたしゃ結界の維持をしようかねぇ…。」
お前らどうしたの?
魔王の口調はいつもと同じだけどトーンが違う。いつもの飄々とした感じが一切無い。あとギョロメとタマもなんかピリピリしてない?
これ、マジのヤツだな。
俺は魔王の話を聞くことにした。




