女騎士現る
残りの王都までの道中は特に問題なく進んだ。途中何回か村に寄って奴隷共を置いて行ったな。
俺に懐いたガキとか他の奴隷共と結構話をした。
このガキの名前はリリーって言うらしい。
お前エルフなのに長ったらしい名前じゃないんだなって聞いたら、コイツは人間から産まれたエルフなんだって。なにそれ?
コイツの親のどっちかの家系にエルフが居て、それの血が濃く出たんじゃないかとあの首チョンパした盗賊の頭が言ってたらしい。
あの石鹸入れにした奴って結構物知りだったんだな。
でも親に気味悪がられて売られたんだと。かわいそう。
コイツもそうだけど、殆どの奴隷共がこの辺じゃないどっか遠くの村で売られたか攫われたかであの拠点に運ばれてたんだって。
コイツらを攫ってたのはなんかデカい非合法の奴隷売買の組織らしい。
あんな感じの拠点がこの大陸にいくつもあるんだって。
てか非合法って何?って聞いたら、奴隷制度自体は普通にあるらしい。
そういや犯罪奴隷とか居たな。魔王の実験台にされた奴。
あるって言っても、二度と解放されない犯罪奴隷と、完済すれば解放される借金奴隷位なんだと。
あ、犯罪奴隷を買ったらどんな事をしても良いらしい。
よく金持ちのサイコ野郎とかが買ってオモチャにするんだって。怖っ。
コイツらは非合法の奴隷オークションに出される手筈だったんだって。闇のオークションかな。
お前らこれからどうすんの?って聞いたら、残った大人の奴隷共は、元いた村に帰れないし帰る方法も無いから王都で仕事探して生きていくって言ってたな。
おうち帰りたい組はガキ共だけだったな。当たり前か。
お前らの住んでた所って何処なの?ってガキ共に聞いたら、大体が「村。」って答えやがった。
場所聞いてんだよ、村だけでわかるか馬鹿共め。
奴隷も半分位まで減って、王都には明日着くって所まで来た。
今日はもう早めに寝て、明日の朝早くに出発するらしい。夜明けに出発すれば昼過ぎには王都に着くんだと。ようやくかよ。
ゲコ達と奴隷共は野営の準備をしている。奴隷共も慣れた手つきで色々やってる。
俺はいつの間にかメシ係にされてた。
また串焼きしようかと思ってアイテムボックスの中を見たんだけど、もう肉が殆ど無いぞ?こいつら馬鹿みたいに食ってたもんな…。あんま肉無いし、アイテムボックスを作り変えた時に見つけたあのカラッカラになったキノコと残った肉でスープでも作るか。肉とキノコはちょっとだけ残しておこ。
ゲコに鍋を借りて、キノコと肉のスープを作っていたら、なんか馬に乗った女騎士っぽいのが10匹、近寄ってきた。肉足りないからお前ら鍋に入ってくれない?馬でもいいよ?
てか、ザ・女騎士って感じの奴等だな。くっ…殺せ!とか言いそう。
そう思っていると女騎士が話しかけてきた。
「私は、フジイ王国王国騎士団第2部隊隊長のマリア・オーデンだ。責任者は今すぐここへ来い。」おでん?あ、丁度出来たしこいつらもスープ食うかな?
「なあ、お前らもスープ食う?」「っ!?なんだお前は!?」「スライムだけど?」「そ、そうか…。」
俺と女騎士のやり取りを見て、ゲコがこっちに走って来た。なんか焦ってない?
「大変失礼致しました!私は商人のゲコでございます!コレは護衛の冒険者でございます!どうなさいましたか!?」
「なあ、もうスープ出来たけど食う?」「後にしてくれ!」「なんだよ。」ゲコ焦ってるよ。なんで?
「商人?では聞こう、あの女性達は商品か?」
「いいえ違います、私は銅級商人ですので。あの女性達は盗賊から保護いたしました。」
「盗賊?詳しい説明を頼む。」「なあ、スープ食わないの?」無視かよ。お前鍋に入れるぞ。
女騎士とゲコは暫く話をしていた。
話し終わると、俺に盗賊の首を見せろと言ってきた。
首を取り出して見せると、何故か引いている。なんで?
「何故頭の中身をくり抜いている…?この頭の中に入っているものは何だ…?」女騎士が盗賊の頭の中を見て引いている。あ、石鹸抜き取ってないのも渡しちゃった。かえして?
「石鹸だけど?こいつらの脳みそ抜いて入れた。」「せっ…何だと!?」「容れ物なかったんだもん。いい匂いするからいいじゃん。あ、脳みそ食べる?」「貴様ッ!」あ、石鹸抜き取っておこ。女騎士から盗賊の頭を取り返して石鹸を抜き取っていると女騎士がキレだした。
「そこへ直れ!」「なんで?」「口答えするな!」「なんだよ。」「貴様ッ!」「怖っ。」
女騎士にめっちゃ怒られた。なんで?
死者への冒涜だとか言っていつまでもギャーギャー怒ってたな。もう死んでんだからいいだろ。
スープが焦げないように時々かき混ぜに行ったら「動くな!」と更にブチギレられた。何怒ってんの?
長い説教が終わった後、女騎士共もここで一晩過ごすと言い出した。もう帰るには遅すぎるんだって。お前がいつまでもギャーギャー騒いでたからだろ。てかメシ足りなくね?
仕方なく俺は残ってた肉とキノコを全部使ってまたスープを作った。女騎士共がなんかの道具でスープを鑑定して毒が無いのを確認した後食ってたな。毒なんか入れるかよ。鍋溶けんだろ。
メシ食った後、夜の警備は我々に任せろとか言われたけど、俺眠れないんだよな。
どうせする事無いし、ついでに夜警しながら女騎士共とお喋りしてた。
魔術学園に通うって言ったら、今年の入学試験の受け付けはもう締め切ったんだって。マジかよ。1年もどうしよう…。
翌朝、夜明けと共に俺達は女騎士共と一緒に王都まで行くことにした。朝飯はスープの残りと女騎士共が持ってたパンと干し肉だったな。
この世界のメシってあんま美味くないんだよな。別に食わなくてもいいんだけど。
ゲコが言ってた通り、昼過ぎ位に王都に着いた。
でっけぇ街…過去イチじゃん…。王都だし当たり前か。
街に入るのに結構時間かかるんじゃねと思ったけど女騎士共が優遇してくれて列に並ばずに街に入れた。やったね。
その後奴隷共は女騎士に何処かへ連れて行かれた。なんか色々手続きがあるんだと。なぜかエルフのガキだけは俺と一緒に居たいと言って残った。行けよ。
その後ゲコから報酬を貰った後、アカメに連れられて兵士がいっぱいいる所に行った。チクチクも一緒に連れて行った。
兵士に盗賊共の生首を全部渡したらドン引きされたけど、けっこうな額の賞金が貰えた。あの石鹸入れは結構な額の賞金がかかってたみたい。やったね。
賞金を俺とアカメとチクチクで3等分して余った端数は俺が貰う事にした。チクチクは私何もしてないよ?って言ってたけど別に良くね?って言って渡しておいた。喜んでたな。
その後俺達は解散したけど、このガキどうしよう…。とりあえず宿取るか。
俺はギルドに行って宿を見繕って貰うことにした。あ、魔王の家も教えてもらお。
俺とガキはギルドに向かった。




