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変なスライムの物語  作者: フラフラ
変なスライム、現る。
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王立総合研究所のエルフ

ギルドをでた冒険者達はそのまま街の中心部へと向かって歩き出した。出ていく時に鑑定した激ヤバ受付嬢がニヤニヤしながらこっちを見ていたがもしかして鑑定したのがバレた?。まぁバレた所でこれから売られてなんやかんやの実験でもされてずっと閉じ込められるんだろうし、もう会うことは無いだろう。しばらくすると、冒険者達の足がさっきのギルドよりデカい建物の前で止まった。

「ここだ。アイツまだ居るかなぁ?まぁ、居なくても受付に預けて明日行けば良いか。」ゴリラがそう言った。

「もうすっかり暗くなりましたし、居なくても仕方ないんじゃないですか?」雑魚農民がそう答えた時、扉が開いて誰か出てきた。

「おやぁ?それはスライムかね?と言うことはそれは特殊個体かね?」

え、コイツがエルフ?。赤毛のボサボサ頭に弛んだ体型のジトォ…っとした目付きの喪女みたいなのが?嘘…。何か損した気分。なんか青臭いし。雑魚クソ農民もなんだかえぇ…と言いたげな顔をしている。

「おぉ、帰るところだったのか。また明日の朝にでも来ようか?」「いや、構わんよ。さぁ、私の部屋に来てくれたまえ。あ、そうだ。コホン、王立総合研究所へようこそ。私がここの所長のローズ・オーク・ビオラだ。」ここ、王立総合研究所っていうのか。偉そうなブス。

喪女が扉をガバっと開いて俺達を中に招き入れた。中に入ると殺風景な広間と可愛らしい感じの受付嬢がいた。

「所長?どうされました?。」「ん?私の客さ。君はもう帰っても構わないよ、私が鍵をかけておくからさ。」「そうですか、では先に失礼いたします。」

受付嬢は軽くお辞儀をした後、受付の奥の部屋に入っていった。

エルフってさぁ、もっとこう…サラっとした長い金色の髪にスラッとした体型の、キリッとした顔付きのを想像してたんだけど。あ~あ、残念。

がっかりしていると、ゴリラが何かを察したのか、俺をポンポンと叩く。

青臭い喪女と俺と冒険者達は、受付の横の階段を上がり奥の部屋に入った。

部屋の中は酷い有様だ。机の上や床に書類の山が積み上がっていて、あちこち崩落して散らばってる。

きったねぇ…。ガサァ、ドンッ。ソファーに積み上がった書類を持ち上げ、床に落として「まぁ、かけたまえ。」と一言。それ研究資料じゃねえの?扱い雑すぎない?「相変わらずきったねぇ部屋だぜ。紙魚が湧くぞ。」と、言って慣れた様子でソファーにドカッと座るゴリラ。ゴリラの隣に顔を顰めた農民が座る。向かいにあるソファーの書類の山をなぎ倒して、その上に座る喪女。脚ガッパァと開いて座んな。嬉しくないものが見える。

「では、確認しようではないか。机の上に置いてくれたまえ。」「俺が鑑定したんだから確かだぜ、ほらよ。」ゴリラが机の上に俺を置くと、喪女が鑑定してきた。ついでに俺も喪女を鑑定

種族:ハイエルフ

名前:ローズ・オーク・ビオラ

年齢:2077

性別:女

レベル:77

体力:710

魔力:960

物理攻撃:480

物理耐性:520

魔法攻撃:760

魔法耐性:580

速度:270

スキル 鑑定100 種族固有魔法100 棍棒術100 体術85 弓術20

称号 博士 魔導師

あだ名 残念エルフ


農民以上、ゴリラ以下。ステータスが離れすぎてて、強いのか弱いのかイマイチわからん。一応種族固有魔法?ってのは使えるみたいだけど、エルフの癖に矢を射掛けるんじゃなくて棍棒で殴ってくんのかよ。弓術ひっく。それにこのあだ名って項目、前から気になってたけど、あだ名ってより陰口かなんかだろ。あと、ミドルネーム?がオーク…。多分木の方のオークなんだろうけど、見た目からしてあのファンタジーお馴染みのあいつらしか思い浮かばん。棍棒使うし。

「ん、確かに名持ちの特殊個体で間違いないな。だが…。」「どうした?」「どうしたんですか?」何か引っかかったようだ。そりゃそうだ。俺、元人間だし。

「名持ちの特殊個体、それは間違いないのだがな…。まだ、何かあるのだよ。彼女ならもっと詳しく判るのだが…。仕方ないな、また明日の朝に来てくれたまえ。」まだ誰か鑑定してくる奴いんのかよ…。鑑定スキルって割と皆持ってんの?と思っていると「あぁ〜、クロなら判るだろうな。」とゴリラが言った。「クロって誰なんですか?」農民と俺は同じ事を思っていたようだ。すると2人揃ってこう言った。「魔王の事だ(さ)。」

魔王!?魔王いんの!?「えっ!?魔王!?」農民と俺は驚いた。「居るぞ、魔王。今、この街に滞在してる。一応あいつの監視役って事で俺はこの街に滞在してるからな。」マジかよ。「毎年春頃に来るからねぇ、彼女は。」棍棒エルフも慣れた様子でそう言った。農民は青い顔をしている。なんで魔王が毎年春にこの街に来るんだよ。「な、なんで魔王がこの街に?それも毎年?何の目的で?」農民が震えながら聞くと、また2人揃ってこう言った。「イモ祭。」「えっ?」「イモ祭。」

イモ祭…。

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