表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変なスライムの物語  作者: フラフラ
変なスライム、現る。
4/146

街と同胞

どうやら、この体の全速力は人が歩くより遅いらしい。

持ち上げられて、ロープで縛られて大男の腰にぶら下げられた。

漁港にある網に入ったボールの気分だ。

「コイツ滅茶苦茶遅かったな。街の外周を走り回ってるアレとは大違いだ。」

街の外周を走り回ってるアレ?何か変な奴がいるもんだな。と思っていたら若い男も気になったらしい。

「クリスさん、街の周りを走り回ってるアレってなんですか?」

俺を捕まえたゴリラはクリスって言うのか。覚えたぞクソゴリラ。

「ん?そういえばマーカス、お前が街に来たのって1ヶ月位前だったな。お前が来る少し前までな、街の外をグルグルと走り回ってるスライムが居たんだよ。コイツと同じ種類のな。多分そろそろどっかから戻って来ると思うぞ。何故か冬に何処かへ行って、春頃に帰ってくるんだ。」

同胞だったか。そして若い男はマーカスって言うのか。

「へぇ~、そいつも特殊個体なんですか?」

「あぁ、そいつも名持ちだぞ。まぁ、名前って言って良いのかわからんがな。」

「なんて名前なんですか?」

「恐るべし。」

「えっ?」

「名前だよ、恐るべしって名前なんだ」

「恐るべし…。」

スライム、恐るべし…。

暫くの間2人は何も喋らずにただ歩き続けた。

逃げられないし、今のうちに鑑定レベルを上げておこうか。弱点とか分かるかもしれないし。とりあえず、無差別に鑑定し続けよう。

陽も傾いてきた頃には鑑定レベルが80になった。

その時、ゴリラが喋った。

「このままだと街の門が閉まるギリギリだな、少し急ごうぜ。」

「そうですね、急ぎましょう。」

これから俺は売られるんだ。その前に、鑑定レベル上がったし、俺を捕まえたこいつらの事を鑑定してみよう。


鑑定

種族:人間族

名前:マーカス 苗字無し

年齢:16

性別:男

レベル:22

体力:120

魔力:90

物理攻撃:100

物理耐性:80

魔法攻撃:0

魔法耐性:0

速度:80

スキル 剣術25 体術:40

称号:無し

あだ名:農民小僧

コイツ農民の冒険者かよ。ゴリラは?似たようなもんだろ。


鑑定

種族:人間族

名前:クリス 苗字無し

年齢:26

性別:男

レベル:201

体力:6800

魔力:2200

物理攻撃:9700

物理耐性:8200

魔法攻撃:1500

魔法耐性:6000

速度:3000

スキル 鑑定100 大剣術:100 剣術:100 体術:100 火魔法:75 回復魔法:50

称号:守護者 豪傑 限界突破者

あだ名:大剣ゴリラ


すっごい化物だった。 こいつのデコピンで俺は死ぬんじゃないか?


「ん?またコイツ、俺たちを鑑定したぞ。しかも鑑定レベルがかなり上がってるな。」

「こいつは鑑定しかしないスライムなんでしょうか?」

「わからん、コイツらの特殊個体は繰り返す行動がたまに変わるんだ。あの走る奴も最初は1時間おきに近くの水に浸かるってのを繰り返してたからな。」

「詳しいんですね。その変なスライムの事をずっと見てたんですか?」

「んな訳あるか、街に特殊個体のスライムの研究をしてるエルフの女が居てな、そいつがたまにギルドの掲示板に情報を貼りに来るんだよ。」

女エルフが居るのか、リアル女エルフ…どんな奴だろうか。


しばらくすると、でかい城壁みたいなのが見えてきた。

城壁の堀の周りに線のようなものがある。

何の線だろうと思っていたらゴリラが農民小僧を止めた。

「おっ、ちょっと待て。向こうから例のスライムが来るぞ。あの線に近づくなよ。」

「当たったら怪我したりするんですか?」

まぁ、猛スピードで走る?スライムなんだし、当たれば骨折位はするだろう。

「いや、こっちにダメージは無いんだが、別の問題がある。当たったらあのスライムが死ぬ。」

「えっ?」

速く動けるのに?なんで?と思っていると、あの線に沿って同胞が土煙を上げながら異常な速度で進んでいた。あの線は同胞が走った跡だったのか。

「やっぱ帰ってきてたか。久しぶりの光景だな。春が来たって気分になるぜ。」

とりあえず、あの同胞を鑑定してみよう。

鑑定

種族:スライム(特殊個体)

名前:恐るべし

年齢:12

レベル:2

性別:無し

体力:25

魔力:20

物理攻撃:10

物理耐性:15

魔法攻撃:15

魔法耐性:15

速度:4200

スキル 無し

称号 疾風

あだ名:暴走スライム

速度だけゴリラより上なのに他は俺とほぼ同じかよ。ゴリラも鑑定をしたみたいだ。

「おっ、前より速くなってんぞ。もう俺じゃ追い付けねぇな。」


どうやら前は、ゴリラより遅かったらしい。


「クリス〜!早く来い!門を閉じるぞ〜!」


門番がそう叫ぶと、俺をぶら下げたゴリラと農民小僧は急いで街に入った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ