オレっ娘スケルトン
解体部屋を追い出された俺達は、カウンターの前で待つことにした。暫くすると、ガイコツが肉と毛皮と角を持って来た。凄い量だな。
「ホラよ、アントラーラビット12匹分。解体代は銀貨1枚と小銀貨1枚だけど、銀貨1枚にしといてやるよ。」「ありがとうございます。はい、銀貨1枚です。」ウサギの解体は1羽で銅貨1枚か、500円位?そんなもんなの?そう思っていると、ガイコツがこっちを見ている。なんだよ。
「なんだよ。」「一応聞くけど、お前転生者だよな?」「そうだけど?」なんで分かった?もしかしてお前も?
「なんでスライムなんか選んだんだよ?」このガイコツも転生者かよ。まぁ、モンスターだしな。
「なんか勝手に決められた。」「ハァ?ンだそれ?」
俺はコイツにも俺の転生の話をした。話し終わると、ゲラゲラ笑われた。なんだよ。
ついでに、来てはいけない筈の存在だって事も話した。話し終わると、ガイコツが固まっている。なんだよ。
「生きてる?」「見りゃわかんだろ。」「お前ガイコツじゃん。」「あぁ?」「サーセン。」このガイコツ、チンピラか?そう思っていると、ガイコツが自分の事を話し始めた。
こいつも元日本人らしく、名前は戸川晃って名前らしい。アキラってどっちの性別でも使えるな。
300年位前に転生して来たんだと。元の世界で16歳の時に酒飲んで喧嘩して刺されて死んだらしい。色々と何やってんのこいつ?
ガイコツを選んだ理由は、痛みを感じないのと、不死身なのと、カッコいいからなんだと。格好良い…?まぁ、あの高笑いするヒーローも骸骨頭か。こうもりだけが知っている。
ガイコツってバラバラにされたら終わりじゃね?って言ったら、「ンなもん強くなりゃいいだけだろが。」だって。
脳筋か?もう脳も筋肉も無いか。それ俺もじゃん。
声は女だけどオレって言うから一応、お前って男?女?って聞いたら、「オレは女だ、ボケ。」ってキレられた。う〜ん、オレっ娘…。
ギルドで働いてるし、もしかしてコイツもヤバ嬢みたいな特別職員か?って思ったけど、どうやら違うらしい。
金が尽きたからギルドでバイトしてるんだと。バイトとかあるの?まぁ冒険者自体が異世界人が作ったシステムだし、あり得るか。
因みに、金が尽きた理由は博打だって言ってた。コイツの前世、絶対にカタギじゃないだろ。
そんな感じで自己紹介が終わると、ガイコツ女がこれからどうすんだ?って聞いてきた。なんかダンジョン行くって言ってたよな。ゲイリーに聞こ。
「なあ、俺らってダンジョン目指してるんだよな?」「そうだな。まだこの街から2〜3日は歩かないといけないな。」「馬車は?」「残念ながら、やっぱり無かったな。また徒歩で移動だな。」「ざんねん。」俺達が話していると、ガイコツはダンジョンの事が気になったようだ。
「ダンジョン?何だそりゃ?」お前300年もこの世界に居てダンジョン知らないのかよ。何して生きてきたんだ?そう思っていると、ゲイリーがガイコツ女に説明しだした。
「知らないのか?ここから南の街にある、結構有名なダンジョンだぞ?」「へぇ、知らねぇな。どんな所だ?」「どんなって、ダンジョンはダンジョンだろ。」「ンだよそれ。」
コイツ剣と魔法の世界に転生したのに考えなかったのかよ。もしかしてアニメとか見ないタイプ?ゲームとかもしないタイプ?そういやコイツ16で酒飲んで喧嘩して殺されるような奴だったな。そんな事を思っていると、他の仲間たちが来た。
「リーダー、時間かかってるけど…って、スケルトン!?」「何でこんな所に!?」「もしかして…グミと同じ…?」
ケイン達焦ってるけど、お前らのパーティーに喋るスライム居るの忘れてない?ペネロペは察しが良いな。
「ア?ンだテメェら?」「仲間だ。パーティーを組んでいる。」「へぇ〜。」なんか品定めするような目付きだな。目は無いけどなんとなくわかる。もしかしてコイツ、鑑定してる?聞いてみよ。
「お前鑑定使えんの?」「使えっけど、お前も?」「異世界人と限界突破した奴と一部の種族は使えるって魔王が言ってた。」「魔王?あぁ、あの気味悪いガキか。」
お前も魔王と会ってたのかよ。
あいつ暇なの?そういや、ゲイリー達の事を鑑定しようとしたら魔王に邪魔されたんだっけ。
またケツ叩くとか言われるのも嫌だし、いいか。
そう思っていると、ガイコツが騒ぎ出した。
「っせぇなぁ!テメェずっと見てたのかよ!?ケツだぁ!?叩けるもんなら叩いてみやがれ!ブッ殺すぞクソガキ!」また魔王がケツ叩くとか言ってるみたい。
「俺もそれ言われた。」「テメェもかよ!?アイツと会ったの200年前だぞ?何だあのガキ。」
なんで魔王って人のステータスを鑑定しようとすると止めるんだ?何か理由あんのかな?そう思っていると、ゲイリーが「お前と初めて会った時も似たような事を言っていたな。」と言った。
「なんか魔王がずっと見てるみたい。」俺がそう言うと、ケインがクスクス笑いだした。
「なんだよ。」「いや…お前が、キャー!覗きよー!衛兵さーん!とか言ってたのを思い出して…ププッ…。」「あったわね…そんな事…フフフッ…。」アリスも笑い出した。
なんだよ。
ガイコツ女がゲラゲラ笑ってる。やめて。
「さて、燻製を仕込んだら今日はもう寝て明日出発するか。」ゲイリーがそう言うと、ガイコツがダンジョンの事を教えろって言い出した。
そういや話の途中だったな。
大体分かってるつもりだけど、俺も気になるな。そう思っていると、ゲイリーが詳しく教えてくれた。
って言っても、異世界物あるあるのダンジョンだったな。
モンスターが出て、倒すと何かしらドロップして、いい稼ぎになる。
いい稼ぎになるって聞いた途端に、ガイコツの目の色が変わった。目は無いけど変わった。俺も目は無い。
「へぇ~そんなに稼げんなら、オレも連れて行ってくれよ。」
お前、俺より街に入るの苦労しそうだぞ。そう思っていると、ゲイリーが、それならお前もパーティーに入るか?と言い出した。なんで?
ガイコツはパーティーの事も知らなかったらしい。お前どうやって生きてきた?
なんか知らないけど、ガイコツもパーティーに加わる事になった。
受付にカードを渡して、すぐ登録が終わったみたい。
「じゃあ自己紹介すっか。オレは戸川晃。アキラって呼んでくれ。ランクはC。武器は手に持つ奴なら大体使えんな。素手も得意だぜ。」まぁ、酒飲んで喧嘩して死ぬような奴だし、前世から戦い慣れてるか。ランクCって強くね?
何故かガイコツがパーティーに加わった。
なんで?




