夜の街のヤベーやつら
魔王の説明を聞いて、俺はあのクソ神をぶっ殺しに行くことに決めた。そうなると、もっと強くならないとな。また湖でトレーニングするかな。でも、レベルアップもしたいな。冒険者登録してるし、ギルドでゴブリンかなんか殺す依頼無いか聞いてみよう。そう考えていると、魔王が「おや、ふふふ。」と笑った。なんだ?
魔王の視線の先には、丸まって寝ているモブ子が居た。丸まっててもデカいなコイツ。
「昔と変わらんのぅ…。」おばあちゃん全開じゃん、この魔王。「お前ももう寝る?」「そうじゃな。お主はどうする?。」
そう聞かれたが、俺眠れないの知ってんだろ。
なんかこのままここに居るのもなぁ…。
あ、そうだ。今更だけど俺、この街の事、全然知らないんだよな。未だに街の名前すら知らない。
行った事があるのも、冒険者ギルドと、商業ギルドと、ここと、キャベツん家と研究所位じゃん。門からほとんど離れてなくね?行動範囲が、犬の散歩以下じゃん。
「街を探検して来るわ。朝には戻って来ればいい?。」「別に戻って来んでも構わんぞ。」「おばあちゃんひどい。グミちゃん泣いちゃう。」「さっさと行け。」「ウッス。」
俺は魔王の家から出た。どこへ行こうか。とりあえず、街の中心に向かってみるか。何かあるだろう。
暫く、大通りっぽい道をウロウロする事にした。見覚えのある奴が鼻の下伸ばして歩いてる。クソ農民だ。キモっ。何処行くんだろ。
俺は農民の後を付ける事にした。
農民の後を付けてたら、なんかドレスを着た色んな種族の女がいっぱい居る場所に…ここ娼館通りかよ!。あいつこんな所通ってんの?なんかムカつく。あとでボコろう。
農民は、迷う事無く建物に入っていった。建物の入り口に、ビーストピアって書いてる。ビースト?まさか…。「ウルフィーネちゃ〜ん!」「あら、マーカスじゃない。お部屋行こっか。」「うへへ。」キモい笑い声。ウルフィーネ?これ、確定じゃね?。
こっそり覗くと、スケベ農民ががっつり獣人女と並んで階段を上がっていく。マジかよ…体型は人間でドレスも着てるけど、毛むくじゃらで尻尾もあるよ…。顔とかほぼ狼じゃん。
明日、あのスケベ農民を見かけたらボコろう。俺は娼館通りを後にした。
暫くウロウロしていると、酒場の集まってる通りに来たみたい。飲み屋街かな?どこの世界も同じような感じだな。あちこちで酔っ払いが殴り合ってるのを除いては。
この世界ヤバくない?
しばらく進むと、知らない冒険者達をボコボコにしている見覚えのある奴らが居た。
ゴリラとヘタレパーティーじゃん、お前らもかよ!?ベロベロじゃん。声かけに行こ。
「おい、ゴリラとヘタレパーティー。」「ぉお〜!!グミじゃあねえかああ~!!ガハハハ!」ゴリラが自分と同じくらいデカい奴を片手で振り回して投げ飛ばした。バケモンかこいつ?。バケモンだったわ…。
「ギャハハハハ!!」フワフワ女がヤバい笑い方をしながら杖で弓使いを殴ってる。弓使いが虚ろな顔をして殴られている。死ぬぞ?
「あ、変なスライム。魔王は見つかったのか?」男剣士は素面だけど、顔中引っ掻き傷だらけだ。なんで堂々としてんの?その傷、猫とでも戦ったのか?。
「すぐ見つかったぞ。ギルド出てすぐの所で、芋食ってた。」「そうか、良かったな。」
痛みとか感じないの?なんか引くわ。
知らない冒険者をボコり終えた女剣士が、俺に気付いたようだ。「ンだテメェ!?クソスライムかよ!ヤベー奴んとこ連れて行きやがって!!ぇえ〜!?クソがよぉ!!」女剣士がチンピラみたいになってる。拳は血で真っ赤だ。
「ギャハハハハ!!」フワフワ女が笑いながら杖で冒険者を殴っている。弓男は気絶したようだ。痙攣してるぞ?大丈夫か?
「ザッケンナコラー!」
女剣士が倒れた冒険者を蹴飛ばして叫んでる。
何処かで聞いたぞ、そのセリフ。
俺は街の探索を続け、日が昇る頃に魔王の所へ戻った。
そういえば、キャベツは見かけなかったな。あとハゲも。




