冒険者ギルドの騒動
ちょくちょく修正します。
俺とパーティーは、ギルドの前に着いた。と言っても、門からすぐなんだけどな。
ギルドの扉を開けようとすると、何だかギルド内がえらく騒がしい。何かを殴る音や、悲鳴が聞こえてくる。喧嘩かな?
「何か騒がしくない?」俺がそう言うと、「祭りもあるし、どうせ俺達みたいな別の所から来た奴が暴れてるんだろ。」弓男は、よくある事だ、とでも言わんばかりの反応だ。
この世界の奴等、血の気多すぎない?。頭戦闘民族かよ。
とにかく中に入ろう。俺は取手に触手を伸ばし、扉を開いた。
開けてすぐの広間は、冒険者でごった返している。でも、なんか様子がおかしい。人混みを抜けると、カオスな光景が広がっていた。
あのヤバい受付嬢が、双剣をクルクル回しながら半笑いで立っている。受付嬢の足元に、バラバラになった人だった物が散らばってる。お前がやったの?。グロっ。
受付嬢の足元のぶつ切り肉に縋り付いて、レオって泣き叫び続けてる女がいる。あの肉は、レオって名前だったのか。何やらかしてそうなった?。なんかおいしそう。
ヤバい受付嬢の後ろには、顔を腫らし、服をビリビリに破かれて泣いている受付嬢が、ハゲと魔法使いに魔法をかけられている。あの肉に襲われたのかな。ハゲ達がかけているのは回復魔法?。あ、ハゲ居た。
泣いてる受付嬢の横の階段近くで、ビキニアーマーを着たおばさんが、冒険者をタコ殴りにしている。
おばさんのビキニアーマー…。うわキツ。
とりあえず、ハゲにこのカオスな状況と、ゴリラか魔王の居場所を聞いてみよう。一応、ギルドマスターだし。
俺はハゲに話を聞くことにした。
「おいハゲ、この状況何?。あと、ゴリラか魔王どこに居るか知らない?。」そう言うと、ハゲがこっちを睨んできた。何睨んでんだ、このハゲ。
「あ?あぁ、お前か。見ての通りだ、後にしろ。」ハゲにあしらわれた。
連れてきた4人は、青い顔をしている。何だよ、別におかしな事でも無いんだろ?。仕方ない、気乗りはしないけど、ヤバい受付嬢に聞くか。機嫌良さそうだし。
「おい、この状況何?。」ヤバい受付嬢がヌルっと此方を向いて、ニタァ…と笑った。本当こいつ気味悪いな。
「アァ〜、グミちゃんだぁ。強くなったねぇ〜。コレがねぇ、あの娘にさぁ、ちょっかいかけたからねぇ。ちょっと痛めつけたぁ〜。」相変わらずニタニタしながら、バラバラの肉を蹴ってそう言った。縋り付いてる女が「ヤメテ!!」と叫んでる。もう死んでんだから良いだろ。
ていうか、ちょっとどころの状態じゃねぇだろ。痛めつけたって…バラバラじゃん。なんか女がぶつ切り肉に縋り付いてずっと泣いてるし。あと、いつ鑑定した?。怖い怖い怖い。
「あっちのおばさんが殴ってるのは?」相変わらず冒険者をボコってるおばさんを、棍棒で指して聞いてみた。
「知らなぁ〜い。喧嘩じゃないのぉ?。」知らないのかよ。あのおばさん、ずっと無言で殴り続けてるんだけど…。ボコられてる方、ぐったりしてるじゃん。怖っ。
連れてきた4人はガタガタ震えている。良くある事らしいのに、ビビり過ぎじゃない?やっぱこいつらもヘタレ?まぁ、聞いてみるか。
「なぁ、こういうのよくあるの?」そう言うなり、剣士の女がヒステリックに叫んだ。
「ある訳無いでしょ!?。こんな状況なのに、アンタ頭おかしいんじゃない!?」キレられた。
「いや、この世界の常識とか知らないし。何キレてんの?生理?」思いっ切り蹴られた。なんだよ。あ、蹴られたのに死んでない。強くなってる。やったぜ。
どうやら、よくある事では無いらしい。
「おぉ~、やってんな!」聞き覚えのある声が扉の方からした。ゴリラじゃん、ステータス見せたろ。
「おっゴリラじゃん、久しぶり。ところで、俺のステータスを見てくれ。こいつをどう思う?。」ゴリラが俺に気付いた。 「ん?グミじゃねぇか!。どれどれ…?。Eランクの上の方位だな、速度はなかなかだぞ!まぁ、冒険者としてはまあまあだな。いや、スライムからすれば大したもんか、ハハハ!」まあまあらしい。成し遂げたぜ。
ゴリラと喋っていたら、ビキニアーマーおばさんが、冒険者をボコり終えたみたい。「ペッ。」唾吐きかけたよ、このおばさん。チンピラか?この痴女。
おばさんは、食堂に入っていった。何で誰も気にしない?あの格好って普通なの?おばさんがしたら駄目な格好だろ。うわキツ。
「ところで、俺に何か用か?それとも、クロにか?。」あ、そうだった。魔王に鑑定持ちの事聞くんだった。「魔王探してんだけど、今何処?」「あぁ~…。イモ祭の真っ最中だしなぁ、その辺に居るだろ。」その辺って…。お前監視役じゃないの?前から結構頻繁に放置してるよな。一応って言ってたし、形だけの監視役か何かなのかな。取り敢えず、魔王を探しに行こう。あの4人は…ゴリラに押し付けるか。全冒険者の憧れみたいだしな。あと、単純にあいつら邪魔だし。
「おいお前ら。俺は魔王探しに行くから、ゴリラに遊んでもらえ。おいゴリラ、こいつらの面倒みてやれ。じゃあな。」「おう、構わねぇぜ。行って来い。」「あっ、おい。」
男剣士が何か言おうとしたが、俺は無視してギルドを出た。魔王どこ?