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第25話 ビニ公爵邸に着いたけれど・・・・・・ ヴィッキー視点

本日もお読みいただきありがとうございます!


拙い作品ですが

楽しんでいただけると嬉しいです。


.  ∧_∧

  ( *´∇`*)〃

  γ⌒;´-ヽ〟

  (∪(   )

  ∪∪V ̄V ペコリ♪



 メドフォード国との国境に着くまでに、他の貴族の領地をいくつも通った。その都度、領地通行料を課され、この経路でメドフォード国まで行くことは愚かだと笑われた。




 リゼめっ! 優秀だと思っていたのにがっかりだわ。ラバジェ伯爵邸に戻ったら、思いっきり鞭で打ってやろう。




 メドフォード国側の国境検問所では荷物検査をされ、全部のトランクを開けて隅々まで調べられた。




「不敬罪で訴えられたくなかったら、すぐに通してちょうだい。私はボナデア・ビニ公爵夫人の妹で、これから訪ねにいくところなのよ」




 そう主張しても、メドフォード国側の国境警備隊員は顔色ひとつ変えない。




「これは、禁止品や違法物の持ち込みを防ぐために行われる大事な検査です。例え、王族と親族であったとしても省略はできませんよ」




 彼らは冷たくあしらうだけでなく、さらに私の荷物を徹底的に調べていた。理由は私達の訪問先がビニ公爵邸だったからだ。




 国籍や身元を確認するための手続きとして、身分証明書の提示も強いられて、ここでも通行料が請求された。今まで払った領地通行料が高すぎたし、ここでは人数に応じた金額になるという。




 まずいわ・・・・・・お金が足りない。




 どんなに頼んでも、全額の通行料を払わなければ許可できないと、通行拒否をされてしまう。私達はしぶしぶ引き返し、ラバジェ伯爵邸に戻った。





「リゼ、リゼ!」




 ラバジェ伯爵邸に戻ると、早速リゼを呼びつけて、きつくお仕置きをしようとしたのに、その姿はどこにもなかった。執事にリゼの行方を聞くと、私達が出発してすぐに、母親の病気を理由に辞めたとのことだった。




「母親の側にずっといてあげたいと申しておりました。あんなに有能な侍女だったのに残念です」




「タイミング良く辞めたわね。癪に障る!」




 いない者に怒りはぶつけられず、イライラしながらも、なんとか気持ちを落ち着けた。再度の出発は、通常の街道を進むことに決めたのだった。




 


 


☆彡 ★彡




 




 やっと到着したビニ公爵邸は、予想をはるかに上回る豪華さで、ラバジェ伯爵邸とは大きな違いがあった。それにメドフォード王国はシップトン王国よりもずっと寒かった。




 門衛騎士から不審者扱いされ、なかなか門の中に入れなかったが、庭園に庭園用灯具がつき始めた頃に、漸く入ることを許された。




 どこもかしこも、お金がかかっている様子で素晴らしいし、センス良く季節の花々が植えられていた。スノードロップ(ギャランサス)は、雪の下から静かに頭を出し、純白の花弁を広げていた。クリスマスローズ(ヘレボルス)は濃いピンクの花を咲かせている。その花弁は氷の結晶のように美しく、寒冷な季節にぴったりだった。




 不思議なのは、これほど寒いのに水が凍らず、噴水が水しぶきを上げていることだった。馬車から降り立ち、その水に触れてみると、なんとやはり温水だった。すぐ側にある池の温度調整も適切に行われているようで、色鮮やかな魚が元気に泳ぎまわっていた。




 いったいどういう仕組みなの?




 出迎えてくれた厳めしい顔つきの家令が、錬金術師グレイトニッキー様の発明した魔道具のお陰です、と教えてくれた。


 シップトン王国には錬金術師もいないし魔道具もないから、少しだけ羨ましく思った。






 私は屋敷のなかに足を踏み入れた瞬間、その豪華さに圧倒された。けれど、すぐに玄関ホールにいた男性二人の方に見とれてしまう。




 一方の男性はすらりと背が高く、細身ながらも均整のとれた身体をしていた。高い鼻梁と形の良い唇に、サラサラの艶やかな金髪が美しい。繊細で優美な顔立ちは、ため息が漏れるほど美しかった。


 彼の服は紺色のベルベットで作られ、素晴らしい光沢を放っていた。袖口や襟には金糸で織り込まれた繊細な刺繍が施されている。腰には細い革のベルトが巻かれ、それにはメドフォード王国の紋章が刻まれたバックルが取り付けられていた。




 


 もう一方の男性は鍛えられた肉体と逞しい体つきだった。鋭く輝く青い瞳は自信に溢れ、堂々とした風格がある。


彼の顎はすこしばかり角張り、力強い印象を与え、精悍な顔つきが男らしさを際立たせていた。




 おまけに彼の指輪は白金で作られており、その表面にはメドフォード王国の紋章が精巧に彫り込まれていた。まさか、王位継承者の象徴としての指輪?




 ということは、この方はカーマイン王太子殿下!




 二人の王子達は、新聞や雑誌などの挿絵で見るより、何倍も素敵だったので気づくのが遅すぎた。




「はじめまして。私はバークレ男爵家のココと申します。お会いできて光栄ですわ。これって、運命だと思いませんか?」




 ココが私を押しのけて、彼らにすり寄り甘えた声をだした。




「ちょっと、ココ! とても失礼ですよ。その方達に触ってはいけません!」




 私は声を張り上げてココを後ろに引き寄せようと試みたが、その瞬間、こちらに近づいてきた令嬢と目があった。彼女は非常に美しく、素晴らしいドレスに身を包んでおり、まるで女神のようだった。




「え? どなたですか?」




 その女性が返事をする前に、ボナデアお姉様も姿を現す。ボナデアお姉様の横にはビニ公爵。後ろには・・・・・・多分・・・・・・まずいわ。




「ソフィをヴィッキーお姉様に返してください。いくら、子供に恵まれなかったからって、姪を誘拐するなんて恥ずべきことです! それから、これは家族の問題なので、誰も口を挟まないでくださいね。ボナデアお姉様の招待でここにいる皆さんも、少しは気を利かせてお帰りになったらいかが?」




 ジョハンナがあり得ない言葉を放ったのだった。



たくさんの小説の中から拙作をお読みくださりありがとうございました。

面白い、と思っていただけたら

評価もしていただけると執筆の励みになります。


    

  / ̄ ̄ヽ ̄ ̄\

 ∠  レ |  ⌒ヽ

  \__ノ丶  )|

   (_と__ノ⊂ニノ


引き続きお読みいただけると嬉しいです!



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