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創作世界と終末作者  作者: みげぞう
4/9

否定

「っで、何時に何が起こるんだ?」

食べ終わった皿を片付け、くつろいで忘れていた。

「っ!」

俺は急いで時間を見る、時計の針はもうそろそろ十時を過ぎる。

……危な

「あぁ、話がある……てか、なんでそのこと知ってんだ?」

「だよな、だってお前、この時間までメイちゃんを帰さないってことは泊まらせる気満々じゃん、そして、お前にあの子を押し倒す勇気は無い、そのことはお前と彼女の会話でわかる。

じゃあ、俺に何か言いたいことがあるとしか考えつかないだろ。」

ムカつくが流石探偵をやってるだけはある。

「じゃあ、内容も検討はついているのか?」

叔父さんは手を上げてさっぱりといった表情をする。

「わからん、だが、お前が本気でしようとしていることを俺は止めない。」

………真剣な眼差し、少し恥ずかしくそして、なにより嬉しい。

とりあえず、メイを呼び、叔父さんに口で説明することにした。


「……ってなワケなんだ。」

「……そうか、それなら創馬がメイちゃんの手助けをするのは俺も賛成だ。

世界の明日を背負うのは荷が重すぎる。できることなら俺も助けになれればいいんだが……」

疑いもせず信じて本気で悩んでくれている。

「信じてくれるんですか?」

そんなメイの言葉に叔父さんは苦笑いをしながら言った。

「おじさんはさ、子供の話を真っ向から否定して、何が正しいと言えるほどできた大人じゃないからね。だから、メイちゃんを信じる。」


時計の針が11時55分を回り始める。

 メイの手のひらの中に光が望まれた明日が集まっていく。

 光の欠片は形を変えピースとなる、それを組み合わせて明日を創る。

 この光景に俺は叔父さんの表情が気になって顔を見た。

しかし、その顔は予想とは大きく違っていた。

驚き………と、まるでそれを見たことがあるような呆然とした表情。

そして、叔父さんは俯き悲しげな表情まで見せた。

深夜0時、無事に明日を創り終えたメイは安心したように胸をなで下ろした。

それから、メイが疲れていることに気づいた叔父さんが俺の部屋にベッドがあることを言い、メイは「お休みなさい」といって眠りに行った。

メイがいなくなり

 無言で居続ける叔父さん。

「何を知ってるんだ?」

無言を破り疑問を口に出す。

「………はぁ、そうか、メイちゃんがそうだったんだな…」

どういうことだ?叔父さんの言葉は完全にメイの力を知っていたような口調だ。

「創馬、俺はあの力が何か知っている、そして、あの力を持ってしまった者がどうなるのかも……」

頭を搔きながら叔父さんは俺に全てを話し始めた。


「あの力は『明日を創る力』じゃない。正確には『運命を否定する』力だ。」

「運命を否定する?」

「確定した運命を否定する力、お前も見なかったか?彼女が確定した運命を否定するところを」

ふと、彼女が事故に遭うはずだった小学生を助けた光景が頭に浮かんだ。

「………」

「見たことあるみたいだな。」

「でも、叔父さんも見てただろメイが明日を創るとこを。」

「あぁ、見てたさ。けどあれは明日じゃない………あれは人が終わりを終えるはずだった運命だ。」

終わりを終えるはずの運命?

意味がわからない

「なにを言って…」

「………メイちゃんは多くの人が今日迎えるはずの死という終わりを集めて消しているんだ。だからこそ、明日を創るという言葉は間違ってはいない。」

「じゃあ、アイツは毎日他人が生きるために苦労してるっていうのかよ。」

「あぁ、そうだ、それも人類全員を守れるわけじゃ無い、救えても1000人といったところだろう。」

1000人、それ以外は結局守れない、それじゃあ。

「そうだ、彼女は毎日その1000人を選びながら暮らしている。」

選びながら、それが意味することはあまりにも残酷だった。

俺は唖然としていた。

「……お前も気づけなかったらしいな、メイちゃんは全く辛さを表情に出さないからな。」

「………」

あまりに背負っているものが重すぎる。

「じゃあ、アイツが明日を創らなかったら今日がもう一度くるっていう話は嘘なのかよ……」

「嘘じゃないと思うぞ、たぶんの彼女自身も気づかないうちに明日が来る運命を否定したんだと思う。」

 否定すればそのとうりになる世界、毎日1000人を選びながら暮らす生活、心の無い人なら適当に選ぶだろうがメイはそんなことはできない、悩んで悩んで辛くてそれでも決めなきゃいけなくて。

そんな、辛さ俺にはわからない、想像すらできない。


「そして、ここからが本題だ。運命を否定する力はただじゃない、代償として心を削る。」

心を削る……人でいられなくなる。 

「そして、彼女は壊れて獣となる、人の形をした異形の怪獣にな……」

 怪獣なんているはずないと思い暮らしてきた、怪獣がいればこの息苦しい世界を破壊してくれるかもしれない、そう願ったこともあった。

 だが、今の俺はそれを望まない、ましてや大切な人を捨ててなんて……

 叔父さんはその言葉を口にしたあと静かに俯き弱々しく言った。

「俺は救えなかった、俺はヒーローにはなれなかった、だが、お前が本気で助けようと思うなら俺はお前に全力で協力する、たぶんこれが俺にできる最後の償いだからな……」

 

 未来は真っ黒、希望は今にも消えそうな灯火、目の前には最悪の事態が待ち構えている。


しかし望まずとも明日はやってくる。



連続投稿です。

同じように誤字脱字すみません、ご報告お願いします。

読んでくださった方に最大級の感謝を

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