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創作世界と終末作者  作者: みげぞう
3/9

明るい日々

『今日が始まる。』

その言葉に対する考えは今と前では全く別だった。

見える世界は色を変えた。

空の色は深く濃い色に塗り直され、日差しはいつも以上に光沢をもっていた。

あれから、俺とメイは学校で話すことが多くなった。周囲は何で急に仲良くなったのか?と疑問に思っていたかもしれない。

「創馬、一緒に帰ろ!」

「あぁ…」

 そんな色が変わった世界でもメイの笑顔は変わらず明るかった。

世界を背負った彼女がなぜそんな笑顔でいられるのかわからなかった。

自分が間違えば明日が来ることはない、そんなこと俺なら苦しくて生きずらい。

それでも彼女は笑う。俺は彼女が観ている世界を見てみたかった。

オレンジ色に染まる世界で彼女に訊いてみた。

「なんで、メイは笑っていられるんだ?明日を背負っているのに。」

言葉を選んだつもりだったがキツい言い方になってしまった。

「私にはこの力が与えられた意味があると思うんだよ、それがどんなものかはわからないけど私は選ばれた、じゃあ、その意味がわかるまでは私は明日を創り続ける。それしかできないから……。」

その言葉は弱々しくいつものメイの言葉とは思えないかった、でも、その言葉には確かな希望と強い勇気があった。

「…………やっぱ、強いな。」

俺では敵うことはないだろう、それでもできることはしたい、彼女の背負っているものを背負うのは正直厳しいが共に背負うことならできる。

「メイ、明日を創るのはお前一人じゃ重いだろ?俺が半分背負ってやるよ。」

「…え?」

キザなことを言っている、自分でもそう思った、あまり言って笑われるのも嫌なので続けた。

「まぁ、でも、メイは力ありそうだし大丈夫か。」

冗談だとわかりやすく言った。

「……ひっ……ぐっ…」

メイの瞳から涙が流れた、ヤバい冗談が酷すぎたか?

「ご、ごめん。」

「……なんで、創馬があやまるの?」

「だって、泣いてるじゃん。」

彼女は涙を流したまま美しく微笑んだ。

「嬉し涙だからいいんだよ……」

その涙にその言葉にその笑顔に見入ってしまった。

俺の中でメイという存在が自分にもわかるように大きくなっていた。

「……ありがとう、創馬………これからもよろしくね。」

 あぁ、ダメだな俺は彼女の涙を拭うほどの勇気すらないのか……

自分自身が嫌になる。

そうだ、臆病で前に出れず、失敗を恐れ成功を失い、そんな自分自身でも肯定する、そんな存在……

笑えるほど醜く面白くない生き物だ。

しかし、目の前の彼女を見ながら思う。

いつか、彼女のように強くなりたいと、彼女の隣に立てるほどの力が欲しいと。

「……なぁ、メイ、少し俺の家に寄ってかないか?」

「へっ!?」

赤く貼らした目を見開きこちらを見る。

「きゅ、急にどうしたの?」

「いや、明日を創ることを手伝うとすると帰りが遅くなるだろ?だから、その説明のためにも家に来て欲しいんだが……」

なぜ、コイツはそんなにキラキラした目でこっちを見てるんだ?

「行くよ、すぐ行く!」

前のめりで言い寄るメイを抑えつつ。

「そ、そうか……」

そうして、メイを連れて家に帰ることとなった。




「探偵事務所?」

「あぁ、今は親戚のところに住んでるんだ。」

「へぇ~…」

コイツはさっきから緊張気味なのだがどうしたんだろうか?男子が女子部屋に入るならわかるが女子も同じなのか?と考えたがわかるはずもなかった。

ついたのは小さな2階建ての事務所のような場所、1階は探偵事務所で住んでいるのは2階だ。

「ただいま。」

そう言って、探偵事務所のドアを開く。

「おう、創馬か、今日の飯当番よろし……」

奥から髭はバラバラに生え、よれよれのワイシャツを着て欠伸をしている中年の男が現れた……叔父さんである。

「お、お邪魔します。」

慌ててメイがお辞儀をする。

そんなメイを見て、叔父さんが視線を合わせてきた。

言いたいことはわかる。

「彼女か?」

「違う。」

即座に答える。

「違うのかぁ~。」

上を向き残念そうに言った。

なんで叔父さんが残念そうなんだよ。

「まぁ、上がって上がって。」

そう言われて、「は、はい。」とまたも慌てながらメイは靴を脱ぐ。

お前もお前でどうしたんだよ……



十分後……

「ですよね~、やっぱりあの最終必殺技の格好良さといったらもう。」

「だよね、わかるね~お嬢ちゃん。」

叔父さんとメイは完全に意気投合している。俺が特撮ものを見ていたのは叔父さんの影響だ。叔父さんは特撮が大好きなのである、メイと気が合わないはずが無い。

そんな、二人を横目で見ながら会話に入ることができない俺はキッチンで夕食の準備をした。

数分後にはカレーの良い匂いがキッチン中に広がっていた。

「ほら、オタクども飯だ。」

とテーブルの真ん中に三人分のカレーを盛った皿を置く。

「えっ!、いや、私は……」

三人分のカレーを見て、メイが慌てる。

「いや、作っちゃったし食ってくれ。」

「そうだよ、おじさんももう少しお嬢ちゃんと話したいしね。」

そういって、引き止め三人で食事をとる。

「創馬、この頃学校はどうだ?」

「何も変わりなく。」

「メイちゃん、この頃学校はどうだい?」

「もう少しで文化祭なのでその準備で忙しいですよ。」

おい、といった目でこちらを見る。

そして、バシバシと俺の背中を叩きながら「コイツ、本当に何も話してくれなくてなぁ~、どうしたもんかね~。」と言う叔父さん、その言葉に苦笑いを浮かべるメイ。

複雑な心情だが確実に幸せだ。

心から笑えている、日常が楽しい。


この世がつまらないとか、生き辛いとか、苦しいだとか、確かにそれはあるそれは否定しないしできない俺だってそう思ったことがあるから。

 だけど、捨てたものじゃない。

生きる苦しみとその一時の幸せがつり合うかどうかはわからない。

 だけど、その一時は捨てるほど腐ったものじゃない。

 生きる意味なんてこんなもので十分なんだ。

 笑顔で満ちた幸せな風景を見ながらそう想う。

はい、連続投稿です。

誤字脱字すみません、ご報告お願いします。

読んでくださった方に最大級の感謝を

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