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この世界は  作者: モク
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絶望、そして希望

私、花宮 絶は今自分の家のベランダから飛び降りようとしていた、後ろから待ってという親友で、私が恋心を抱いてる柚希の声が聞こえてきている。

柚希の声を聞くと昔の事を、幼少期の頃から色々なことが思い出せてくる。


私と柚希は家も隣同士ということで、親同士も仲が良く物心ついた頃から柚希は私の隣にいてくれた。

小学生低学年の頃までは、私が友達のグループの中心に居て、柚希は私の後ろにいるような静かな子供だった。

そのまま人生が進んでいけばどれだけ幸せだったかは想像もできない。

高学年になったある日私は学校にだんだんと行かなくなってしまった。

その理由はどれだけ考えても答えが出なかった、ただ1つだけ明確にわかることがあった。

それは、このままいけば誰のせいでも無く自分のせいで、自分の人生の生きる意味がわからなくなると言うことだ。

そのまま自分は中3の春まで何度も学校に行くチャレンジはした、しかし学校に行く道の途中、教室、生徒全員から見られているという恐怖そんなようなものが、私の体を縛りつけチャレンジはするものの何度も断念してしまった。

しかしそれでも人付き合いが絶えなかったのは柚希が、毎日のように家に遊びに来てくれていたからだ。

「柚希ーなんでこんな変な奴の友達でいてくれるの?」

いつかそんなことも聞いたことがあった、柚希は一言。

「好きだから」

今思うとあの時の柚希は少し照れていたような気がする、ただその時の私は柚希に一言。

「ありがとう」

そう返したはずだ。


それからしばらくして中3の冬頃いつもどおり遊びに来ていた柚希が突然、私を壁に追いやり真剣な表情で喋りだす。

「絶、高校行ってみない?」

柚希ってこんな可愛かったのかと考えてた私は、少しだけ反応が遅れてしまったが、慌てて返す。

「無理だよ無理無理、だって私まともに勉強してこなかったし、それに柚希も知ってるでしょ? 私ほとんど何も続かないこと」

私は何をしても、長くて1ヶ月ぐらいで飽きてしまうのだ、不登校になってからせめて何かしてなくちゃと思った私は、とりあえず運動をしようと始めてみたはいいものの、1週間で全くしなくなってしまった。

それからも好きなものを見つけては、始めてみるだがどれも長続きしなかった。

学校に行こうと思っても続かないのは私のそういう性格のせいもあるのだろう。

まぁどっちにしろ全て自分のせいなことには変わりは無い。

「うん知ってるよ絶が飽き性なのは、でも私はもう一度、絶と学校に通いたいの! だから一回やってみよ勉強」

そう言い終わった柚希は、私を壁に追いやった手と顔離して行く、離れていく顔に私はこの時少しだけ寂しさを感じていた。

そこまで言われて断る理由もない私は。

「わかった、頑張ってみるよ勉強」

すると柚希の顔今までにみたことのないぐらいの笑顔をしていた。

「本当? 本当だよね絶」

そう言いながらまたもや壁に追いやってくるが先ほどよりも困らないしむしろ気分がいいとまで言える気がした。

「本当本当」

「じゃあ私毎日教えにくるね」

やはり嬉しいのか笑顔を絶やさないで喋ってくれるので、自然とこちらも顔が笑顔になっていく。


それからの受験日までの期間は、不登校になってから初めて生きてる意味があると実感できた期間だった。

もっと上を目指せる柚希も私のレベルに合わせてくれる、それに昔から小さくあった、柚希に対する恋心のようなものも、少しだけ芽を出し始めたような気がした。

柚希は勉強を教えながら、突然もの凄く照れた表情で目線をそらすことが増えたような気がするが気のせいだろう。


受験日当日、私は周りからの目線からの恐怖をなんとか耐え受験を受けることに成功した。

それも柚希が隣にいてくれたおかげだなと心の中で思いながら受験をする。


合格発表は無理をしないため柚希と一緒に家で見ることにした。

自分の番号を探していると、隣から。

「私のはあったよ、絶は? あった?」

柚希がそう言いおわったタイミングで、私も自分の番号を見つけた、思わず大声で。

「あったよ、あった!」

柚希の顔を見ると目に涙を浮かべていた。

「よかったよ、これでまた一緒に学校行けるね」

そう言いながら柚希は抱きついてくる。

「ありがとう柚希、本当にありがとう私頑張ってみるよ」

この時は、まだ取り戻せると思っていた。





こんにちはモクです。

百合好きなんで書いてみました、どのくらい続くかわからないですがよろしくお願いします。

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