アイドル奪還作戦
偶像奪還編は後2話ほどで完結します。
楽しんで頂ければ幸いです。
七月十日、午前八時六分。
この日の早朝に対GE民間防衛組織への作戦登録は既に終わらせてある。
前回レベル二の環状石の破壊実績がある為に不可能だとは思われず、作戦の中止を命じられる事は無かったが、対GE民間防衛組織の方では相手がランカーズであるとはいえ、今回も環状石を破壊できるかは半信半疑だった。
凰樹が突入するルートの反対側にある拠点晶に攻撃を仕掛ける為、エリア全体の索敵を任された伊藤と、その護衛の楠木以外のメンバー六人は、この日の作戦決行前に凰樹が言ったセリフを思い出しながら、目的の拠点晶目掛けて突き進んでいた。
別働隊である神坂達が目標とした拠点晶があるのは、KKI二九五にある保育園跡の広場の中で、凰樹が目指す環状石はこの地区のほぼ中心地にある中学校跡の校庭の隅にある。
まだ環状石からGEが姿を見せる前から中学校では邪魔者扱いされていたが、まだ平和な時には校内の写生大会などで校庭の隅に生える環状石を題材にした生徒も結構な数で存在したという事だ。
拠点晶の方は保育園がまだ無事だった頃には存在が確認されていないので、この地区にGEの脅威が迫り、その付近の住人の移住が始まった後に発生したと言う事だろう。
目標の保育園に近づく為には、GEの潜む団地跡や狭い農道などを通る必要があり、伊藤から齎される情報を頼りに、神坂達は慎重に目的地へと向かっていた。
「確か凰さんは、キツイ戦いになるだろうが、頼むとか言ってはったな」
「ああ、あの輝がキツイ戦いとか言うから、どんなものかと思ったが、まさかここまでとはな……」
高低差がある場所では、土手などを駆け上がってくる小型GEを殲滅している間に、いつの間にか上空に飛行タイプのMIX-Aの小型GEなどが旋回し、攻撃するタイミングを窺っていたりもしていた。
しかもまだ拠点晶に攻撃を加えていないにも拘らず、以前住宅街で作戦行動をしていた時以上の小型GEが、次から次へと十匹単位の群れを成して襲いかかってきていた。
「伊藤です。環状石方面のGEはまだ動く気配がありませんが、周りの拠点晶からは既にいくつかの紅点が移動を開始してます」
「どれ位だ?」
「KKI二九四方面から、約五十ほどの小型GE。これはあと五分程で目視できる位置に到達すると思われます。KKI二九六からはおよそ百でコレは十五分後……」
全員が装備している最新式の特殊ゴーグルにもある程度の距離は紅点が表示されるが、GPSを利用している端末に比べれば精度は遥かに劣る。
この特殊ゴーグルだけを頼りにする事が如何に危ういか、神坂達は嫌と言うほど思い知らされている。
「あと……、偶に反応が消える紅点が幾つかあります。半停止状態の中型GEか、擬態中のMIX-Pがいると思われますので、十分注意してください」
伊藤は今までの経験から、半停止状態の大型GEや中型GE、それに擬態中で紅点が表示されにくいMIX-Pまで見つける事が出来る様になっていた。
どうやっているのかは分からないが、半停止状態や擬態中のGEは特殊ゴーグルではまず発見できず、GPSを利用した端末でさえ発見は容易では無かった。
半停止状態の大型GEや中型GEは特に脅威であり、不意を突かれれば神坂達とはいえ無事では済まないだろう。
索敵任務を軽んじる学生AGEの部隊などは、半停止状態の大型GE辺りに出会えば、全滅覚悟で撤退出来るかどうかという状況で、そうでなくても、気が付かない内に擬態中のMIX-Pの中に飛び込み、結構な被害を出す事も珍しくは無かった。
「了解、一番近い所で何処だ?」
「百メートル先の家辺りです。家の中とは考えにくいので、庭かその周りに注意してください」
セミランカー辺りを引き入れて発足したての部隊では目標の拠点晶直前まで車やバイクなどで移動し、拠点晶に特殊ランチャーで一撃を加えて破壊するという案も良くあるが、道路には所々で車が放置されたままであり、台風や大雨などの時に流されてきた木々が道を塞いでいる事も珍しくは無く、ひとつ間違えれば即全滅と言う愚を犯さない為に、地道に目標までの間にいるGEを倒しながら進むほかはなかった。
神坂達も廃棄地区でGEを眺めながら車でドライブするような趣味は持ち合わせておらず、隊列を組んで襲い掛かるGEを確実に処理しながら目標地点へと向かっていた。
「使ってる弾が高純度弾でよかったですわ。これだけGEの数が多ければ、手数の違いが部隊の崩壊に直結するに違いありませんし」
「えっと……、これが普通じゃないんだ?」
「普通の部隊がこんなとこに来たら、半分位の距離で全滅しとるか泣きながら撤退しとりまんな」
「異常発生の時よりはマシだが、一緒に戦ってるのが俺達じゃなく、使っている弾が低純度弾だとしたら、最初に遭遇した中型GEで詰んでるだろうぜ」
この地区についてから、既に二匹ほどの中型GEと遭遇し、ワンランク高い高純度弾に切り替えた竹中が冷静に仕留めていた。
あまり戦闘経験の無い宮桜姫だからこそ、かえってこの状況に怖気づかずに神坂達と行動できていたのだが、これが半端に戦闘経験のあるAGEであれば、顔を真っ青にして逃げ出していた事は間違いない。
「でも、普通はさ、拠点晶の攻略ってこんな感じなんだよな」
「そうっスね。前にいた時の部隊は、毎回こんなかったっスよ。破壊出来た事は無いっスけど」
喋りながらも霧養は、射程距離に入った小型GEを一匹一匹確実に打ち倒していた。
GEの接近を知らせる伊藤の存在も大きいが、確実にそれを処理できるメンバーが揃っていればこそ、この場所まで進んでこれたのだ。
ソコソコ経験の多い部隊であるならばともかく、平均的な普通の部隊であれば、半分程度の距離すら進めていないだろう。
「ひとりであんなに拠点晶を破壊出来るあきらが異常なだけ。普通は一日がかり」
「一日どころか、普通の部隊だと、拠点晶の攻略作戦なんて半月とかっスよ。周りの小型GEを削りに削って、それでも拠点晶まで辿り着けるかどうかは運しだいっス」
以前、桃ヶ峯女子高等学校のAGE部隊、桃色戦天使が拠点晶に辿り着けた要因としては、周りの拠点晶を凰樹が次々に破壊していた為、比較的近場に存在していた小型GEが広範囲に拡散して、丁度空白地に近い状態になっていたのも大きかった。
拠点晶の破壊手段も持たずに拠点晶に半端な攻撃を仕掛ければどうなるか、本来道中にいる筈だった無数の小型GEに一斉に襲われた事で、桃色戦天使はその愚かさが骨身に浸みて理解できた事だろう。
「で、なけりゃ、拠点晶の破壊報酬に最低百万ポイントなんて付いてねえさ。……伊藤から情報のあった家の前に着いたが……」
「特殊ゴーグルの方にはそれっぽい反応はありまへんな。……神坂はん、あそこの松の木、ちょっと怪しゅうおまへんか?」
ちょっと広い庭の隅にある松の木、その近くには寝そべって伏せた姿で石の彫刻に変わっている少女や、何も無い庭の隅で何かの物陰に隠れたような姿で石に変わっている男の石像が何体か確認できた。
そしてその近くにはいかにも身を隠しやすそうな松の木があり、彼らが其処に隠れていた姿が容易に想像できた。
「今までここに来た他のAGEがいたみたいだな。アイツらがいなきゃ違和感に気が付かない所だ」
「あの状況で、他に何人も引っかかると思ってるんっスかね」
「思ってるんだろ? MIX-Pに脳味噌があるならな」
窪内がM60E3フルカスタムを構え、いまだに擬態を続ける松の姿をしたMIX-Pに無数の高純度弾を浴びせた。
以前の数倍の威力になった高純度弾が枝や幹を吹き飛ばし、その状態でようやく擬態を解こうとしたMIX-Pは、ほんの数センチ元の場所から移動しただけで低純度魔滅晶を残して消滅した。
「伊藤の情報が無けりゃ、不意を突かれて結構な損害が出てたんだろうな」
「この部隊は索敵を重視してるのが、本当に素晴らしいですわ。一人で活動している時は本当に苦労しましたから」
長らくソロで活動していた荒城などは、特殊ゴーグルの情報を頼りにメインウエポン、サブウエポンに、万が一の時の為のハンドガンまで用意して小型GEと戦っていた。
特殊ゴーグルでは発見しにくいMIX-Pなどから痛いダメージを食らった事も一度や二度では無く、凰樹が索敵を重視している事を知った時は流石と感心していた。
「輝抜きでの拠点晶攻略が此処まできついとはな」
「いままでの拠点晶攻略作戦は、比較的楽なエリアを選んでたのは間違いない。キツイ任務を任されるようになったって事は、あきらが私達を信頼してくれてる証拠」
「ゆかりんの言う通りでんな。凰さんあれで慎重な面もありまっから」
神坂や窪内は以前も同じ部隊にいた事は多いが、他の隊員も含めてそこまで信用されて無ければ本当に凰樹がひとりで何とかできそうな拠点晶の攻略しか提案してこなかった。
逆に、凰樹に信頼されれば信頼される程、難易度の高い場所にある拠点晶の攻略を持ちかけられていた。
「……情報があった小型GE五十、肉眼で確認」
「高純度弾使ってるから、殲滅するのは簡単なんだけど」
「油断大敵。個体差があるから小型GEでも甘く見たら痛い目に合うよ」
簡単に消滅する小型GEを甘く見ていた宮桜姫を竹中が窘めていた。
次の瞬間、バッタの足を持つ五匹のMIX-Aが高く飛び上がり、上空から襲いかかろうとしてきた。
「その姿見たらそれ位予測できるっス」
「同感ですわね」
空中高く飛び上がった小型GEは、即座に反応した霧養と荒城に即座に殲滅されたが、反応できなかった宮桜姫は十分に肝を冷やした。
「AGEを続けてるとね、誰でも最初小型GEは雑魚だって思うんだ。でも、何度か怖い目に合うと今度は恐ろしくなって戦えなくなるの」
「誰もが通る道でんな。凰さんは別かもしれまへんが」
一度GEに生命力を全て奪われて石に変えられながらも、まだ本当の意味でGEの怖さを知らない宮桜姫に、竹中が心構えのような物を教えていた。
「でも本当に一番怖いのはね、一度目の怖いって気持ちを乗り越えた後でGEが怖くなくなっちゃう事。慢心や油断で今度は後悔してもしきれない恐怖を味わう事になるんだよ」
「それで全滅する部隊も多いっスからね。GEがなんで魔物類って物騒な分類にされたか、ちょっとでも考えればわかりそうなもんっスけど」
最初に抱いていた恐怖を忘れ、GEが金を生み出す雑魚だと誤解し、自分達が無敵にでもなったかの様に振る舞ってそして雑魚の筈の小型GEに囲まれて全滅する。
年に数えられない程発生するAGE部隊の壊滅情報の多くは、そういった油断から始まる。
「そろそろ目標の保育園跡地でんな」
「伊藤、撤退路の情報を頼む」
神坂は拠点晶に攻撃する前に、その情報を伊藤に求めた。
状況が急変して一秒を争う事態が発生した時、事前にそう言った情報を知らなければ身動きが取れず、最悪の事態に発展しかねないからだが。
「………来た道は既に小型GEが集まってま~す。拠点晶攻撃後は旧ホームセンター方面に向かって移動してくださ~い」
「てことは、そこの道を左に曲がって坂のぼって池方面の反対側か……」
神坂だけでなく、そこにいた全員が特殊ゴーグルに地図情報を表示させ、撤退ルートを確認した。
「進路確認、それじゃあ、いくっス」
特殊ランチャーで拠点晶攻撃を受け持ったのは霧養で、鉄パイプに銃のパーツを組み合わせた様な無骨なデザインだったそれを構え、特殊弾に生命力をチャージし、目標の拠点晶に向かって大きな特殊弾を撃ち込んだ。
ほぼまっすぐ進んだ特殊弾は拠点晶に当たると眩い光を放ちながら砕け散ったが、拠点晶の表面に大きなヒビを残しただけで、計画通り拠点晶を破壊するには至らなかった。
「緊急通信、環状石周辺の拠点晶にいた小型GEが一斉に移動を開始しました。あまりに多くて正確な数は分かりませんが、千近いと予想されます」
「せ……千? いきなり増えてないか?」
「移動速度が異様に遅い個体も多いので、MIX-Pも相当な数混ざっていると思われます」
「森が動いたってアレか!! 冗談じゃないな」
数年前、杉の木に偽装していた大量のMIX-Pが同じ様に移動し、そこに荒れ地が出現した事がある。
無数のMIX-Pが移動するその光景を目にした者は、「森が動いたんだ……」と証言している。
「移動速度の遅いMIX-Pは囲まれなければ大丈夫ですわ。問題は……飛行タイプですわね」
「あと、足の速いMIX-IやMIX-Aだな」
事前に確認していた通り、神坂達は坂をのぼって池の反対側に向かって走り続けていた。
「あとは輝次第か…………。頼むぜ」
射程内の小型GEを確実に処理しながら、神坂はそんな事を考えていた……。
◇◇◇
拠点晶に攻撃を加えられて数分間。
凰樹は特殊ゴーグルに表示されたGEを示す紅点の動きに注目していた。
「作戦成功だな。この位置なら万が一引き返しても間に合わないだろう」
凰樹は超小型の対GE用結界発生器が万が一に途中で故障した場合も想定し、頭の中で何度もGEの動きをシュミレートしながら環状石の生える中学校への突撃ルートを考えていた。
そしてついにバイクのエンジンを全開にし、目標である中学校へ向かって突撃を開始。
平時であれば完全に速度違反で捕まる状況、しかし、今は風が唸り、風景が溶け、マシンがあげる咆哮がこのKKIで暮らしていた人々の希望を懐いていた。
「流石に元市道、道路状況はそこまで悪くないが、たまにある倒木には気を付けないといけないのがな」
今回だけではないが、倒木だと思ったら擬態したMIX-Pだった、なんという事もある。
下手にGEとの戦闘を行えば凰樹の存在が発覚し、作戦自体が失敗しかねないからだ。
「次の角を曲がれば……、よし、目標の中学校及び環状石を確認………。よし、後は突入するだけだ!!」
中学の校庭に入った後も、目標の環状石までは直線で2百メートルほどあったが、その数メートル手前でバイクを止め、バイクの運転に邪魔にならない様に背中に背負っていたM4A1カービンや二本の特殊小太刀を取り外し、何時も吊っているように腰にセットした。
セットする際にチャージボタンを押し、それぞれに生命力を十ずつチャージさせておく。
「この新型はトリガーさえ押さなければチャージした生命力を即座に消費しないのが助かる」
凰樹はM4A1カービンにも二秒程チャージし、準備万端の状態で環状石内部へと突入した。
この時、ようやく環状石内部に侵入者が発生した事に気が付いたGEは一斉に環状石向かって動き始めていた。
「コレが環状石内部の通常の状態か……。要石を守る門番GEは大型GEだな……」
門番GEの大型GEは体長十メートル程の熊がベースで、その背中からは、伸ばして広げればやはり十メートル程はあると思われるカマキリの腕が六本も生えていた。
前回の百足型のリビングアーマー同様、スペシャルスキルを有している可能性があった為、確実に初撃を叩き込む為にM4A1カービンに追加で五秒程チャージし、頭部に向かって狙いを定めた。
「そこだ!!!!」
銃口から放たれた高純度の特殊BB弾は、既に誰が見ても弾の形をしていなかった。
チャージされた生命力と融合し、光と化して熊の姿をした大型GEの頭部に命中し、命中した弾は僅か一発で弾が命中した頭部だけではなく、着弾点から眩い光の玉を生み出して熊型大型GEの胸辺りまでを抉り取る様に消滅させる。
「邪魔だ、消えろ!!」
二本の小太刀のうち、先日入手した新型では無く、もう一本の小太刀のトリガーを引きながら熊型大型GEの身体を真っ二つにし、目の前に無防備に晒された要石に最新型の小太刀を根元まで突き刺した。
「KKIの人を、返して貰うぜ」
トリガーを引くと同時に、内部から崩壊を始めた要石は僅か数秒で完全に崩壊し、環状石内部が眩い光に包まれ、それと同時に崩壊を始めた環状石光の粒がKKI地域全体に降り注ぎ始める。
数分後、凰樹は廃校になっていた中学校の校庭にいた。
目の前にあった目障りな環状石は既に跡形も無く消滅し、凰樹は何故か目の前に転がっていた門番GEと要石から生み出された超高純度魔滅晶を手にして、今回の作戦の勝利をかみしめていた。
◇◇◇
凰樹が要石の破壊に成功した時、神坂達は決死の撤退戦を繰り広げていた。
いっそもう一撃加えて拠点晶を破壊した方が良かったんじゃないのか? そんな意見が出るほど事態は逼迫していた。
「ヤバイな。あとどのくらい持つか分からないぞ」
動きの遅いMIX-Pはまだそこまで近づいていないが、後二十分もあれば戦闘可能な距離まできていた。
「凰さんが環状石に向かったのが十五分前、後十五分位は耐えんといかんのとちゃいます?」
当初の予定から言えば三十分程の作戦で、現在十五分ほどしか経っていない為に、後もう十五分ほど今の状態で戦い続けなければいけない筈だった。
「門番GEがどの位強いかだな。如何に輝でもそう簡単に倒せない可能性はあるだろう」
「そうっスね。前回の百足型のリビングアーマークラスだと、苦戦する可能性も……」
百足型のリビングアーマーは普通の部隊でどうにかできる強さで無いのは既に知れ渡った居る。
今回攻略する環状石はレベル一だが門番GEがそれに近い程に強い事は十分考えられた。
「まずいですわ。このままだと……、え? あの光……、それに周りのGEが……」
もう十五分ここを抑えなければ、そう考えていた荒城の目に映ったのは、眩い光の柱だった。
そしてそれの発生と同時に周りにいたGEの動きが殆ど停止し、内部から爆ぜる様に消滅し始めた。
「よっしゃ!! 輝の奴、今回も成功させやがったな」
絶体絶命のピンチは自壊するGEと共に霧散し、勝利を祝福する様におはじき大の低純度魔滅晶が日の光を反射して輝いていた。
「伊藤で~す。環状石の消滅を確認しました~。これでエリア内の拠点晶は全部崩壊しますけど~、そこにある高純度魔滅晶はどうしますか~?」
凰樹が環状石を取り囲む様に破壊していた内部の拠点晶だけでは無く、その外周部でもかなりの数の拠点晶が存在していた。
その拠点晶がすべて消滅し、現在KKI区域内には無数に転がるおはじき大の低純度魔滅晶に紛れて、莫大な数の高純度魔滅晶が生み出されていた。
「全部回収出来りゃ莫大な額になるだろうけど……」
「今日は日曜っス。作戦行動中の部隊が周りにある高純度魔滅晶を奪い合うんじゃないっスか?」
「確かにな……。コレでほかの部隊の装備が良くなりゃいいか……」
車を使ってKKI区域を全域移動し、点在する高純度魔滅晶を回収する事は可能だ。
しかし、今回は他のAGE部隊の装備向上を願い、ランカーズはあえてその膨大な量の高純度魔滅晶を放置する事に決めた。
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