少女は人を食う
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少女は人を食べた |
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食べられる人は村で祭り上げられた |
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その人は優しく食べられることに悔いは無かったと彼は言う |
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少女は人をまた食べた |
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食べられる人は今週も村で祭られる |
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人々は悲しいそうにその人を見守った |
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その人は幸せだと喜んで食べられた |
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食後のあとの日記には必死で書いた血の文字が ー
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その人の血を思い出す |
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その翌年 少女は父を食べた |
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祭り上げられる人はもういないらしい |
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父は涙を流しながら |
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私を食べてくれてありがとうと答えた ー
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少女もまた涙を流しながら |
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お父さんありがとうと言って彼を食べた |
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その翌週 少女は母を食べた |
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母は元気でいてねと |
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優しい言葉で息をして |
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少女は一人になりたくないと |
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涙を流した |
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少女は死にたかった |
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少女は皆のところへ行きたいと思った |
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少女は左手を食べた |
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少女は徐々に天国へ行くだろう |
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少女は嬉しかった ーーー
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食べながら嬉しかった ーーー
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以上が紙切れの内容である
早くその少女を探さなくては
誰だ、こんな食料も水もない
災害避難施設を設置した人物は
彼女は飢えているに違いない
待っていて すぐに助けだすから
村の最後の希望をこれ以上
人を食う怪物にさせたくはない