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『迷惑な大地』  荒れ狂う世界1943年後半

本編(年表風)は8話で終わります。

横にずれてしまった分が色々と。

しかし、ロシアはどこへ?『迷惑な大地』なのに。

7月、イギリス・ドイツ・イタリア・ベルギー・日本・満州国で連合国結成。

   イタリア・ドイツ・ベルギー、アメリカとフランスに宣戦布告。


 アメリカ合衆国、イタリア・ドイツ・ベルギーに宣戦布告。

 フランス、イギリス・イタリア・日本・ベルギーに宣戦布告。

 フランスがここでしてくるとはアメリカに出来る限り援助をさせる気だろう。

 サイゴンのアメリカ・アジア艦隊は大っぴらに行動を開始出来るようになったが周り全部敵国か中立国であり、マニラ軍港が復旧できていないことから結局終戦までサイゴンに引きこもりを決めた。本国の了解も取っている。本国との通信はフィリピン-ハワイ経由でなんとか維持されている。


 フランスへの輸送作戦

 アメリカ海軍はアイスランド占領に見せかけイギリス海軍主力をアイスランド方面に吊り出し、その隙にフランスへの大規模輸送を成功させた。

 今回の輸送には錬成の終わったサンガモンとチャージャーの護衛空母2隻とワスプが護衛でいた。北方の囮部隊にはヨークタウンとエセックスがいた。

 今回は囮艦隊がひたすら逃げ回っており海戦は発生していない。


 金剛級空母就役。4隻が続々と艦隊に加わり訓練を開始する。



 8月、マリアナ奪還作戦発動。

 太平洋のアメリカ海軍に空母が1隻もいない(ロング・アイランドはいたが、鳳翔程度の能力なら問題なしとしていた)ことから、稼働可能な翔鶴、加賀の空母2隻を中心とした機動部隊と龍驤を付けた上陸援護部隊の2個艦隊を編成。

 陸軍3個師団と艦砲射撃の援護で占領する見積もり。

 二週間の戦闘後、マリアナ諸島奪還完了。

 この時アメリカ陸軍の戦意と能力を低く見積もっていた陸軍部隊に多大な損害が出た。舐めた代償は大きかった。なお陸軍は追加で1個旅団を呼び寄せている。

 グアムはアメリカ領なのに奪還とはこれいかにとささやかれる。


 満州国から中華民国軍撤退。国境線を越えての追撃はせず。アメリカからの補給が途切れアメリカ製兵器の維持が出来なくなったためと見られた。


 アメリカ海軍、陸軍の役立たず爆撃機*に予算をつぎ込むのを止めて海軍予算を増やすように要求する。


 地中海海戦*。イギリスに宣戦布告後、フランス地中海側の軍港トゥーロンに逃げ込み地中海の艦隊と合流して大きく膨らんだフランス主力艦隊をイギリス地中海艦隊とイタリア海軍が襲撃する。フランス艦隊ジブラルタル通過時にイギリス海軍ジブラルタル駐留艦隊は到底勝ち目が無かったために、ジブラルタルに閉塞していた。

 フランス海軍、大きなダメージを負う。イタリア海軍とイギリス地中海艦隊は辛勝と言ったところ。

 地中海は安全になったが、イギリス地中海艦隊は大きな損害を出しイタリア海軍などは立ち直れそうに無い。

 アメリカ海軍、イギリス周辺で通商破壊戦を展開するが中立国船舶が多く誤射を恐れ確認をしっかりするので戦果は少ない。イギリスの対潜能力が意外と高く損害が多く出る。



 9月、ヴェルダン再び*。

 アメリカからの補給物資が届き戦意の高いフランス軍と自国兵器(戦車と戦闘機)の能力に疑心暗鬼のドイツ軍。ドイツ軍は自国兵器の能力に悩まされながらも増産なった航空機の数に助けられヴェルダンを抜いた。


 アメリカが再びフランスへ物資輸送を試みるが今度はイギリス海軍も騙されず、何回かのチャレンジ後諦めてアメリカに帰る。

 海戦は発生せず。

 カサブランカに降ろして高速の駆逐艦輸送も実行してみたが、イギリス軍哨戒網の突破が難しく1回で中止となった。



 10月、中立国船籍船がパレスチナのユダヤ人入植者とアメリカ義勇軍に物資を届けていたことが判明。イギリスが圧力掛ける。戦争状態ではないためそれ以上のことが出来ない。


 フランス救援作戦開始。

 アメリカ海軍、ようやく数がそろい練度もなんとか実戦に出せるようになった護衛空母のうち6隻とエセックス・イントレピッド・エンタープライズ(Ⅱ)・サラトガ(Ⅱ)・ヨークタウン・ワスプの正規空母全力でフランスへの大輸送作戦を開始。

 イギリス海軍とドイツ海軍・イタリア海軍は当然妨害に出る。が、イタリア海軍は地中海でフランス海軍と共に戦力を激減させており、両海軍とも大西洋に主力を派遣していない。


 大西洋海戦起こる *。

 大西洋海戦はフランス向け巨大輸送船団と妨害しようとする連合国艦隊が戦った大西洋中部の潜水艦戦から始まる広範囲の海戦。

 イギリス海軍大ダメージを負う。



 11月。金剛級空母慣熟完了。

 金剛級空母を中心とした仏印攻略艦隊が編成される。正規空母各艦はアメリカ海軍への対抗上太平洋方面から動かせない。

 陸軍の仏印攻略部隊と共に仏印に向かう。中華民国の動きは無い。日満はまだ中華民国と休戦協定は結んでいない。国境線を挟んで対峙する状況になっていた。

 仏印総督、徹底抗戦を叫ぶが可能な戦力はない。サイゴン港のアメリカアジア艦隊はとても勝てないし全滅するだけとして出撃を拒否する。

 戦力の集中している南部を避け北部より攻略を開始するが、駐仏印フランス軍の抵抗が激しく寡兵とはいえ油断が出来ない。ジャングル地帯に逃げ込まれると空母からの航空支援も行き届かず苦戦する。 


 パリ攻防戦。パリ郊外に展開するフランス軍をドイツ軍が攻める。アメリカ製航空機の補給で上空を守りきったフランス軍だが、アメリカ製航空機の消耗も激しく繰り返された攻防で遂に航空戦力が尽きた。そうなればパリを守るすべはなかった。

 


 12月。ドイツ軍、パリ入城。

 フランス政府、南部に疎開し戦争を続ける。しかし、軍の動きは低調で士気も低く一部ではドイツ軍に降伏しに行くなど離反が相次ぐ。


 仏印日本軍、ようやくダナンまで南下。

 中華民国軍が仏印へ越境。日本軍の後背を突くと言っているがどさくさに紛れて火事場泥棒のように領土をかすめ取る気だろう。

 日本軍、反転して中華民国軍を相手取る。仏印総督府とは交渉して休戦に持ち込んだ。仏印総督やフランス政府はアメリカ合衆国の同盟国に近い存在である中華民国の相手をしたくないようだ。日本が領土を守ってくれるならいいかと思っているに違いない。出撃しなくても良くなったアメリカアジア艦隊が一番喜んでいる。







*

ヴェルダン再び。

ドイツ軍が攻めるが、陸戦ではフランス軍に配備されたアメリカ製兵器が優秀で攻めきれなかった。結局、増産して増えた航空機の数の差で勝った。

三号戦車はH型になりM3中戦車に対抗できるようになっていた。しかし新たにM4中戦車が投入されてきたのだった。近寄らないと貫徹できない戦車砲と近寄る前に貫徹されてしまう装甲。「この戦車では奴らに勝てない」と言ったドイツ軍人がいるらしい。四号戦車を急遽改造始める。五号戦車計画案出る。

Me109E4となり威力の増した機体だが性能でP-40を圧倒するまでにはならなかった。相変わらず戦場滞空時間の短さは解消されていない。それをようやく増産体制が整ってきたことから数の力で戦場を支配できるようになった。

常時とまでは行かないが交代制で戦場支援が可能となり、航空機の絶対数がそろわないフランス軍がヴェルダン防衛を放棄しパリ郊外まで後退した。


*

陸軍の役立たず爆撃機。

本土以外に展開も出来ないのに4発戦略爆撃機(B-17・B-24)の整備にばかり力を入れているのが頭にきての発言。さらに海軍からすれば狂っているとしか思えない超長距離爆撃機計画(B-29・B-30・B-31・B-32)。そんなもの計画するなら「船を造って運用する金にしろ」と言いたい。

陸軍は海軍が負けるから出番がないのだと言い返す。陸軍もフィリピンで爆撃機だけで日本を屈服させるとか言っておいて、だめだったではないか。いや海軍が補給路の確保を出来なかったせいだと言い返す。(もっと汚い言葉ですが、ソフトにしております)

海軍はつい「日本海軍相手だけなら勝てるが、イギリスも引っ張り込んで敵にして勝てるわけないだろ」と本音を漏らす。

戦力比で10対17だからどうやっても勝てないと言い訳に終始する。個別でいけば太平洋では日本10に対して8。大西洋ではイギリス10に対して6。しかも太平洋の主戦場は西海岸から6000マイル、ハワイからでも4000マイルで、大きな拠点も無いと泣きが入る。

陸軍、少し海軍がかわいそうになる。しかし、ここで海軍の味方をすると政権批判と取られかねないので、海軍が負けるからと最初に戻る。



*

地中海海戦

地中海に逃げ込んだフランス艦隊を叩こうと、イギリス地中海艦隊とイタリア海軍が合同で作戦行動を取った。フランス艦隊が通商破壊に出れば地中海航路は危険になる。

なお連合国艦隊の主役はイタリア海軍。イギリス地中海艦隊は助っ人的立場であった。ここら辺は連合国の政治的配慮から出ている。

リットリオとヴィットリオ・ベネトとローマにレパルス、アンソンと対したリシュリュー、ジャン・パール。ジャン・パールが沈みリシュリューはメルセルケルビムに逃げ込めたが艦橋を吹き飛ばされ主砲も旋回不能と戦闘能力を失っていた。ダンケルクとストラスブールも沈んだ。他にも巡洋艦や駆逐艦多数が戦闘不能にされたり沈んだりし、フランス海軍は戦闘力を失った。

イタリアは、リットリオが中破、ヴィットリオ・ベネト沈没、コンテ・ディ・カブール沈没、ジュリオ・チェザーレ中破。巡洋艦と駆逐艦も沈んだ艦がある。

イギリスはレパルス轟沈、アンソン小破。巡洋艦と駆逐艦に沈んだ艦がある。

2隻いたR級戦艦は速力が合わず戦艦戦に参加できなかった。

フランス戦艦が高速で戦闘を続けたからだった。数で勝っていたのに損害が大きいのはフランス戦艦の堅さと主砲の威力が大きかったためと結論づけられている。

イギリスは地中海制海権の維持に成功し、イタリア海軍は連合国艦隊の一員として存在感を示すことが出来た。この戦闘後、イタリア海軍で大西洋に派遣できるのは重巡洋艦2隻と駆逐艦数隻となってしまった。イタリア海軍はそれでも大西洋海戦に送り出している。



大西洋海戦

始まりは潜水艦の索敵攻撃から。大艦隊発見の報を出しそのまま攻撃に入るというやる気がありすぎる連中だった。

アメリカ海軍は護衛駆逐艦建造を始めていて既に20隻が就役。この作戦にも11隻が参加している。他にもモスボールされていたフラッシュデッカー32隻が参加している。最新鋭フレッチャー級駆逐艦16隻とベンソン級以前の駆逐艦22隻まで入れれば、大小駆逐艦だけで80隻も参加している。船団護衛にあたるのはそのうち54隻というとんでもない数だった。

艦隊は正規空母5隻と新鋭戦艦3隻と旧式戦艦5隻を主力とする大艦隊を編成していた。

護衛される輸送船は120隻にも上る。3個の船団に分けての船団群だった。

護衛空母8隻を含め日英では信じられない。

やる気のありすぎる連中は群狼作戦という新戦術を使ったが、相手の駆逐艦と対潜哨戒機が多すぎて相当な戦果を上げるものの未帰還になった艦も多い。

英独併せて30隻の潜水艦を一気に投入。10隻が未帰還だった。戦果は護衛空母1隻、駆逐艦14隻、輸送船25隻撃沈という大戦果を上げている。

一方、イギリス海軍機動部隊は負けた。艦載機の数と性能で圧倒されたと言ってもいい。

しかし、その隙を突いたイギリス本国艦隊戦艦戦隊がフッドを先頭に輸送船団目指して突撃。フローレス島沖海戦と同じ構図となった。

多数のアメリ海軍艦艇と輸送船を沈めたがイギリス本国艦隊の損害も多く、当面立ち直れそうに無い。

輸送船団はなんとか守られながらフランスに到着。イギリスから長距離爆撃にくるが戦闘機の護衛が無く攻撃は失敗に終わった。

到着した輸送船は74隻。フランスが当面しのげる物量が届いた。さすがのアメリカ海軍も品切れで次はいつになるのか不透明である。

アメリカ海軍は新鋭戦艦3隻全て失った。他にも旧式戦艦3隻が沈んだ。アメリカ東海岸に残っている戦艦はニューヨーク級と12インチ砲装備の旧式戦艦のみである。空母はエセックス大破の後放棄。沈んだ空母はエセックスだけ。

イギリス海軍は正規空母3隻を失った。損害がそれだけですんだのは装甲甲板のおかげだが、かなり性能に劣る艦載機がほとんど失われたために空母があっても空母部隊は戦闘不能となった。 

戦艦はハウとバリアントとマレーヤが沈んだ。 



次回更新 本日 06:00 

これで年表風本編は終わりです。

何話か横道話を上げます。


この世界のドイツはバリバリの軍事国家ではないので開戦前の軍備は少々で、量産体制もありませんでした。研究だけはしていたということでお願いします。

全艦の艦名は疲れたので勘弁してください。

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