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『迷惑な大地』  勝負に出たかった1944年             終焉の1945年

最後あっさり。

本編は8話で終わりで完結。

1944年

アメリカで生ゴムの不足が目立つ。


 アメリカで重要戦略物資の生ゴムが不足し始めた。イギリスと開戦したのが拙かったのだろう。生ゴム生産地のほとんどがイギリス植民地である。

 ブラジルから輸入をするが、それで量が足りるわけもない。合成ゴムも頑張っているが性能は到底及ばない。

 戦力的には1945年になってからの方がいいのだが、東西で消耗を続けている現状では。

 太平洋方面は夏頃をめどにマリアナ奪還を行い、その後フィリピンを目指す方針が決定された。

 ヨーロッパ方面は、フランス支援の強化とイギリスの弱体化を目指す方針が決定された。



1月、フランス政府ボルドーに名目首都移転。

 ベルギー軍、フランスに侵入。フランス軍が後退したため交戦は無くフランス軍にやる気が見られない。



2月、ドイツ軍、フランス北部のフランス軍と休戦協定むずぶ。

 ボルドーから怒りの交戦命令があるが、無視をする。フランス国内では政権と軍で統制の乱れがあるようだ。

 イタリア軍、ニース、カンヌと進撃するがマルセイユ手前で激しい抵抗に遭う。ドイツ軍に負けるのもいやだが「イタリアごときが生意気な」的に思っているのかもしれない。



3月、ドイツ軍ル・マンまで進出。

 そこでフランス軍と対峙する。ドイツもこれ以上進む兵力が無い。

 イタリア軍、マルセイユ手前で停滞。



4月、フランスへの輸送作戦が行われる。

 イギリス海軍本国艦隊の妨害が無く、潜水艦戦に終始する。

 輸送作戦は成功。



5月、フランス軍、北部で攻勢に出るも航空戦力を充実させてきたドイツ空軍とイギリス空軍の前に攻勢は失敗。マルセイユ付近の状況は変わらず。



6月、エセックス級空母、エンタープライズ(Ⅱ)・サラトガ(Ⅱ)・ホーネット(Ⅱ)・タイコンデロガ・イントレピッドの5隻が太平洋艦隊に配属される。

 


7月、トラック島沖海戦*

 日本委任統治領トラック島占領される。

 トラックに浮きドックなどを持ち込んで、拠点にした。



8月、マリアナ沖海戦*

 グアム奪還を目論んだアメリカ軍の第一手。ほぼ引き分けに終わり、トラック島まで引き揚げる。

 


9月、中華民国軍、仏印より退去

 日本軍が追い払ったとも言う。

 マリアナ航空戦。トラック島からマリアナ諸島に爆撃機B-17とB-24で攻撃開始。護衛はP-38。



10月、フランス政府内で内紛

 ド・ゴール率いる反政府派が実権を握る。

 ド・ゴール、連合国に休戦を申し入れる。

 トロツキーを名乗っていた人物は偽物と発覚。

 アメリカ合衆国、フランス援助中止をほのめかす。

 フランス政府、援助中止を受け入れる。

 アメリカ軍、マリアナ空襲中止。損失とパイロットの肉体的消耗に耐えかねた模様。



11月、アメリカ大統領選挙。

 戦争推進派現職大統領敗れる。

 新大統領候補は戦争終結を公約に掲げていた。

 国内世論は、厭戦気分が高まっている。開戦前の興奮が嘘のように。



12月、アメリカ軍が積極的戦闘を控える。潜水艦は全て帰投した。

 各地で静かなクリスマスと年末年始を迎える。




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1945年1月20日。アメリカ合衆国新大統領就任。

 就任演説で戦争の終わりを明言する。

 議会で連合国との休戦を議決。



2月01日、アメリカ合衆国とフランス。連合国と休戦。

 講和交渉開始。



3月、中華民国と満州国、休戦。

 講和交渉を始める。

 アメリカ軍、中華民国より撤退を始める。



4月、アメリカ、大韓国の準州準備を中止。

 アメリカ軍、大韓国より撤退を始める。


   

6月、パレスチナよりアメリカ軍撤退開始。



7月、アメリカ軍のいなくなったパレスチナでユダヤ人入植者とパレスチナ武装勢力の抗争激しい。

 後ろ盾の無くなったユダヤ人入植者はじり貧となる。



8月、ユダヤ人入植者のほとんどが退去することでパレスチナ武装勢力と合意。

 残る入植者は高圧的な態度を取っていなかった地元に認められた者達だけであった。

 ヨーロッパの数国でユダヤ人入植者の帰還と受け入れを拒否。彼らはアメリカ合衆国に向かう。



9月、大韓国、日本に援助を申し入れる。相手にせず。



10月、アメリカ合衆国で前大統領の身辺調査開始される。

 講和後、前大統領と側近の一部に開戦前の動きで不自然な部分があり調査したところ、ユダヤ系資本と中華系資本からかなりの金額(非常識な金額)がロビー資金として流れていたことが判明。大統領一族もかなりの金額を受け取っていたり特別扱いを受けるなどが判明。

 前大統領や側近の一部は収賄の罪で起訴された。他にも色々出てきて捜査中となっている。

 これをきっかけにロビー活動がかなり制限される。

 ユダヤ系資本と中華系資本は贈賄以上の罪に問えないことからアメリカ合衆国を戦争に進めたとして嫌悪されることになった。

 特に陸海軍関係者からは嫌われた。(戦争における戦死傷者の6割が陸軍と関係者で4割が海軍と関係者。物理的損害額の8割が海軍と海運関係)

 以降、ユダヤ系資本や中華系資本が大株主である会社は軍需に関われなくなっていく。(入札に参加できないや随意契約でも意図的に指名されないなど)

 また民間でも嫌われ、企業業績の悪化を招き役職からの辞職や株を手放すなど急速に勢力を弱めていく。



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1947年、大韓国、満州国の支援を仰ぐ。

 満州国が国防上重要地点として大韓国を支援。日本としては中華民国ではなくて良かったと思っている。

 大韓国、事実上の満州国属国に。



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1950年、国際連合発足。


 国際連盟が発展的に国際連合となる。

 理事国5ヶ国と幹事国5ヶ国が中心となり参加国多数で発足した。

理事国

イギリス 日本 イタリア ドイツ ベルギー

幹事国

シベリア共和国 満州国 トルコ インド アメリカ合衆国


 アメリカ合衆国の幹事国入りは議論されたが、やはり最大の経済力と生産力を持つ国を外すのは拙かろうという理由と、アメリカ合衆国に国際社会の一員として協調性を重視させる狙いがあった。もっとも、賠償金支払いを軽減する代わりに働けという意味もあった。半額(アメリカ合衆国の国家予算4%から2%)に減免された。支払いは40年間である。

 フランスは講和会議中も身勝手な理屈を振り回しわがままを言ったため、重要国家とは見なされなかった。フランスの賠償金支払いは減免する理由もなく、国家予算の3%*を40年間支払い続ける。アルザスロレーヌはフランスに帰属することになった。ただし、非武装地帯としてフランス軍基地の設置は認められていない。上空をフランス軍用機が飛行するのも不可である。

 フランスは仏印独立紛争が起こり泥沼化していたが、予算に余裕無くじり貧である。早く諦めればいいのにと各国から思われている。

 オランダも蘭印独立紛争が起こり泥沼化していたため、早く諦めればいいのにと各国から思われている。

 ベルギーも植民地紛争を抱えているが連合国として参戦し実際にフランスに踏み込んだことから、早期に植民地問題を解決することを条件に理事国入りをしている。国際連合発足時には全て解放している。

 イタリアは戦争終結後、植民地解放を行い理事国入りしたときには持っていなかった。石油利権はがっちりと押さえている。


 イギリスは紛争が起きる前に植民地を現地人の手に戻して、紛争からうまいこと逃れた。老獪な国である。解放反対派もフランスとオランダの状態を見てこうならなくて良かったと考えている。


 トルコの幹事国入りは周辺地域安定のために必要とされた。


 ドイツとオーストリアの併合は解除された。



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1955年、仏印独立紛争終了。

 仏印各国独立を取り戻す。

 フランスが後見しようとしたが全て拒否される。

 日本とイギリスに満州国が後見となる。



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1960年、蘭印独立紛争終結。

 インドネシア独立。

 オランダは国家が傾き掛けるほど注力したが国際支援を得られずに敗北。

 日本とイギリスが後見となる。



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1987年、トロツキー死亡説。


 トロツキーがメキシコで最後を迎えたという記録が出てきた。



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2020年

 共産主義や社会主義の国は無い。1944年にフランスで最後の共産主義があっただけ。共産主義や社会主義は社会運営上の理論や概念として研究され、行き過ぎる自由資本主義を抑えることにある程度成功している。










*

トラック島沖海戦

マリアナ奪還のために近場の拠点としてトラック島を制圧しようとしたアメリカ軍と日本軍との戦闘。陸戦は無く、海戦のみ。




*

マリアナ沖海戦

トラック島占領でマリアナ近傍に拠点を持てたアメリカ軍は本格的にグアム奪還を目指した。

マリアナを守る連合艦隊主力と護衛空母まで入れれば30隻もの空母を持つアメリカ太平洋艦隊の戦い。




*

国家予算の3%

予算が増えれば支払いも増えるというキツい罰である。ベルサイユ条約で強硬すぎたツケとも言える。


お読みいただきありがとうございます。

ロシアは出てきませんでした。

*は、あとで書き足すかもしれません。

横道話も出来れば投稿します。




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御参加ありがとうございます。 ソ連成立が失敗した結果の歴史改変、大変楽しく読ませていただきました。 ただ作中でも触れられていましたが、露西亜の存在感が薄かったですね。 それから、合衆国の影響力が…
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