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四天王

◼️先に行かせた団員を意図も容易く追い抜き、デーモンを魔法で殺しつつ、五分程走り続けた海斗は線の先にたどり着きつつあった。

【主、近いぞ】

◼️その言葉に眼を細めてよーく見ると、あるデーモンの剣とアイスエイジから伸びてる線が繋がってるのを見つけた。

『見ーつけた!!』

◼️高く跳びアイスエイジをその勢いのまま振り下ろす、普通なら真っ二つになっていてもおかしくない威力は充分にあったが、剣で受け止められ、周囲のデーモンが余波で死んだ。

「とんだ挨拶だな」 

◼️反撃をさせないため、剣で受け止められた瞬間少し後方へ下がる。

『初めまして俺は七つの大罪のリヤンだ。名を聞いても?』

「デモゴルゴン」

『へぇー、聞いたことのある名前だ』

「こっちもお前を知っているぞ。お前があの七つの大罪団長イラクライムのリヤンだな」

『四天王にまで知られてるとは、俺も有名になったもんだ。よし決めた。四天王デモゴルゴン、お前がアイスエイジの最初の餌食にしてやる』

「ぬかせ、お前こそバーニングの餌食ぞ」

『行くぜー!殺すが簡単には死ぬなよ!!』

◼️これが進化して最初で、魔剣を使うのも初の全てが初めからのスタートになるから、自分の力を先ずは半分位だし、その半分をアイスエイジに流し込む。魔剣の性能は互角だが、魔力の流している量の違いか、バーニングはアイスエイジの氷を溶かせずにいた。逆にアイスエイジがバーニングの焔を凍らせ海斗が砕いた。そんな攻防戦が続き、デモゴルゴンを援護しに来たであろうデーモンは全てもれなく氷漬けになっている。

◼️魔剣の魔力同士が激しくぶつかり合い、その余波は戦場にいる七つの大罪の団員には感知が出来る程の多きな物であった。恐怖に不安が団員にはあった。しかし、団長の言葉を思いだし団員は命令を遂行するのに専念した。

◼️焔の色が紅から、蒼に変わったのを見て瞬時に凍らせようとしたが凍らず、海斗へ向かってくるが、それを避け近接戦を仕掛けた。

『良いねぇー、なんだ?あの焔』

「答えると思うか?貴様こそ、何者だ。本当に人属か?」

『俺の聞いた事は答えないのに、自分は聞くってか?都合良すぎるぞっと!!』

◼️今度はデモゴルゴンが後方へ下がる。一瞬にして出来た氷の山から自分を守るためだ。バーニングでは溶かせないとふんでの行動だ。何故なら魔力がさっきより上がっているからだ。

『簡単には凍ってくれないか。流石、四天王デモゴルゴン、身体能力、魔力、それにバーニング確かに危険だ。昔の俺なら死んでるわ、それに相手が俺じゃなかっても死んでるな。我ながら自信の感は恐ろしいわ。提案だデモゴルゴン』

「提案だと?」

『そうだ、お互い一つだけ質問をする。質問された方は素直に答えるってのはどうよ?』

「我が真実を話すとは限らんぞ」

『いいぜ別に俺自身、今の攻防でお前や四天王についての興味はなくなった。俺が聞きたいのは一つだけだ』

「よかろうなんだ?人属よ」

『ものわかりが良くて助かる。じゃあ聞くぜ、魔人、もしくは魔人王は何処にいる?』

「奈落の跡地にいらっしゃる」

『奈落の跡地ねぇーなんか面白い名前、後で調べよーっと、でデモゴルゴンお前の質問は?』

「だったら、貴様は人属、人属が何故、アイスエイジを使いバーニングですら溶かせない氷を作りあげている?」

『そう言われてもねぇー支配下においたのは事実だし、俺は単に魔力をアイスエイジ流してるだけだ』

「なん……だと」 

『ありえねぇーって言いたげだな顔だ。お互いの用はすんだ。さて、デモゴルゴン次で最後だ』

「最後だと?」

『そう、次の一瞬でお前を殺す、今の俺なら四天王なんか子供にしか感じないと証明されたしな』

「大きく出たな、それに我を子供扱いとはこれ以上不快な事はない!お前を殺す!!!」

◼️剣を振り下ろし、焔の一線が海斗へ襲いかかる。仮面の下の海斗が笑うと、その場から姿を消した。

「何!?」

『もーらい、名は五連激百花繚乱!!』

◼️デモゴルゴンへの五ケ所へのまともな攻撃が当たり直ぐに離れた。傷はかなり浅く、傷口は凍っていた。

◼️身体を触り凍っているため、血すらでてない位だ。侮辱されたと思い、デモゴルゴンは身体を震わせ、海斗への追撃が遅れた。

「貴様!この程度で我を殺せると?」

『思ってる』

「貴様!!」

◼️身体を動かそうとするも、バーニングが手から落ちて、動かない、いや動けない。

「な、何故、動けない」

『種明かし、お前えは、いやデーモンの大半が人属を一番弱い種属だと思ってる?違うか?』

「当然だ!人属など取るに足らん最弱種よ!!」

『それが間違い、だから俺の五連激を許してしまい、反撃が遅れた。傷口を見てみな』

◼️自信の身体がさっきの食らった、傷口から徐々に凍り始めていた。

「この程度!!」

『無駄だ、無駄だ。俺が考えなしに五連激を使った。お前そう思うわけ?』

「何を!?」

『お前は動けないんじゃない。動かせないのさ、何故なら俺の五連激の場所は、首、肘二ヵ所、膝二ヵ所の計五ヵ所、デーモンでも身体の作りはこの世界の種属達と似てるんだよなぁ!?』

「まさか、貴様全てはわざとか!!それに我をわざと怒らせたのか!?」

『そう、俺は転移でお前の背後に回り、五連激をした後、お前が少しでも俺への攻撃をするのを遅らせる為、わざと浅くして傷口にも少ししか、凍らせなかった。そうじゃないと気づかれるからな、数秒で良かった。何故その五ヵ所にしたかわかるだろ』

「我を確実に動けなくする為だろ。人属の構造を考えるなら、ある意味肘や膝は身体を動かす基盤だからな」

『大成功!!お前はこれから綺麗な氷像になる。安心しろ完全に凍ったら、綺麗に砕いてやるから、だから死んどけ』

「後悔するなよ。我を殺した事を」

『後悔?笑わせるな、俺は俺らはお前らを殺す為に居るんだよ。久しぶりにまぁまぁ楽しめたよ。じゃあ、さようならだ。百花繚乱』

「ぐぁぁぁぁーーー」

◼️百花繚乱と唱えた後傷口の凍結は一気に侵食して、デモゴルゴンの全身を包み込み頭の部分には氷の花が咲いた。

『氷像の出来上がり!さて』

◼️近づき、デモゴルゴンの氷像にアイスエイジを突き刺した。

『吸え、魔力を魂すら残すな、アイスエイジ』

【承知】

◼️氷像になったデモゴルゴンの身体の色が黒から白へ変わった瞬間、氷像はゴナゴナに砕け散って、この破片は戦場の風で綺麗に舞っていた。

『綺麗なもんだ。後はあれ?』

◼️デモゴルゴンが持っていた筈のバーニングが失くなっていた。

『どういう事だ?』

◼️さっき覚えた感知を使うと、線は西の方角に伸びていて、数秒もしない内に消えてしまった。

『アイスエイジ、これは、感知範囲の外にでたのか?』

【その様だ】

『そうか、でもどうして?デモゴルゴンの手から離れた一瞬しか、目を離していない筈‥』

【恐らく主と我の感知に引っ掛からない。四天王クラスの固有スキルか、魔人が今回の手引きをしたのかと】

『そいつは、西にいるのか』

【そうじゃと思う】

『切り替えて行こう!!あれだ、バーニングを回収出来なかったのは誤算だが、四天王の一人は殺した。今回はそれでいい。どうだ?アイスエイジ、味方殺しは?』

【何か込み上げてくるものがあり、面白かったぞ主よ】

『それは何よりだ。後はあいつらと』

「団長!!」

◼️空から舞い降りて、海斗に抱きつきて来たのは、覚えのある香りので心が少し安らぎ、香りをしている奴は、一人しか居なかった。

『アリシア何故ここに?』

「私達の命令は遂行しました。突如現れた大きな魔力が消えたので、皆が…副団長が先に団長の元へ行く様にと」

『そうか、お前らの方も無事終わったのか、よくやったな』

「はい、団長も無事で……本当によかった……よかったです~~」

『おいおい、泣くなよ。こんな所誰かに見られたら』

「あー団長がアリシアを泣かせてるぅ~」

◼️聞こえて来たのはサイゼルの声で、振り向くと、シルフィー、ガークスが冷たい視線を送られた。

『お前ら、これは違っ!!アリシア、おいアリシア、説明を!』

◼️泣きつきたアリシアはまだ泣いている。

「団長?」

『はい!!』

◼️言わずもがなシルフィーの声である。

◼️またと言うか、なんと言うかプチ裁判が始まり有罪となり、昔の話を根掘り葉掘り攻められた。

『裁判長、いいや、シルフィーお陰で色々思い出してきたぜ……』

◼️また正座させられいて、許可はされてないが海斗は立ち上がり魔力が漏れていた。

「団…長…?」

◼️何故かわからないが、シルフィーは嫌な予感がした。自分が海斗に何かした事はない。でもこの感じ海斗は何かを思い出したみたいだ。

『シルフィー……死神の十日間……覚えてるか?』

「……それは和国に行く前の事でしょうか?」

『そうだ。覚えてる様でよかった……』

◼️突如感じた寒気にシルフィーの方が正座をして土下座までした。

「すいません!!」

「シルフィー、何かやらかしたのかよ。アハハハ」

◼️その行動にガークスが笑うも、標的が変更された。

『ガークス姉さん。貴方も他人事じゃないですよ?』

「え?」

『赤犬の酒場って言ったらわかりますか?』

「赤犬の……酒場」

◼️次にはガークスまで、正座からの土下座だ。その行動にサイゼルも、少し恐れていた。

『安心してください。サイゼル姉さんは特にないんで』

「本当に?」

『はい』

「良かったぁーー」

「あの、団長、二人ともなにしたんですか?」

『アリシアとサイゼル姉さんは知らんだろうな。話すから、アリシア、サイゼル姉さん、この二つの裁判に賛同してくれますか?』

◼️サイゼルは自分が何かしてないか、していたとして何か言われないかを心の中から恐怖して了承し、アリシアは二人が何をしたか気になり了承した。

『じゃあ、先ずはシルフィーだ』

◼️海斗は語り始めた。一番最初から、当時まだ七つの大罪がと言うより、海斗が冒険者で活動していて、七つの大罪団長になった全ての経緯を、あれは十年近く前、まだ海斗が右も左もわからない。冒険者として依頼を受けていた時、たまたま見た国王陛下が運ばせていた箱の中身を、運ばれていた箱が海斗の前で、兵士が力尽き、魔法結晶が零れ落ち、海斗がそれに触れ、一つの魔法結晶の余波で反応のし、共鳴したのか他の魔法結晶の全てに海斗が適正があったのがわかった。

「その魔法結晶って」

『察しの通り、俺達七つの大罪全員の魔法結晶だよ』

「そうなんですね。団長が最初の七つの大罪の一人だったんだすね」

『驚かないのか?俺は当時、平凡な冒険者だったんだぞ』

「いえ、団長の話ですから疑いません」

『そうか、話を続けるぞ。知ってるだろうが、魔法結晶ってのは、性能が高くなればなるほど威力が強く、適正がない、または低ければ低いほど、持ち運ぶのに大きくて頑丈な箱がいる為、最低でも二十人で運ばせる』

「団長は当時、全てに適正があったので普通に持ち運べたんですね」

『正解、その事もあり、国王陛下から七つの大罪発足の命令と、当時問題になっていたエルフの国へ向かう事になる。国名はサルージュ』

「サルージュって、シルフィーの出身国ですよね?」

『そうだ。俺は国王陛下の命令でサルージュへ向かった。シルフィーに会ったのはその時だ。そして、その日は俺が初めてデーモンを殺し、魔将を殺した日でもあった』

「団長が魔将を…サルージュで何があったんですか?」

◼️全てを語った。サルージュが魔将に攻められ、崩壊しそうになっていて、強制契約でエルフ達が同属殺しをさせられていた事実を、それを海斗たった一人で退け、安定をもたらした。

「その時から、団長の魔法はすごかったんですね。でもシルフィーが出てきませんが?」

『そうだな。あれはエルフの国の救ってやって、国王陛下への命令遂行した報告が終わった時だったな。俺は王城へ停まってたんだが、そこへ一人のエルフが入ってきた』

「そのエルフってまさか」

『あぁ、シルフィーだよ。今では七つの大罪の副団長だが、シルフィーは今でも王族の血筋だ』

「そうなんですね。でもそれからどうやって、七つの大罪の団員に?」

『これは俺の完全な気まぐれだったんだが、シルフィーがどうしても力が欲しい。今回の様な惨劇は繰り返したくないって言うもんだから、試したんだよ。七つの大罪の魔法結晶適正をするかと、すると見事に適正があった。それを知った俺は国王陛下へ連絡し、国王陛下がエルフの国王へ進言してくれてな、俺とシルフィーは二人で七つの大罪の団員になれる素質のあるやつを探す旅に出る事になった訳だ』

「でも、私の頃は国での試験だった気がするんですけど?」

『その頃は各地を周り終えた後でな、サイゼル姉さん、アリシア以外の団員は決まっていて、間が悪い事に、当時国の外で人属しか、かからない奇病が発生してるって事もあって、俺は旅は出来なくなり、おさまるまで国での試験となった。その合格者が、サイゼル姉さん、アリシアだよ』

「なるほど、今回の死神の十日間って言うのはいったいなんですか?」

◼️死神の十日間のフレーズを聞いただけで、シルフィーは、何度も何度も頭を地面に当て続けた。

「シルフィー……本当に何したの?団長」

『二人で旅をし始めた事は話はしたな』

「はい」

『俺らはそれから、海の向こうの国、抹茶国別名、和国へ向かってた』

「そこはリュウジの出身国ですね」

『その最中だよ。シルフィーがやらかしたのは、和国へ入るには死神の海、死神の森って呼ばれてる場所を通るよな』

「そうですね。和国へはそこからしか入れませし、出れません」

『適正はあっても、当時まだシルフィーはグラ、つまり暴食を制御出来てなくてな、今でこそ、一日十人前位食うが、その頃は千人前でも食うくらいの暴食かでな、食わないと暴れるわ、殴りかかってくるわ、散々でな。俺がどれ程、食料調達と止めるのに苦労したか』

「なんで苦労したんですか?暴れるならともかく、海と森なら食べ物位あると思います」

『そう思うだろ』

「違うんですか?」

『死神の海と森にいる。魚、植物、魔物、全てには天使でも耐えられない。強烈な毒素があるんだよ。最初から知ってたら対策もあって、楽だったんだが知らかったのが運の尽きだった。間の悪い事にシルフィーは船上で暴れだしたんだよ。船を沈没させる訳にはいかんから、俺が止めてたんだが、俺自信もまだイラ、憤怒の力を制御出来てなくてな。強すぎたら殺してしまう上、船は沈没するし、手加減したら対抗できなわで大変だった。その時の状況が強烈だったのか、船の船員がシルフィーの事を死神って呼ぶようになったんだよ。だよな、シルフィー』

「その通りです!はい!はい!」

「それが死神の十日間ですか?」

『和国へは船で十日はかかるからな、今でも知ってる奴らはいるだろうよ。俺は船の修繕費で国王陛下からの資金は尽きた。あの航海はマジで死ぬかと思ったよ。魔力の枯渇、空腹、それに体力の消耗でな。そんな奴が理由も聞かずに俺を裁定する?あっていいと思うか?』

「あってはなりませんです!です!はい!あの頃は団長様におかれましては、苦労をお掛けした事を深く御詫びします!!」

「シルフィーのこの怯えよう、かなり酷かったんですね」

『酷いで済んだら楽だったかもな、下手したら死人が出てたからな、特に俺が死んでた。それを踏まえ、今回の裁定の欠をとる。有罪だと思う者』

◼️シルフィー自信と、サイゼル、ガークス、アリシアは酷いと思って勇気をくれたシルフィーには悪いと思いながら有罪を口にした。

『裁定は有罪、シルフィーには前回の制定で俺にかした命令件を剥奪する。意義はないな』

「勿論です!はい!」

『次の裁定にうつる。ガークス姉さんの番ですよ』

「はい!」

◼️赤犬の酒場、それはまだ七つの大罪が五名だった頃に起こった事件と言うか、喧嘩だそうだ。その酒場は国にあった酒場で今は更地になってるらしい。

「喧嘩って誰とですか?」

『だーれだろうな、シルフィー、お前どう思う?』

◼️話を振られたシルフィーはまた頭を何度も地面に当て続けた。

「まさか、ガークスさんの喧嘩相手って」

『シルフィーだよ。その時七つの大罪な団員五名は決まってはいたが、ルール、団長すら決まってはなかった。だよな、二人とも』

『はい!!』

◼️当事者の二人の恐怖がシンクロして、大きな返事が返ってきた。赤犬の酒場での、とてつもなくしょうもなく、何故喧嘩したのかわからない回答が海斗の口から話された。

「団長それマジですか?」

『マジですよ。サイゼル姉さん、洒落になりませんよ。酔っぱらってたとは言え、犬派か猫派かの意見の対立で酒場が一件潰れたなんてね。今考えても頭が痛い』

『すいませんでした!』

◼️再度シンクロした。

『それで七つの大罪は無法集団、問題児、暴れ者、なんて言われはじめ、国王陛下への苦情の山の書類が出来上がり、でも七つの大罪の解体する訳にはいかなかった。デーモン対策としてな。だから国王陛下から命令が下った。代表者、即ち、団長を決め勝敗実力差をわからせる事により、ルールを作り徹底させるってな』

「それが今のルールなんですね」

『そっ、それで俺が全員に勝ち団長に抜擢され、七つの大罪のルールを作り、実力差で団員の序列が決まり、不満なら戦いを挑み、勝てば序列を入れ換える。そのルールも同時に作った。ルールの第二節の三名の評で裁定出きるってのは、五人だった頃の名残だよ。俺は人属だから、生きてる内に後二名を探せるかわからなかったからな』

「理解できました。一つ質問いいですか?」

『なんだ?アリシア』

「ガークスさんとシルフィーで店一件潰してるなら、ガルルとリュウジが何かしでかさないなんて事ないと思うんですけど」

『鋭いなアリシア、その通りだよ。あの二人もかなりやらかしてる。ガークス姉さんとシルフィーなら店一件で済んだが、あの二人が何件吹っ飛ばしたか、今から思っても頭痛い』

「そんなに吹っ飛ばしたんですか?」

『三十件じゃすまんだろうな、そこにまた間の悪い事にガークス姉さんとシルフィーの一件で、酒場が吹っ飛んだもんだから、当時は風当たり強くて何回逃げ出したいって思ったか』

「団長、なんで逃げなかったんですか?」

『俺とイラの適正が虹色だったからって言ったらわかるだろ』

『虹色!?』

◼️サイゼルとシルフィーの声もシンクロした。魔法結晶の適正は、黒、赤、黄、青、緑、最後が虹色、黒が一番低く、一番高いのが虹色だ。通常は黄色が普通である。虹色は滅多に出ないに加え、何前年に一人いるか居ないか、つまり適正が一番良く力を発揮しやすいのを意味した。

『そんな俺が、魔法結晶を返還して冒険者に戻ったとしたらどうなったと思う?』

「四人を止められる人は居なくなるんですね」

『その通りだよ。だから俺は七つの大罪で居続けた。その後の試験でサイゼル姉さんが合格し、最後にアリシアが合格し、正式に七つの大罪が発足した。その後は二人も知ってる通り、デーモンとの戦闘が本格的に始動して、実績を積み上げあの家を貰い、俺達を配下ではなく、一つの組織七つの大罪と認めて貰える様にまでなった。って訳だ』

「そんな事があったんですね」

『それで本題に戻すが、そんなくだらん理由で店一件吹っ飛ばした、ガークス姉さんもシルフィーみたいな目で俺を見る事が出きるのかな?』

「誠に申し訳ありません!本当にすいません!!」

◼️裁定にうつり有罪が確定し、ガークスも海斗への命令件を失った時、ガルルとリュウジが合流した。

「これは」

「ど言う状況でざるか?」

◼️普段なら団長が女性陣に怒られてるのを目にする。目にしたのは、逆でシルフィーとガークスが海斗に怒られていた。

「サイゼル」

「ガルル、リュウジもきたんだ」

「これはどういう状況でござるか?」

「実は」

◼️その説明をすると、ガルルとリュウジにも心あたりがあるようで、同時に叱られている二人を見ない様に背を向けた。

「二人ともやらかしたんだ」

「昔、ちょっとな」

「そうでござるな」

◼️ガルルの発言で海斗の中で何かが切れた。シルフィーとガークスの前から姿を消し、ガルルとリュウジの前に立ち肩に手を置いた。

『ガルル、リュウジ終わったんだな』

『団長!!』

◼️二人が同時に叫ぶ。

『今。ちょろっと聞こえたんだが、ガルル、お前サイゼル姉さんが聞いてちょっとって言ったか?』

「それはその、言葉のあやと言うか」

『言葉のあやだとして、三十件は吹っ飛ばした奴がどの面下げて言ってやがる。リュウジお前もそう思うよなぁー?』

「その通りでござるな」

『だよな、リュウジお前も盛大にやらかしてるもんな、俺の記憶違いか?』

「違わないでござる」

『昔の事だ。水に流してやろうと思ってたんだが…次のお前らに質問する回答次第では、あの時出来てないから、七つの大罪の団長として裁定を下す必要がある』

「その団長!皆が心配してるぜ」

「そうでござる。速く帰ろうではござらぬか!」

『それなら安心してくれ、既に俺の配下以外もう高台を警備してないから』

「あの団長いつの間に?」

『俺がデモゴルゴンに勝てるって確信を得た時にな、既に帰国してるだろうな』

「誠でござるか?」

『誠でござるよ。勝てる確信があり、雑魚はお前らが殺すってわかってて、七百人の警備は必要ないからな。帰らせた。だから時間はあるよーく考えて、今からするいくつかの質問に答えて欲しい。と言うより答えろ』

◼️二人は怯えて返事を返した。

『ガルル、お前の吹っ飛ばした店の件数思い出したよ。確か、リュウジとの喧嘩も合わせると五十件は吹っ飛ばしたなお前、しかも金を俺に払わせお前は全然払ってない。なのに自分がしでかした過ちを覚えてないのか?正直に答えろ』

「金を払ってないのは覚えているが……件数までは覚えてねぇー……」

『そうか、そうか。次リュウジ』

「はいでござる!」

『お前は、ガルルとの喧嘩で五十件を吹っ飛ばし、それから、自分の求める物がないからって言う身勝手な理由で鍛治屋を一件吹っ飛ばしたよな。今ではお前の刀はガークス姉さんが作ってるが、その当時は確か国に刀がないから、国の二件目行った鍛治師に刀を作るよう脅して、それ以降刀を作らせては、七つの大罪の名前をだして、刀自体の制作費が膨大に掛かるのに、自分の懐が痛まないよう安値で買ってたよな?覚えてるか?』

「そんな事も……あった気がするでござる」

『気がするか……二人とも、お前らが同じ男ならわかってくれると信じてるから言うぞ。男らしいって言うのは、自信でしでかした事に責任をとり、前を向いて歩く奴の事を言うと思うんだよ。そんな奴が昔の罪を無かった事にして、本当に前に進めると思うかなぁーガルル、お前どう思う?』

「団長の言う通りだな……」

『リュウジお前は?』

「……おっしゃる通りかと」

『よーくわかった。リュウジ、七つの大罪のルール第三節を言ってみろ』

「はいでござる!第二節で裁けるのは中規模までを適応するとし、第二節で裁ききれない様な、大規模な問題に対しては団長と副団長の審議により、裁定が下されるでござる!!」

『そうだな、昔とは言え今回はそれが適応されると思う。シルフィー』

「はい、団長」

『二人がやった事が、第二節で収まると思うか?』

◼️二人は背中で訴える。副団長様どうにかして欲しいと、それは付き合いが長いから伝わりはした。しかし、二人がしたのは庇いきれない大惨事だったのを今でも覚えている。シルフィーは心の中で誤り質問に答える。

「収まりませんね」

『なら、裁定するぞ。シルフィーお前はどう思う?』

「心苦しいですが、有罪で」

『わかった。俺の裁定を言う前に、一言だけ発言を許してやる。何かあるか?』

「団長お願いだどうか寛大なる処置を!」

「お願いでござる。団長、団長の優しさを賜りたく申し上げ奉る!」

『わかった。わかった。じゃあ裁定しよう。俺の裁定は…………有罪に決まってるだろ。馬鹿やろうどもが!!』

◼️ガルル、リュウジの順で蹴りを入れて、空中高く上げる。それを見るシルフィー達は、二人がかなり高く上がって死ぬのかと本気でと思ってしまった。その後落ちてきた二人は、半分気絶状態の二人に追加で処分を言い渡す。

『ガルル、リュウジ、二人は一年間の酒禁止!それと一年間の減給だ!!お前らに支給されるのは銅貨五枚だ!!破ったら、今の倍の痛みを味わう!わかったな!!』

「わかっ……た」

「しょ……うち」

『サイゼル姉さん、この気絶した馬鹿やろう二人を運んでやって下さい、七つの大罪は仕事を完遂したとし、よって帰国する』

【了解】

◼️こうして四天王を殺した話は世界中に一気に広まった。七つの大罪は英雄伝説に語られる英雄その者だと、多くの情報屋が号外を出したのは、七つの大罪が帰国してからであった。


















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